米経済の混迷!ビッグスリー救済>リーマン破たん?
米国としては自動車業界の威信と面子にかけてもGMへの救済措置は実行に移すであろうが、如何せん米自動車業界の低迷は今後も避けられず、GMを筆頭にクライスラーとフォードの再建計画には国内外を問わずに異議が唱えられている。
各社が手元流動性資金に困窮している中で付け焼刃的な支援策では共倒れの危険性さえあり、3社同時の再建計画が挫折することは火を見るよりも明らかであろう???
おそらく破たんが生じたとしても、リーマンショックの比ではないだろう。
一部報道によれば、米株式市場の低迷を払拭するには相乗効果として、米自動車業界の延命を図るよりは、むしろ1〜2社の破たん劇を歓迎する向きさえある。
相変わらず米経済は厳しい状況にさらされており、昨日は10月米住宅着工件数は前月比マイナス4.5%の79万戸と過去最低に、米消費者物価指数は1%低下と過去最大まで落ち込んでいるが、NY市場の序盤では米自動車業界ビッグスリーの破たん懸念を背景にして、市場心理が更に悪化しており、リスク回避の動きが止まらずNY株式市場は8000ドルを割って終了している。
債券市場も追い討ちをかけるように続伸、利回り低下に拍車がかかっており、2年債は1%割れが視野にあり、リスク回避の動きは想像以上に激しいものが
ある。
米経済後退観測が更に強まり、一時ドル売りを加速させていたが、欧州株式
市場も急落に転じており、相場は一変して欧州通貨売りに転じている。一部
ヘッジファンドやソブリン系、そして中東勢などの大口売買などが報じられている模様であるが、真意のほどは定かではなく、ストップロスやオプション玉などの狼狽的な売買が横行しており、市場参参加者は荒っぽい相場展開に動揺を隠せない状況である。
リスク回避の動きは止まらず、株式動向に沿ったドル売りとユーロ売りが混在するマーケットと化しており、更に難易度を強めている。相対的には円高に走りやすい相場展開になっているが、円キャリートレードの解消が一巡しているため、ドル円95円割れの状況を見てからの始動が賢明であり、戻り売りを優先としたシナリオが望まれるだろう。
昨日発表されたBOE議事録からは追加利下げを余儀なくされているが、他方、FOMC議事録も想定どおりに追加利下げを示唆しており、結果的にはEBCの大幅利下げに繋がる要素があるだけに、欧州通貨を買い控える相場展開が今後も予想される。
いずれにしても、市場心理の悪化から、値が飛びやすい環境であることは間違いなく、レンジ幅を拡大して臨むことになるが、さもなければ、狼狽的な売買を待ってからの始動を心がけることが賢明であろう。