買い手不在のマーケット? 株安と円高基調強し!
世界経済は金融危機で揺れに揺れていますが、日本経済にはなぜか危機感が不足していますね。麻生首相のマンガ的な発想では難局を乗り切ることは明白でしょうから、『定額給付金』でお茶を濁すしかなかったのでしょうが、墓穴を掘りましたね。
不謹慎ですが、ドブに捨てるような波及効果しか望めないならば、金融機関に委託して、一等賞金100万円のみで宝くじ形式でやることも一案でしょう。国民的行事として盛り上がるかも知れません? そして、FXの含み損の穴埋めにもなるかも?
▼ポールソン米財務長官が不良債権の買取りを見送る方針を打ち出したことから、NYダウは400ドルを超える続落を見せている。限りある公的資金投入に対する線引きが施されたと解釈できるが、不良債権処理の実体(買い取り価格)が掌握できていない証でもあるが、一方、現在対象ではないノンバンクの資本注入を検討するなど公的資金投入の不透明性を問われている。
米国政府としても公的資金投入も含めて、既存方針を転換せざるを得ない状況にある。負の連鎖が市場心理を大幅に後退させており、株、商品、そして為替においてもポジション解消が規定路線と化しているのが現状であろう。
レベル的には、株価に底値感が見えておらず、買い手不在のマーケットの中、短期間の見通しでは通用しない環境にあるが、日経平均株価が再度8,000円割れを見越す戦略性が求められるだろう。
本日も株安円高の流れに沿った相場展開が予想されるが、ドル円が3円近くも下落したことから、95円前後が踊り場的な状況を見せている。現段階では利食い先行の相場展開が予想されるため、95円割れからのロングに妙味が生じているが、中期的には90円を目指す展開が予想されるだけに、戻り売り優先で始動することが賢明であろう。本日は買いを自重し、ドル円96円前後からの戻り売りを勧める。
英インフレレポートを受けて、ポンドが02年6月以来の安値まで急落しており、押し出されるようにユーロポンドは史上最高値を記録しているが、ユーロ自体も下げ幅を拡大しており、ドル高円高の流れに変化は見られていない状況である。ユーロドルの戻り売りとして1.25台半ば以上からのショートを勧める。
一方、週末の緊急首脳会合(金融サミット)では、金融危機の抜本的な改善が最優先課題になるだろうが、基本的には株式市場の安定と為替市場の不均衡是正が問われる見通しである。原油価格の急落と並んで為替相場の基準値も是正されているが、米ドルは異常に過小評価されたときから、すでに過大評価の域まで達しているが、円に関しては、購買力平価の面においても、更なる円高余地を残しており、ドル高の流れに偏重をもたらす可能性があり、ドル円90円割れの可能性は否定できないであろう。