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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

G20の見極め時?視界不良が続く!

●今週の見通し
今週はG20緊急首脳会議(金融サミット)に対する評価を睨んだスタートになるが、世界経済再生に向けて、基本的には金融市場の規制強化が合意され、金融・経済の建て直しには一歩前進したと解釈できる。しかしながら、内容的には各国との協調性を重視するだけで、具体性には乏しい結果であることは否定できない。 
いずれにしても、現状の金融危機は日米欧などの先進国のみで対応できる性質の問題ではないが、大義名分として、あらゆる打開策を講じられる予定であるが、付け焼刃的な対応策と化しているのが現状である。今回の会合によって、先進国と新興国のギャップは取り除かれつつあるが、双方とも未曾有の経済危機を掌握できていないのが現状であり、当面は各国の裁量に託すしかないのが現実であろう。

外貨準備高を誇る中国や日本などに対しては内需拡大やIMF(通貨基金)の機能強化を目的として支援策が期待されているが、恒常的な支援策ではなく、息切れも懸念されている状況である。 他方、経済活性化に向けて、バブル崩壊の経験則から、金融システムへの貢献度が試されようとしているが、反面、10年以上も費やした日本経済の不健全性も指摘されているように、各国首脳の見解にも温度差があると報じられている。 
いずれにしても、今回のサミットでは新興国や途上国の発言が強化される場であり、同時に、経済の活性化を求めるには相当の時間を要することが確認されており、厳しいG20の船出であることは間違いないだろう。

今週の経済指標も多岐に渡るが、G20効果を見極める市場でもあり、先ずは株式市場と為替市場の安定性が求められてはいるが、世界経済のマイナス成長が指摘されている以上は、株安円高思考が先行するマーケットが予想されており、ポジション解消の動きが継続される可能性も強く、波乱含みの展開が予想される。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年11月16日(日)
先週はドルが各通貨に対して強弱関係が乏しい状況であったが、今週はドル円相場に関しては97円前後で様子見状態をキープしているが、他の通貨に対しては相対的にドル高相場に傾斜している。その中でも急落を見せているポンドとスイスフランには強い買いシグナルが発生している。ポンドは週足チャートでも買いシグナルが点灯しており、現状レベル1.47台からの押し目買いに妙味が増している。
今週の欧州3大通貨の比較でも、ポンドとスイスはユーロに対しても弱含みを見せている。一方、オセアニア通貨裁定取引の乖離幅はニュートラルな10円前後で推移しており、先週と同様に5円と15円が売買の目安として一考である。 その他では、単純加算方式から判断すると、ドル円およびクロス円の総合評価としては、円高水準に達しており、過度な円高期待には黄信号が点っている。
HP新外為の森http://www.justmystage.com/home/kentish/

▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅 −0.0132→−0.0252⇒ドル円97.00円
A)1÷ユーロドル1.2603=0.7935(B)100÷ユーロ円122.15=0.8187
(A−B=−0.0252)
先週の様子見98.35から円高傾向にあるが、今週も引き続き97.00で様子見を継続している。一方、週足チャートでは依然として買いゾーン圏内に位置している。(様子見)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅38円 現状乖離幅 26.75→25.25円
先週の弱い買いシグナル1.2720から、今週は通常の買いシグナル1.2603が点灯している。尚、週足チャートでは様子見レベルであり、1.25前後にからのロングに妙味がある。(売りターゲット1.31000〜1.3200)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅20円 現状乖離幅 32.05→34.05円
先週の弱めの買いシグナル0.6741に引き続き、今週は通常の買いシグナル0.6490が点灯している。強い買いシグナルが0.600前後に控えているだけに、少な目からの始動に妙味がある。
(売りターゲット0.7000〜0.7200)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅30円 現状乖離幅 40.30→41.85円
先週の弱い買いシグナル0.5902から、今週は通常の買いシグナル0.5546が点灯している。強い買いシグナルは0.51〜0.52台に位置している。
(売りターゲット0.6100〜0.6200)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅10円 現状乖離幅 15.60→18.20円
先週のポジション解消レベルの買い1.1885から、再び上昇しているが、チャート上では強い売買シグナルは点灯しておらず、様子見レベルの弱い売り1.2310が点灯している。(様子見)

▲ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅70円現状乖離幅55.60→46.05円
先々週の弱い買い1.6086から、段階的に下げ足を速めている。先週の通常の買いシグナル1.5653から、今週は強い買いシグナル1.4749が点灯している。週足チャートでも弱い売りシグナルから買いシグナルに移行している。(売りターゲット1.5950〜1.6050)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅8円 現状乖離幅 14.95→16.00円
先々週の弱い売り1.1568から上昇を見せており、先週の通常の売りシグナル1.1793から、今週は強い売りシグナル1.1975が点灯している。
(買いターゲット1.1250〜1.1300)

▲オセアニア通貨裁定取引 
平均乖離幅10円 現状乖離幅 8.25→9.15円
今週は弱めのシグナル豪ドル売り/NZドル買いが点灯しているが、現状では10円前後がニュートラルであり、依然として、強い売買シグナルは点灯していない。尚、週足チャートでも様子見が継続している。
過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。
13.60→14.90→16.30→18.80→17.95→18.15→20.50→21.20→22.35→
23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15→15.80→16.75→16.70→
15.45→11.65→4.95→7.95→6.00→8.05→8.25→9.15円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 
(目安*230円以下は円高⇔250円以上は円安)
2006年度上半期平均253円、下半期267円 
2007年度上半期平均280円、下半期278円。
08度四半期ごとの平均は263.04→266.95→269.80
10月平均は229円の円高へと移行。11月第1週は224.05円、第2週は223.45円と円高水準をキープしている。今週は更に円高基調を強めており、122.25+97.00=219.25円の円高局面にある。直近の円高最高値は213円台であり、押し目買いの段階で推移している。

★欧州3大通貨(ポンド弱し)
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離30円 現状乖離幅 28.85→20.08円
先週はポジション解消売り0.8126が点灯し様子見であったが、今週は早くも、ポンドが急落しており、売りシグナル0.8546が点灯している。
(買いターゲット0.8150〜0.8250)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離48円 現状乖離幅 41.70→41.25円
先週の弱めの売りシグナル1.5000から、今週は通常の売りシグナル1.5093が点灯している。(買いターゲット1.4800〜1.4850)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
均乖離78円  現状乖離幅 70.55→62.05円
荒っぽい値動きが続いており、乖離幅は更に縮小しているが、先週の様子見1.8459に続いて今週も様子見1.7660が点灯している。(様子見)

***************************★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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