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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドルの戻り売りが主役?

パソコンを購入するにあたり、この一週間、渋谷や秋葉原の量販店を探索しましたが、最終的にはプロバイダーの割引率に惹かれて、秋葉原のソフマップで購入してきましたが、予め機種は選定していたので短時間で終わると思いましたが、あれこれとオプションや制約などの説明を聞かなければならず、結局は手続きに小一時間ほど費やしてしまいましたね。まあ、それでも近所で購入するよりは1万円ほど安かったので、高速で飛ばしても元が取れると踏んだのですが、車に戻ってみると無情にも駐車違反のキップがフロントガラスに・・・・・今の為替相場のように一喜一優している次第です。

▼金融不安を背景にして、ドル安基調が続いていたが、昨日は原油価格の続落に伴いドルが急反発を見せている。しかしながら、原油価格の下落以外にはドルのサポート材料を恒常的に見つけることは難しい状況にある。昨日のドル買い及び株式市場の上昇要因は原油価格の下落を好感した上での結果であり、株式市場の自律反発とは言い難い状況である。そして、昨日は付随的にバーナナンキFRB議長が景気下振れリスクを強調し、同時に為替介入の可能性を否定しなかったことで、ドル買い調整局面に至っている状況である。米経済の下振れリスクが異常な原油価格の高騰に歯止めをかける役割にもなっており、同時に世界経済の後退観測が更に原油価格を押し下げる大きな要因とも言えるであろう。しかしながら、景気後退による悪循環が浮き彫りにされており、投機マネーの行き場が懸念されるため、依然として、原油価格の高止まりも懸念される状況に変わりがない。いずれにしても、当面は原油価格主導の相場展開でもあり、株式、為替、債券、そして商品市況に至るまで、原油価格を睨みながらの相場展開とも言えるだろう。おそらく、昨日の原油在庫の増加や米銀大手ウェルズ・ファーゴの決算内容が予想を上回った程度では米金融システムを楽観視することは出来ず、ドルの上昇は限定的と見るのが賢明であり、原油価格とドルとのヘッジ機能が分離されるまではドルの上昇は限定的であろう。

昨日のFOMC議事録(6月24,25日分)はインフレリスクを懸念した利上げ支持が一部にあり、総じてタカ派的な内容ではあったが、それ以後はBSE問題も含めて、金融不安が急速に高まり、早くも賞味期限が切れた内容になっている。これだけ短期間で様変わりする事態に困惑しているのが米当局の実態であろうが、FRBの舵取りが紆余曲折が生じるほどエネルギー価格の動向に揺さぶられている市場である。
本日は戦略的にはドルの戻り売りがコンセンサスであり、ドル円は105円台半ばからの売りを勧める。ユーロドルは原油価格に影響されるだけに1.58割れから少な目のロングを勧めるが、市場では1.58台から1.58台半ばには損失確定と利益確定が混在しており、動きづらい展開が予想されるため、1.58割れからの少なめの買いと1.58台後半からの売りを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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