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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドルの強さは本物?膠着した円!ユーロ、スイス、豪ドル調整売りへ?

新規にパソコンを導入し、無線ルーターも購入したものの、無線ランでの設定がうまくいきません。狭い我が家ではランケーブルが各部屋を右往左往している状態です。説明書には、ラクラク簡単設定と書かれているのだが、実際には簡単ではありませんね。時間を割いて悪戦苦闘しているのですが、我が家の新旧お嬢様からは早くしてくれと催促されており、結局は専門家に頼むことになりそうです。
話は変わりますが、先日、駐車違反した通知が公安局から正式に届きましたが、違反駐車が20分程度でも¥18,000の反則金とは驚きましたね。おそらく、物価上昇に沿って?罰金制度が大幅に変わったのかも知れませんが、ガソリン代を節約することが虚しい心境になりました。 為替でいえば10〜20ポイント儲けたとしても瞬時に100~200ポイントやられてしまう状況でしょう。昨晩は本日からのガソリン値上げと聞き、満タンにしてきましたが、こうなると庶民のささやかな抵抗でしかありませんね。
▼昨日の米GDPは景気下振れを示唆する1.9%へ低下、新規失業保険申請件数は44.8万件と2003年4月以来の高水準まで増加し、先行き懸念の高まりから、NYダウは大幅に反落して終了している。しかしながら、為替相場はドルと円に対する過小評価が問われており、また、原油価格の下落も手伝いドル売りは一巡している状況である。
一方、円はキャリートレード手仕舞いの動きも散見されており、相対的にはドル高とクロス円高の様相を見せている。米長期債利回りが再び4%割れを見せており、リスク回避策が先行しており、株式、債券、商品、そして、為替相場は押し並べてポジション縮小がマーケットのコンセンサスになりつつある。
現状では、先の米当局及びSECによる規制強化がヘッジファンドなどの投機筋の優位性を削いでおり、ドルの悪材料が噴出しているにも関わらず、ドルの底堅い動きに反映されている。同時に欧州経済の後退観測がドルの下支えにもなっており、昨日のドイツ銀行の決算発表に代表されるように、金融不安が欧州経済に確実に押し寄せているためドルの上昇にも繋がっている。そして、豪州経済にも急速に金融不安が蓄積されており、すでに9月の利下げ説まで浮上しているなど、消去法によるドル買いが優勢である。
いずれにしても、ドルの強さが本物ではないだけに、少な目のポジションで始動することを勧めるが、今晩の米雇用統計においても、一連の経済指標を踏まえても改善の兆しは見られない環境であり、先に発表されたADPの数字に惑わされないスタンスで臨むことが肝要であろう。基本的には米雇用統計の悪化を踏まえて臨むことが賢明であり、ドルの戻り買いが生じれば、ドルショートに転じる妙味がある相場展開であろう。
ドル円108円前後の売りを勧めると共に、ユーロドル1.55割れからの買いを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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