一時的にも金融不安後退局面! 欧州通貨&オセアニア通貨の逆襲?
●今週の見通し
G’7に対する反応は今のところは限定的であるが、内容的にも具体性に欠けていた声明文ではあるが、週末を挟み欧州各国からは公的資金注入策が目白押しに発表されている。米欧の協調体制が頑強であることを意味しており、為替相場の転換期になる可能性を秘めている。当面は、金融不安の混乱が継続されることは確実視されているが、世界経済に対する危機感は日米欧や新興国も同調しており、リスク回避の傾向は否めないが、各金融当局は内外資産リスクを鑑みて、株式市場の維持に賢明であり、続々と対応策が投じられようとしている。
実体経済はすでに減速感を強めているため、米金融安定化法案をフルに活用する時でもあり、逆に待ったなしの状況とも言えるだろう。おそらく、いかなる対応策も不発に終わる可能性は高いであろうが、預金保護を含めて、金融機関に対する資本投下は最低限の条件である。同時に金融機関に対する保証制度の確立が急がれていることから、一時的にも金融不安が急速に後退する可能性があるだろう。同時にドルと円の独歩高の構図に不自然さが生じていることは否めず、資金流動性が好転すれば、為替相場のアンバランス化が矯正される局面でもある。ドルの過大評価是正、そして、購買力平価の側面では円高進行を伴う相場であり、ドル円の上値の重さに繋がる相場展開が予想される。
今週はベージュブックをはじめてとして数多くの経済指標があるが、市場は金融不安と資金流動性に関心を示しており、軒並み経済指標の悪化が避けられない情勢にあるため、経済指標のみでは相場への影響は限定的にならざるを得ないだろう。
一方、本日は日米市場が休場であり、明日以降の株式相場の動向に準じたポジションニングが必要であるが、市場のテーマは依然として、リスク回避がコンセンサスであるが、今週は各国の協調と厳戒態勢を背景にして、むしろ、各国の要人発言にも注目すべき段階であり、売られすぎた欧州通貨とオセアニア通貨の反転に注意を払って臨む事を勧める。もう一段の下げ局面でもあれば、上記通貨のロングに妙味があるだろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年10月12(日)
ドル円の年間変動率は10%程度の円高を示しており、例年の平均値で推移しているが、ユーロ円などの欧州通貨は約20%の下落率を見せており、特に豪ドルなどは37%以上の変動率を記録している。既存チャートでも損切りを余儀なくされている状況であるが、本チャート上でも通貨ペアの相関性が急変しており、チャートの罫線である縦軸(Y軸)が大幅に変更されている。乖離幅の概念からはドルの上昇に違和感が生じるレベルまで達しており、クロス円全体の年間変動率に違和感を覚える円高とドル高局面にある。
時系列でもある横軸(X軸)に関しても、日足チャートよりも週足チャートで大局的な見地から売買タイミングを模索することが賢明であり、相対的にはドルの過大評価に注意して臨む事が得策であろう。一方、オセアニア通貨裁定取引では乖離幅が急速に縮小しており、統計的にも過去5年間の最小乖離幅に接近している状況である。08年7月の最大乖離幅23.05円から4.95円まで縮小しており、豪ドルロング・NZドルショートの好機が到来している。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
ペットチャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.0500 現状乖離幅 0.0362→0.0045⇒ドル円100.60円
A)1÷ユーロドル1.3400=0.7463(B)100÷ユーロ円134.80=0.7418(A−B=0.0045)
この2週間でユーロドルは1.4621から1.3400まで急落しているが、ユーロ円も同様に155.20円から20円以上も下落して134.80円まで達している。その間、ドル円相場は6円程度の円高に転じているが、チャート上では先週の105.25の様子見から変化は見られず、今週も引き続き100.60円で様子見が点灯している。但し、週足チャートでは強い買いシグナルが点灯している点に注意。(様子見)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅50円 現状乖離幅 39.85→34.20円
先週の強い買いシグナル1.3786から、更に急降下しており、1.36前後では損失確定売りゾーンにまで達している。今週も引き続き強い買いシグナル1.3400が点灯している。但し、週足チャートでは様子見レベルにあり、少な目からの始動で方向性を確認する時である。(売りターゲット1.4200)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)平均乖離幅18円 現状乖離幅 23.85→35.95円
