主要3大通貨の適正水準! ドル円110、ユーロドル1.5300=ユーロ円168.30?
先週末のニューヨーク株式市場は、ダウ平均の終値は前日比220ドル安の11842ドルとなり、終値で約3カ月ぶりに1万2000ドルの大台を割り込みながら、米ドルが下げ基調を強めており不穏なムードの中で終了している。
ユーロドルはトリシェECB総裁発言「ECBと理事会の金融政策に関して、先の理事会で述べた内容を撤回することも付け加えることも全くない」により、7月の利上げがほぼ確実視されており、ユーロドルを後押ししている。
一方、米ドルは、金融機関の追加評価損の計上が相次ぎ、同時に格付け会社の格下げが表面化し、米金利利上げ観測が急速に後退している。先週初めの金利先物相場では年度内0.5%の利上げまで観測されていたが、25日のFOMCではFF金利は据え置きが確実視されているが、これからの金利見通しに関しては白紙同然の状況になっており、ドルの上昇力が鈍っている。
原油価格が再び上昇気配を見せている。イスラエルがイラン核開発反対の強硬姿勢をアピールしたことで地政学リスクが生じており、原油は期近限月で一時136.80ドルまで上昇していたが、その後は、サウジアラビア中央銀行がインフレ懸念を強調したことや、週末に開かれた産油国と消費国の閣僚会議の声明文ではサウジの増産体制が発表されたが、内容はともかく、価格統制を意識した慎重な姿勢が市場に拡散したため、投機筋に対して原油価格の高騰防止に一役担うかが注目される。
シカゴIMM先物通貨は各通貨ともポジション縮小に費やしており、投機筋の見方にも迷い生じていると思われるが、当面は原油価格の動向を横目にポジション調整が頻繁に発生するであろうが、現段階では上昇に一服感があると踏んで、ドルの売り急ぎには注意を払って臨むことが賢明であろう。いずれにしても、ドル安と株安を背景に、インフレと原油高の猛威が世界経済の混乱を招いており、一向に出口が見つからないのが現状であろう。その中で為替相場が右往左往することは避けられず、難易度の高い相場展開が予想される。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年6月22日(日)
主要3大通貨[ドル・ユーロ・円]との相対関係を本チャート上で計れば、ドル安傾向が依然として根強いが、ドルチャートからドルの強弱を見ると、現時点での適正水準はドル円110円、ユーロドル1.5300を表している。ユーロ円は今現在のレベルから1円安の168.30円を示している。他では繰り返しになるが、先週と同様にオセアニア通貨の裁定取引[豪ドル売り/NZドル買い]に妙味が生じている。統計的にもリスクは限定的なレベルまで達しており、乖離幅20円台からのナンピンシナリオならば勝算がかなり高い通貨ペアと言えるだろう。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
チャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.0500 現状乖離幅 0.0490→0.0433⇒ドル円107.35円
A)1÷ユーロ$1.5604=0.6409(B)100÷ユーロ円167.35=0.5976 A-B=0.0433
先週の売りシグナル108.15円から下値を探る展開になり、今週は弱めの売りシグナル107.35が点灯している。まだ乖離幅が充分に拡大していない状況であり、当面の清算レベルは106円前後、そして売りシグナルは108円台半ば前後からの始動が予想される。
(買いターゲット106.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅50円 現状乖離幅 58.25→60.10円
最近の乖離幅は円安傾向が強く見られており、ドル円の上昇とユーロ円の上昇が標準化してはいるが、レンジ推移は1.53台の強い買いシグナルと1.58台の強い売りシグナルによってチャートが形成されている。先週の売りシグナル1.5386から、今週は再び上昇しており、強めの売りシグナル1.5604が点灯している。(買いターゲット1.4900〜1.5000)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅 6.65→5.00円
豪ドルもレンジ幅の攻防が続いており、0.93台からの買いと0.96台からの強い売りシグナルが象徴的である。先週の売りシグナル0.9385から再び上昇しており、今週は強めの売りシグナル0.9534が点灯している。(買いターゲット0.9100〜0.92000)
▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅22円 現状乖離幅 27.05→22.85円
先週の買いシグナル0.7499からは上昇しているが、豪ドルの強さから比較すれば、今週は強めの買いシグナル0.7613が点灯している。(売りターゲット0.7750〜0.7800)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 3.00→1.70円
先週の売りシグナル1.0285から、下げ基調にあり、今週も引き続き売りシグナル1.0161が点灯しているがレンジは1.000~1.0300の状況である。(買いターゲット1.000)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円 現状乖離幅 102.60→104.65円
先週の強めの買いシグナル1.9487から、今週は上昇を見せており、弱めの買いシグナル1.9758が点灯している。 (売りターゲット1.9800)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅12円 現状乖離幅 4.80→3.75円
パリティ割れの心配はなくなっているが、先週の買いシグナル1.0464から若干下げ基調にあるが、今週も引き続き買いシグナル1.0362が点灯している。
(売りターゲット1.0700〜1.0800)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅12.00円 現状乖離幅 20.50→20.60円
3週連続して20円台の乖離幅を維持しており、依然として、警戒レベルのAUD売りとNZドル買いシグナルが点灯している。(過去5年間の乖離幅レンジは4.00〜20.00円)注、AUD/NZDの直接取引、または円の売買相当額を一致させること。
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔270円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。
今年度1月平均は266.31円。2月平均は264.68円。3月平均は258.14と円高傾向。
4月平均は263.20円。5月平均は265.10円。6月第1週269.65円、第2週は270.45、第3週は274.55の円安、今週は167.35+107.25=274.60の強い円安が継続中。
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド 平均乖離58円 現状乖離幅 44.35→44.55円
先週の売りシグナル0.7896から変化はなく、今週も強い売りシグナル0.7898が点灯している。目先のレンジ幅としては0.7650~0.8000(買いターゲット0.7400〜0.7500)
▲ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 63.05→63.85円
ユーロ及びスイス共に堅調であるが、1.61前後に集約されており、様子見状態が続いている。先週の弱い買いシグナル1.6101から今週は様子見レベル1.6169に達している。
(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離120円 現状乖離幅 107.40→108.40円
先週の買いシグナル2.0393から今週は若干上昇しているが、引き続き買いシグナル2.0473が点灯している。目先のレンジ幅としては2.01~2.06に注目。
(売りターゲット2.1200〜2.1300)
**************************************
★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
**************************************