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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

秋の味覚、マツタケよりも円買い!

秋刀魚も美味しい季節、昨日は栗ご飯を食し、秋の味覚シーズンも到来、マツタケだけは中国産で我慢するが、味覚が劣っている人には区別は出来ない。為替も高金利通貨(マツタケ)ばかり追うと手詰まりが生じる。バランスが取れたポジションとリスク限定の取引に執着した方が長く堅実な目標に近づく。輸入物ばかりに頼る時代でもあるが、素直に受け入れることも必要な時、食材しかり、野球、大相撲も外人勢の力なくして成立しない。しかしながら、許せない輸入物もあることは事実。日本そばで名高い信州そばも、そば粉が中国産50%カナダ産50%と堂々と表示してある。せめて3:3:4の比率で導入して欲しいものだが、背に腹は変えられないのが実情なのであろうが、秋の味覚にちなんで、貴方の味覚は円買い、ドル買い、それとも高金利通貨買いなのか、じっくり見極める時期に来ている。安いものでも調理法(リスク軽減)により旨味が確実に上昇するものを探したい。

▲自民党の圧倒的な勝利で、円高、株高が約束されたような状況である。しかしながら、政権交代が実現しても円高という予測もあり、大幅な円高になると疑問符が残る。おそらく、一気に一時的な円高になったとしても短命に終る公算が高い。108円を割れる展開でもなく、利益確定の動きも早まることが予想されるため過度な円高期待は禁物とも言える。
結局は原油高の動向に注視しなければならず、インフレ懸念と世界経済の悪化、そしてハリケーンの被害状況の拡大に伴う、米国の景気減速、米金利動向の連続的な利上げの是非が問われるだけに、容易な相場ではないことは確実である。ハリケーンの被害による保険金支払いによる米ドル買い、復興のために日本政府が更なる米国債購入など、米ドル買いに繋がる資金的な協力要請もあると言われるが、あくまでも推測の域を脱しておらず、最終的にはこじつけ的な発想も浮上するが、当面の米経済成長率が押し下げられることもスノー米財務長官も認めており、各米経済指標の改善も期待薄なだけに、米ドルの後退局面を常に配慮すべき段階である。とは言っても中国人民元の引き上げが再実施されるまでは円高にも限界があると見るのが順当であろう。ユーロドルには影響は限定的であるが、今週は米ドルの方向感が鮮明になることも予測されが、米ドルショートで臨むことを勧める。
**********今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
乖離幅が円高により急速に調整されている、ほぼどの通貨も想定された基準値に移行しており、利益確定のチャンスとともに、ポジションを閉じる段階に移行中。乖離幅の拡大または縮小を待つことが賢明であるが、今週の推奨は強調できるレベルに達していない為、少な目の売買から開始することを勧める。
推奨:::ドル円売り 109.70 弱めのシグナル。買戻しは109円割れ。カナダドル売り、豪ドル売り、ユーロドルは1.2415の買い。NZドルとポンドは様子見段階。
▲ドル円―――ドル円は先週に引き続き、109.70円で売り継続だが、強い売りシグナルではなく、もう一歩待ってからの始動が賢明である。買い戻し108.85円を想定し、少な目の売りを推奨する。これだけ自民党が圧勝すると108円台前半までもあり得る。
▲ユーロドル―――現状は1.24台前半の買いを推奨しているが、前々回推奨したユーロドル売り1.25台半ばからの続落でもあり、下げ余地は1.23台半ばまではあるが、ドル円とユーロ円の平均乖離幅28円から26.45円と幅としては不十分な段階であり強気なユーロドル買いは25円までの乖離幅が必要である。少な目のユーロドル買いを推奨する。
▲豪ドル・NZドル――基本的には様子見圏内であるが、豪ドルは乖離幅基準値26円から24.65まで縮小し、豪ドルの売りが摸索される。24円割れが生じれば売りが鮮明になるのだが、ナンピン覚悟の売りであるならば現状からの売りを推奨する。NZドルは弱冠売り気配であるが、様子見が正解。
▲ポンド――先週の様子見レベルから変化せず、動きがでるまでは待機すること。
▲ カナダドル―――先週と変わらず唯一推奨できる通貨である。0.8496の売りを推奨。
▲豪ドル円/NZドル円(裁定取引)――――前回は乖離基準値6.50円を維持していたが、7.40円に拡大している。現状でも豪ドル円売り・NZドル円買いを推奨するが、直近の乖離が9円まで拡大したことを配慮すれば、8円以上の乖離を待ってから実施したい。逆に6円割れには逆に豪ドル円買い・NZドル円売りに妙味が生じる。
▲ドル円+ユーロ円『単純加算方式採用』先週はドル円109.70+ユーロ円137.50=247.20円と高値圏を推移、248円以上であればドル円売りとユーロ円売りを推奨できる局面であるが、現状は245台後半まで縮小し、積極的な売りは推奨できないが、当面は248円以上であれば売り、242円割れであれば両通貨の買いをメドにしたい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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