ドル売りは明白!But 法案可決後のドル戻り売りが正解?
連日バーナンキFEB議長およびポールソン米財務長官は米経済の深刻な事態を議会証言で示唆しており、米当局の困惑振りが如実に現れている。注目のバーナンキFRB議長の証言内容は、経済成長率が年後半には著しく鈍化するなど、厳しい米経済の先行き見通しを示唆するものであるが、本日も米下院金融委員会でGSE救済問題が問われるだけに、市場は公的金融安定化法案の可決に関しては懐疑的な反応を見せているが、法案可決の可能性を見極めたいのが現状である。
いずれにしても、上下院議会は75兆円にのぼる公的金融安定化法案には批判的である反面、本日、米大統領自らテレビ演説で米経済の危機感に触れる予定であり、金融システムの安定化に向けて米国政府は崖っぷちの判断を迫られている状況を察しており、最終的には可決の運びになると思われるが、不良債権の買い取り価格などを課題にして、安易に財政を圧迫できない情勢であるため、審議可決にどれぐらい時間を費やすかが注目されている。しかしながら、重大な金融危機を目前にして、早期に法案を可決させる必要性から、ドルの再上昇が見込まれるだけに、現段階ではドル売りには慎重にならざるを得ない状況にある。
一方、銀行間ではクレジットリスクが生じており、米当局は金融機関同士の貸し渋り現象が続いている事態を早急に回避しなければならない状況である。昨日、米国政府は豪州、そして、北欧3カ国ともドル供給協定を締結の運びとなっているように、可及的速やかに法案可決が義務付けられている背景があるとも報じられている。
おそらく、明日の議会証言までは思惑的な売買が先行すると思われるが、同時に、リスク回避のドル売りと法案可決の期待感に揺れ動いているのが現状であり、方向感は乏しいが戻り相場に徹するのが好ましいだろう。
中期的にはドル売りがコンセンサスであり、法案可決後のドルの戻り売りが正攻法と思われるが、現状ではドル円107円台の売りと105円台半ば割れの買い、そして、ユーロドルは景況感の悪化継続しているように1.47台半ば以上からのショートに焦点を当てて臨む事を勧める。買いは1.45台半ば前後で臨む事を勧める。