悪化材料満載、摩訶不思議な株価上昇↑
昨日のNYダウは引けにかけて上げ幅を拡大して終了しているが、途中経過では180ドル超の下げ基調を強めていたにもかかわらず、不安定な金融株を中心に上昇に転じており、不可解な現象を見せている。穿った見方をするならば、ビッグスリーの救済策を具体化させる意味合いでは、米政府としてはこれ以上の株価急落は避けたいのが本根でしょうが、破たん寸前の自動車業界の特効薬は見つからず、老婆心ながら、水面下では政府主導の株価サポートが検討されているのかも知れませんね?。。。。。。
他方、景気先行指数ある米地区連銀景況報告(ベージュブック)は米全域で後退観測を更に強める内容であり、特に雇用環境および住宅関連市場の脆弱性が指摘されており、米ISM非製造業景況指数は過去最低を記録するなど、米経済の本質的な経済不況を露出している。そして、信憑性には問題があると言われているADP雇用統計は01年以来最大の落ち込みを見せ、明日の米雇用統計が事前予想よりも更に悪化すると見られており、ドルの上昇は限定的と言わざるを得ないだろう。
いずれにしても、米経済指標の悪化が発表された直後に株高局面を迎えており、市場関係者も今の株価動向に翻弄されているのが現状であろうが、上昇局面ではリスク回避売りが待ち構えているのが現在の株式市場の形態であり、素直に喜べない状況と言えるかもしれない。為替は株式主導の相場展開を繰り返しているが、週末の米雇用統計やビッスリーの公聴会を控えて失望感と期待感が交錯しているのが現状であろう。そして、今のように迷走している株価動向ではレンジ幅での売買で臨むしか得策ではなく、基本的には待機姿勢で臨む事が賢明であろう。
一方、今晩発表される英国金利とユーロ金利の利下げ幅は不透明であるが、相対的にはポジション縮小とリスク回避がテーマであり、株も為替も右往左往しているのが現状であり、方向感はゼロに等しい状態であり、大きな動きを待ってからの始動を勧める。
戦略的にはドル円はレンジ幅を重視して92〜94円をイメージして、92円台半ばの買いと93円台半ば以上の売りで臨む事を勧める。ユーロドルに関しては、今晩の政策金利の下げ幅よりは、その後のトリシェECB中銀総裁の会見が注目されてはいるが、米欧共に悪材料が満載であり、レンジ相場1.2500〜1.2800域を抜け出す状況ではなく、1.26割れからのロングと1.27台半ばからのショートで臨む事を勧める。