大幅な利下げを伴い主要通貨の中でももっともドルに対して急落している通貨である。先々週の0.83台から、先週は0.77台から0.70前後の損失確定を伴ったが、今週は改めて強い買いシグナル0.6426が点灯している。(売りターゲット0.7100)
▲NZドル(ドル円−NZD円)平均乖離幅32円 現状乖離幅 35.50→40.90円
豪ドルの急落と比較すれば、雲泥の差であるが、先週は強い買いシグナル0.662が点灯していたが、今週は通常の買いシグナル0.5934が点灯している。(売りターゲット0.6500)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅3円 現状乖離幅 7.95→4.90円
先々週の様子見1.0341から先週は強い買いシグナル1.1287が点灯していたが、損失確定売り1.15を伴ったが、今週も引き続き強めの売りシグナル1.1725が点灯している。
(買いターゲット1.1200)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)平均乖離幅100円 現状乖離幅 81.60→71.00円
先週の強い買いシグナル1.7753から、損失確定売り1.75を伴い下げ足を速めている。今週は通常の買いシグナル1.7058が点灯している。(売りターゲット 1.78500〜1.7900)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)平均乖離幅5円 現状乖離幅 9.70→12.15円
欧州3大通貨の中でも比較的変動の少ない通貨であるが、先週の強い売りシグナル1.1287から、今週は通常の売りシグナル1.13747に転じている。(買いターゲット1.0950)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅14円 現状乖離幅 11.65→4.95円
15円前後の様子見レベルから、豪ドルの下げ幅が急拡大しており、先週の乖離幅は11.65円から、今週は4.95円まで様変わりを見せている。不安的な相場展開が続く中で、スワップ手数料の支払いを考慮しても、より安全な取引形態になっている。豪ドル買い/NZドル売りシグナル4.95円が点灯している。過去数カ月の週間ごとの推移は以下の通り。
13.60→14.90→16.30→18.80→17.95→18.15→20.50→21.20→22.35→23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15→15.80→16.75→16.70→15.45→11.65→4.95円。
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 (目安*250円以下は円高⇔260円以上は円安)
2006年度上半期平均253円、下半期267円 2007年度は上半期280円、下半期278円。
08度第1四半期は263.04。第2四半期は266.95円。7月平均275.88。8月平均272円。9月平均261.50円、そして、先週は250.35の円高局面となったが、今週は一気に134.80+100.60=235.40.35円の円高に突入している。クロス円全体に円買い注意報が点灯している状況であり、同時に円キャリートレードを一考する時期が到来している。
★欧州3大通貨(様子見へ)
▲ユーロポンド 平均乖離35円 現状乖離幅 41.75→36.80円
先週と比較して乖離幅は縮小して、レートは様変わりを見せているが、売買シグナルには大きな変は見られず、先週の様子見0.7766から、今週は弱い買いシグナル0.7856が点灯している。(売りターゲット0.8500)
▲ユーロスイス 平均乖離60円 現状乖離幅 51.85→46.35円
レート自体は先々週の1.5918、先週の1.5560、そして、今週の1.5240と急落しているが、強い売買シグナルは点灯しておらず、様子見状態をキープしている。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離95円 現状乖離幅 93.60→83.15円
2.000前後からは売り圧力が増している。先週の売り2.0038に引き続き、今週も弱い売りシグナル1.9401が点灯している。今週は様子見に近い弱い売りシグナル2.0038が点灯している。(買いターゲット1.9200)
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★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりご覧になれますのでご参照ください。
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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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