ポンド売りが加速 けん引役に警報 カテゴリー3?
先週の終盤戦は米国市場の休場と月末を意識して、小競り合いの相場展開ではあったが、祝日明けの明日火曜未明にはカテゴリー4にまで発達したハリケーン『グスタフ』が勢力を強めながら、メキシコ湾の米石油関連施設を直撃する恐れがあり、避難勧告が続々と発せられている状況である。米株式市場が反落して終わったように、市場は原油価格の再上昇を見込んだドル売りに傾斜せざるを得ない環境にある。
8月は原油価格の下落したことで、多少なりともインフレ抑制に繋がっており、米経済指標を下支えしているが、依然として、米住宅関連の底打ち感には不透明感があり、雇用関連についても一向に改善の兆しには程遠い状況である。相対的にはユーロドルが5.5%下落しているようにドルの急回復が顕著ではあるが、ユーロ経済が米国に追従する形で難局に直面しており、単に一時的な経済指標や要人発言だけでは予測不能とも言える段階である。
▼いずれにしても、日米欧経済の減速感は否めないが、五輪後の中国経済が頓挫する見方が大半であり、株式市場の低迷にあるように、中国主導の経済効果に疑問が生じている段階である。疑心暗鬼の中で不安定な為替相場を形成している。
一方、原油価格の急落によって、市場はドルへの回帰が続いてはいるが、ドルの流動性が不安定なだけに、リスク回避策として債権市場にマネーがシフトされている状況である。今後もドルの流動性を重んじた相場展開を模索することになるが、ハリケーンと同様にドルの迷走相場が続くと見るべきであり、安易に為替相場を論じられないのが現実かもしれない。
先に述べたように、今週はハリケーンが状況を見てからの始動となるが、各国の経済指標も目白押しであり、その中でも、前回、米経済の減速感を報じた米地区連銀経済報告(ベージュブック)、そして、週末には米雇用統計に注目が集まる。一方、ユーロ圏では注目の欧州中銀金融政策発表とトリシェECB総裁の記者会見が待ち構えており、ユーロ金利の今後を見極めるためにも注目度は高い。基本的には事が生じてからの状況判断に委ねるしかないほど難易度の高い相場展開であるが、ドル円107〜109.50、そしてユーロドル1.4500〜1.4800のレンジ幅を想定して始動することが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年8月31日(日)
先週と同様に原油価格主導の相場展開の様相を見せている。本チャート上においても過小評価されていた米ドルが急反発しているが、逆にドルが過度的に強調されており、ドル売りシグナルに転じている。 現状の勢いからドルが反転する可能性を示しており、ドル買いに黄信号が点滅している。 相対的な目安としてはドル円110円前後からのショートとユーロドル1.45台のロングに妙味が生じている。他の通貨においても押し並べてドルロングが強調されている相場展開なだけに、戦略性を高めるためには、もう一段のドルの上昇を待ってからのドル売りを一考することを勧める。一方、オセアニア通貨の乖離幅が17円前後で推移しており、円高局面では20円前後の豪ドル売り・NZD買い、そして、15円前後がポジション解消のターニングポイントになるだろう。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
ペットチャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.0500 現状乖離幅 0.0618→0.0551⇒ドル円108.80円
A)1÷ユーロドル1.4678=0.6813(B)100÷ユーロ円159.70=0.6262(A-B=0.0551)
ドル円はレンジ相場を背景にして、110円台が維持されていたが、ドルの全面台にも関わらず、円高局面を迎えている。先週の売りシグナル110.05に続き、今週も売りシグナル108.80が点灯している。(買いターゲット106.00~106.50)ユーロドル1.4850⇔ユーロ円158円
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅54円 現状乖離幅 52.55→50.90円
先週の様子見レベル1.4775から、下げ足を速めているが、今週は弱い買いシグナル1.4678が点灯している。1.46割れからのロングに照準。(売りターゲット1.4950〜1.5000)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 14.65→15.40円
0.90台からの売りシグナルから下げ足を速めていたが、先々週からは買いに転じており、先週の弱い買いシグナル0.8669から、今週は通常の買いシグナル0.8585が点灯している。(売りターゲット0.9050〜0.9100)
▲NZドル(ドル円−NZD円)平均乖離幅23円 現状乖離幅 31.95→32.55円
依然として、強い買いシグナル0.70台では点灯しており、先週の買いシグナル0.7097から、今週は要警戒レベルまで達しており、強い買いシグナル0.7008が点灯している。
(売りターゲット0.7600〜0.7650)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 5.00→6.500円
安定していた通貨の一つであるが、乖離幅が急拡大しており、先週の売りシグナル1.0476から、今週は更に強い売りシグナル1.0635が点灯している。(買いターゲット1.0100)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)平均乖離幅107円 現状乖離幅 93.75→89.55円
1.99前後から急激に乖離幅が拡大しており、先週の買いシグナル1.8519から、今週はかなり強い買いシグナル1.8231が点灯している。(売りターゲット 1.9600〜1.9650)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅5円 現状乖離幅 9.90→9.95円
一時は最強通貨であったが、徐々にニュートラルなレベルで推移している。先週の売りシグナル1.0989から変化はなく、今週も弱めの売りシグナル1.1007が点灯している。
(買いターゲット1.0850)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅14〜15円 現状乖離幅 17.30→17.15円
乖離幅23円台から縮小が続いており、先週の17.30円から今週は17.15円へと縮小が緩やかになっているが、次のターゲットが15円前後にあり、少な目の豪ドル売り/NZドル買い。
過去数カ月の推移は以下の通り。13.60→14.90→16.30→18.00→18.80→17.95→18.15→20.50→21.20→21.90→21.80→22.35→23.05→21.70→20.30→17.70→17.30→17.15円注:?AUD売り/NZD買いの直接取引?円の売買相当額を一致させたAUD円売り/NZD買いに注目。
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円 (260円以下は円高⇔275円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。08度第1四半期の平均は263.04。第2四半期の平均は266.95円。7月平均は275.88の円安。8月の第一週は275.15円、第二週は275.60円と円安レベル、第三週272.80。
そして今週は159.70+108.80=268.50と平均レベルまで円高が進行している。
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド 平均乖離50円 現状乖離幅 41.20→38.65円
ポンドが急落しており、売りシグナルが先々週0.78台から、先週は0.7978となり、が今週は強めの売りシグナル0.8051が点灯している。(買いターゲット0.7750〜0.7800)
▲ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 62.45→60.75円
値動きは見られるガは、基本的には様子見レベルで展開しており、先週の様子見レベル1.6236から大きな変化はなく、今週も1.6156の様子見が続いている。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離112円 現状乖離幅 103.65→99.40円
スイスフランも下げているが、それ以上にポンドの急落が目立っており、先週の強めに買いシグナル2.0349から今週は強い買いシグナル2.066が点灯している。(売りターゲット2.0750〜2.0800)
***************************★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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