金融不安払しょくできず、 しばし様子見が正解?
台風13号が自転車並みの速度で接近中であるが、海上でエネルギーを蓄えているだけに、今週中は大雨が心配されます。
1年ちょっと前にサブプライム問題に端を発した金融不安ですが、ハリケーンに例えれば、最高レベル5どころではなく、今まで経験したことのないカテゴリー7〜8ぐらいなのかもしれません。何度も蛇行しながら金融マグマが蓄積されていたのでしょうが、今となっては、史上最悪な金融不安が台風一過のように過ぎ去ることを願うしかないのかも????
▼AIGの救済発表後も金融不安がマーケットを席捲しているため、最近では例にないほど荒っぽい相場展開を見せている。株式市場ではSECによる空売り規制が再開されるように、米当局の困惑は紛れもない事実であろう。各市場でも乱高下を繰り返しているが、根底にはリスク回避が市場のテーマになっており、特に金価格市場においては一気に70ドルも上昇しているように世界経済の後退観測が余儀なくされている状況である。 FRBが潤沢な資金供給を柱として、金融不安を和らげる努力をしているが、流動性マネーの行き場が閉ざされているのが現状であり、各金融機関ではドル離れの現実と共にドル資金不足に陥っている状況である。 直近の短期金利FFレートが8〜9%まで上昇しているほどドル不足の深刻さを物語っているが、このように一時的な金利上昇は年度末などの特定の期間にはしばしば起こりうるが、裏を返せば、金融機関同士の優劣が顕著に現れている証しでもあり、FFレートの上昇に危機感すら覚える。おそらく、最終的には大規模な金融再編が避けられないところまで米経済が病んでいる状況と言えるであろう。
一方、ドルの迷走が続いている以上は、米金融危機からドル資産離れが急加速する恐れもあり、基本的にはドルショートで臨むべき段階であるが、このような状況下では、ディトレード的な発想で臨むしか良策はないが、投機筋及び損失確定売買が横行することは必至であり、おのずから一喜一優する相場展開は避けられないためリスク管理を重視し、極力、ポジションを抑えながら、相場の大きな動きを待ってからの逆張りに転じることが賢明であろう。さもなければ、相場の落ち着きを待ってから冷静に始動することが賢明であろう。
本来ならば、米ドルの急落は避けられない情勢であるが、金融不安に関しては、他国への影響が計り知れないだけに、一方的なドル安にもなりにくい展開とも言える。いずれにしても、金融不安によって逃げ道を模索しているマーケットであり、繰り返しになるが、狼狽的な売買を見越したトレードに専念することが好ましいだろう。
ドル円はすでに上値の重さが106円前後では生じており、105円台半ばからのショートを勧める。ユーロドルは上昇気配にあるが、米当局が苦し紛れの対応策を捻出する可能性も否定できず、安全を期す意味でも、1.42割れの買いと1.44台半ばの売りで様子見を勧める。