誰にもわからない原油価格⇒ドル円106円〜107円に天井感?
先週に引き続き今週も原油価格が相場の争点になる可能性が高いが、原油価格の推移を見る限りは、原油安はドル高と見なすことは必然的であろうが、逆に、以前のように原油高が即ドル安に直結する状況ではなく、相関性が崩れはじめている印象が強い。原油価格主導の相場展開が予想されるが、同時に株式市場や債券市場にも目が離せない状況である。いずれにしても、原油価格の動向が定まらない限りは、相場の方向性を見出すことは極めて困難であり、安易に取り組める相場環境ではない。
一方、世界的なインフレ懸念が長期金利に影響を与え始めており、米10年債金利が4%台に乗せており、機関投資家らがドルを投資対象として見直す動きが生じている。米ドルは度重なる利下げで後塵を拝したが、市場は短期金利から長期金利に重点を置く姿勢を見せており、長期金利が4%越えともなれば、リスク回避のドル離れを防ぐ働きがあり、そして、信用収縮不安を相殺する可能性もある。同時にユーロ金利との格差が縮小化していることで、ドルを押し上げる要因にも繋がる。反面、源油価格高騰を受けたインフレ懸念が金利上昇を促しているため、インフレリスクがスタグフレーションを加速させる恐れもあり、いずれにしても、予断が許せない相場環境であることは間違いがない。
今週はECB理事会においてユーロ金利の据え置きは決定的ではあるが、インフレ懸念がユーロ圏の最優先課題と言及している以上は、利上げの選択肢を捨てきれない状況であり、必然的にECB中銀トリシェ総裁の発言に注目が集まるが、米国と同様に金融面では打開策が限られているのが現状であり、相場を一変させるには至らないであろう。最終的には週末米経済指標である米雇用統計に関心が集まるが、非農業雇用者数は5週連続マイナスを続けており、今回も引き続きマイナス5万人が予測されているが、すでに悪化材料としてマーケットには浸透しており、仮にプラスに転じた際のドルの反発に妙味があるだろう。 今週はレンジ幅でのトレーディングに専念することが賢明であるが、ドル円103.50〜106.50、ユーロドル1.5300〜1.5700のレンジ幅で臨むことを勧める。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)作成年月日2008年6月01日(日)
今週はドルが回復基調見せている。特にドル円相場ではしばらくの間、買いシグナルが随時点灯していたが、ドル円105円台半ばからはポジション解消レベルまで達している。しかし、週足ではドル円108円前後までのドルの上昇が見込まれているようにドルの上げ余地を残している。ポジション縮小を念頭に105.50〜106.00レベルは売り対象になる。
先週と同様に、ドルは対NZドル、カナダドル、ポンド、そしてユーロスイスの4通貨が様子見状態に達しており、次の展開待ちの状況をみせている。しかし、ユーロドルとスイスフラン、そして、豪ドルに対しては相変わらず弱含んでいるが、相対的にはドルが回復途上にある。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
ペットチャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.0500 現状乖離幅 0.0205→0.0336
A)1÷ユーロ$1.5559=0.6427(B)100÷ユーロ円164.15=0.6091 A-B=0.0336⇒ドル円105.50円
先週の買いシグナル103.35から売りターゲットに急接近しており、一部ポジション解消売りも検討されるレベルまで到達しており、今週は引き続き買いシグナルが105.50で点灯しているが弱めの買いに転じている。(売りターゲット106.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅50円 現状乖離幅 59.55→58.65円
1.58台から下げ足を速めているが、段階的な下げ基調でもあり、先週の強い売りシグナル1.5762に引き続き、今週も1.5559の売りシグナルが点灯している。
(買いターゲット1.4950〜1.5050)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅 4.20→4.70円
こう着状態が続いているが、依然として、0.96台では強い売りシグナルが点灯している。先週の0.9594の売りシグナルに続き、今週も強い売りシグナル0.9555が点灯している。
(買いターゲット0.9100〜0.92000)
▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅24円 現状乖離幅 22.15→22.85円
先週はポジション解消売り0.7857で点灯し、様子見状態に突入しているが、今週も引き続き同レベル0.7834での様子見継続が点灯している。(様子見)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 −1.100→−0.75円
基本的にはパリティ1.00前後では様子見段階に突入しており、大きな変動があるまでは待機状態である。先週は1.0106で様子見であったが、今週は0.9929までドル売りが進んだが、同レベルでも様子見が継続しており、売買シグナルは点灯していない。
(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円 現状乖離幅 101.25→103.60円
現状では1.95台では買いシグナル,1.99台では売りシグナルが点灯する地合いである。先週はポジション解消売り1.9797が点灯していたが、今週も様子見レベル1.9829が点灯している。(様子見)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅15円 現状乖離幅 2.40→4.25円
先週の買いシグナル1.0238から上昇をみせているが、依然として、強い買いシグナル1.0420が点灯している。(売りターゲット1.0700〜1.0800)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅14.00円 現状乖離幅 17.95→18.15
乖離幅18円前後が継続しており、先週の17.95円から今週も18.15と高水準の乖離幅を維持している。依然として、強い豪ドル売りとNZドル買いシグナルが点灯している。20円台までのナンピンシナリオを一考。(過去5年間の乖離幅レンジは4.00〜18.80円 2007年11月18.15円、2008年5月18日に記録更新18.80円まで拡大)*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔270円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。
今年度1月平均は266.31円。2月平均は264.68円。3月平均は258.14と円高傾向。
4月平均は263.20円。5月平均は265.10円。
先週は266.25円、今週は164.15+105.50=269.65と円安レベルに急接近中、
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド 平均乖離58円 現状乖離幅 41.70→44.90円
ユーロ高とポンド安の差が暦然としており、強い売りシグナルが点灯している。先週の売りシグナル0.7926に引き続き、今週は0.7850の売りシグナルが点灯している。
(買いターゲット0.7400〜0.7500)
▲ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 61.95→62.90円
先週の弱い買いシグナル1.6137から、中間では1.63前後の売りシグナルが点灯していたが、今週も引き続き弱い買いシグナル1.6212が点灯しているが、様子見レベルの状況である。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離120円 現状乖離幅 103.65→107.85円
先週の強い買いシグナル2.0267から、今週は2.0652まで反発しているが、いまだに不十分な買いであり、同レベルで強い買いシグナルが点灯中。(売りターゲット2.1200〜2.1300)
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★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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