ターニングポイント ドル円110円&ユーロドル1.5300?
為替相場は世界的な経済後退観測が強まり、原油価格の続落によって、インフレ懸念が和らいだことでドルが低レベルの争いから一歩抜け出した格好でドル全面高の様相を呈している。
昨日は、ストップロスを巻き込む形でドル円が109円台の節目を突破し、110円に迫る勢いで円売りが加速している。円キャリートレードの円売りも散見されている模様だが、110円前後では輸出企業の実需売りが散見されており、円キャリートレードを推進する難しさがある。一方、109円割れには損失確定買いも控えており、ドルの底堅い動きが予想されるが、内閣政府が日本経済の景気下振れリスクを示唆しており、再び低金利に対する風当たりが強くなるため、投資家心理としては円売り姿勢を強まるであろう。
今回のドル買いの流れは原油価格の下落とともに、米国以外の景気後退観測が表面化したことが起因しているが、元々、過小評価されていた米ドルであり、ある程度の戻りは考慮されるべきであるが、依然として、疑心暗鬼のドル買いが継続されているのが現状であり、加速的なドル買いには黄色信号が点滅している状況であろう。当面はドル円110円前後からのショートを基準にした戦略性が求められるが、109円台半ばからのナンピン売りでも対応できる相場展開であろう。
昨日注目されたフレディマックの決算内容を見る限りは、損失額はさらに拡大する見込みであり、貸倒引当金が前年比6倍以上を計上しており、公的資金に擁護されるとは言いながらも、米経済の不透明さは更に増している状況である。
いずれにしても、米国経済の不振は拭えず、一方、原油価格の下げ止まりも予想されているため、ドルの買い戻す環境が変わる可能性は高いだろう。ドル円110円、そして、ユーロドル1.5300レベルが大きなターニングポイントになる可能性を秘めている。
ちなみに、今年のドル円の高値は1月2日の111.90円であるが、円が過小評価されている以上はドル円110円台からの上昇は限定的と判断するのが正解であろう。
一方、ユーロドルは今晩のBOEとECBの政策金利発表に注目が集まっており、微調整の段階であるが、損失確定のドル買いが散見されており、上値の重い状況である。
ユーロドル1.54台半ば以上の売りを模索することを勧める。買いはあくまでも1.53を意識して、1.53台半ば割れからの買いを勧める。