ドルの見直し時期到来!方向感を探る展開へ?
●今週の見通し
先週注目された米雇用統計は米非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想よりも大幅に悪化しており、1974年以来の減少幅となり、一時は株価急落に繋がったが、終盤にかけては悪材料の出尽くし感と底打ち期待が高まり、一気に500ドル以上の回復を見せて終了している。他方、ビッグスリーの救援策は実現の運びとなる模様であるが、彼らの支援要請額340億ドルを大きく下回り、目先の支援金は150億ドルに留まる見込みであるが、米政府としては年度内の金融システミックリスクを配慮した上での決定事項であろうが、付け焼刃的な支援策に懐疑的波方が支配的である。同時に米自動車業界のモラルハザードが指摘されている以上、統廃合に向けて必至の状況であることには変わりがない。
先週の株価上昇にはサプライズ的な要素が多分に含まれていることは疑いの余地はないだろうが、今週も引き続き株式相場の不安定な動きに左右される為替相場でもあり、年度末に向けては今後の米自動車業界の救済の難航、住宅関連の落ち込み、そして、雇用環境の悪化などが世界経済の共通概念になっており、相場の難易度を更に高めている。
他方、先週は各国の利下げが相次いだことで、金利格差縮小に伴い円高が強調されているが、米国では来週15〜16日にも追加利下げが必至であり、現状、円はリスク回避通貨に一役買っている状況であるが、米経済の景気減速のみならず、日本経済にも確実に景気減速の兆候が見られるだけに、今週はファンメンタルズや、テクニカル分析で安易に相場展開を読み切れる状態ではない事を踏まえ、控えめなトレードに専念すべきであろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年12月07日(日)
先週は相対的にドル売りシグナルが先行していたが、ドル円の大幅な急落により、円全面高の様相を見せている。本チャート上ではドル円が92円前後から久方ぶりに買いシグナルが発生している。そして、ドルは他の主要通貨に対してもニュートラルなレベルまで回復しており、次の展開待ちの様相を見せている。ただし、週足チャートではドル売りが継続されており、未だに下げ余地を残している状況であり、もう一段のドル売り状況を踏まえてから始動が得策であろう。
一方、オセアニア通貨裁定取引においては、乖離幅が弱冠拡大して、豪ドルショート/NZドルロングに妙味が生じているが、強いシグナルとは言えず、先週と同様に12〜13円前後の乖離幅拡大から始動することが好ましいだろう。そして、欧州3大通貨間の比較ではスイスフランとポンドの売られすぎの傾向を見せており、逆にユーロの上値の重さに繋がっている。
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▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅 −0.0371→−0.0609⇒ドル円92.80円
A)1÷ユーロドル1.2726=0.7880(B)100÷ユーロ円118.10=0.8467
(A−B=−0.0609)
97円から95円までは強い売買シグナルは発生していなかったが、92円台に突入したことから、買いシグナルが点灯している。先週の95.50円の弱い買いシグナルから、今週は通常の買いシグナル92.80が点灯している。尚、週足チャートでは既に買いゾーンにあり、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット96.50〜97.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅38円 現状乖離幅 25.70→25.30円
先々週の買いシグナル1.25台から、先週は弱い買いシグナル1.2691に移行しているが、中間では1.28台では売りシグナルに転じている。今週はポジション解消レベルに達しており、1.2726で様子見が点灯している。尚、週足チャートでも様子見状態が継続されており、次の展開待ちの様相を見せている。レンジ的には1.2500ロングと1.3000ショート
が当面の売買ターゲットにある。(様子見)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 33.00→32.75円
先週の買いシグナル0.6545から、途中経過ではポジション解消売リが0.67前後で生じたが、今週は乖離幅自体に変化は見られていないが、円高局面を背景にして、0.6467で様子見が点灯している。(様子見)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅30円 現状乖離幅 43.05→43.20円
豪ドルと同様に乖離幅自体には変化が見られないが、先週の買いシグナル0.5492から0.55台ではポジション解消売りが点灯していたが、今週は再び0.5342で様子見状態にある。(様子見)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 18.60→19.70円
先週のポジション解消買い1.2419から様子見に転じているが、今週は更に上昇を見せているが強い売買シグナルは発生しておらず、1.2495で様子見が点灯している。(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅70円 現状乖離幅 51.30→43.70円
乖離幅は大きく縮小しているが、ポンド円の下げ幅も146円台から136円まで10円以上急落しており、先週の買いシグナル1.5372から途中経過ではポジション解消売りが1.55台で点灯していたが、今週は再び急落を見せているが1.4709で様子見が点灯している。又、週足チャートにおいても、強い売買シグナルは発生しておらず、次の展開待ちの様相を見せている。(様子見)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅8円 現状乖離幅 16.85→16.70円
先週の売りシグナル1.2142から、中間ではポジション解消買い1.1950が点灯していたが、今週は先週よりも上昇しているにもかかわらず1.2194で様子見が点灯している。(様子見)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅10円 現状乖離幅 10.05→10.45円
8〜10円前後の様子見状態が継続していたが、今週は10.45円まで乖離幅が拡大しており、弱めのシグナル豪ドル売り/NZドル買いが点灯して
いる。尚、週足チャートでは売買シグナルは点灯していない。
いシグナルが発生している。過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。
16.30→18.80→17.95→18.15→20.50→21.20→22.35→23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15→15.80→16.75→16.70→15.45→11.65→4.95→7.95→6.00→8.05→8.25→9.15→9.20→10.05→10.45円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
(目安*230円以下は円高⇔250円以上は円安)
2006年度上半期平均253円、下半期267円
2007年度上半期平均280円、下半期278円。
08度四半期ごとの平均は263.04→266.95→269.80
10月平均は229円。11月平均は220へと円高傾向にあるが、今週は
118.10+92.80=210.90と直近の円高最高値213円を更新している。
210円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★欧州3大通貨(ポンド弱し)
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離30円 現状乖離幅 25.60→17.95円
先週の様子見レベル0.8256から一気に上昇しており、今週は再び売りシグナル0.8662が点灯している。(買いターゲット0.8300)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離48円 現状乖離幅 42.55→42.00円
先々週の強めの売りシグナル1.6012から下げ足を速めているが、先週の弱めの売りシグナル1.5410に引き続き、今週は売りシグナル1.5519が点灯している。(買いターゲット1.5050〜1.5100)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
均乖離78円 現状乖離幅 68.15→60.40円
乖離幅は縮小しているが、先週の売りシグナル1.8665から変化は見られず、引き続き今週は売りシグナル1.8652が点灯している。
(1.8000〜1.8100)
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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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