ドル悪材料に鈍感・好材料に敏感!
先週末は4月住宅着工件数が予想を覆したことで、ドルが急反発をみせ、その後発表されたミシガン大消費者信頼感指数が59.5と、予想(62.0)を大幅に下回り、1980年6月以来の低水準となり、一転してドル売りが加速された相場展開で終了している。想定以上にマーケットが敏感に反応していると言わざるを得ないが、今週も原油市場と株式相場を中心に荒れ相場の展開が予想される。米経済指標の好悪材料にも振り回されている状況であるが、未だにサブプライム関連の損失額が推定段階と報じられているように、不安定な相場展開が避けられない環境である。当初、サブプライム関連の最大損失額はFRB議長が述べていた約3,000億ドルから大幅に修正されており、すでに一部報道では1兆2千億ドル(120兆円)と日本のバブル時期を超越している。それらの余波(信用収縮)がドル安を呼び込み、原油価格の高騰とインフレ懸念を増幅させながら、現在に至っている状況である。
為替相場が金利動向に左右されている段階では円キャリートレードなどが主役になり得るが、リスク回避を主体にした今のような相場展開になればなるほど、市場心理の脆弱性が増し、ポジションの縮小が余儀なくされる市場である。今週もレンジ幅の相場展開が予想されるが、ユーロドルを始めとして、各通貨ともかなり流動的な段階であり、ユーロドルは再び上昇局面を迎えているが、ユーロ高是正の動きは健在であり、相対的にも一時ほどの勢いは削がれているとおもわれる。1.57台では戻り売りを中心にした戦略性が求められるだろう。ドル円も同様に105円台での実需の重石があり、同レベルの上値を意識して臨むことが賢明であるが、週初は少なめからの始動で相場動向を見極めることも一考である。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年5月18日(日)
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▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅 0.0325→0.0183
A)1÷ユーロ$1.5591=0.6414(B)100÷ユーロ円162.15=0.6167 A-B=0.0247⇒ドル円104.00円
不安定なドルが背景にあり、105円前後で右往左往している状況であるが、先週の強い買いシグナル102.90から上昇を見せており、今週も引き続き104.00円の買いシグナルが点灯している。(売りターゲット106.50〜107.50)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅 56.35→58.15円
1.58台の売りシグナルから、1.53台まで急落していたが、先週の1.5476の売りシグナルから反転しており、ユーロドルの下げ基調に一服感が生じている。今週も引き続き1.5591の売りシグナルが点灯している。(買いターゲット1.4950〜1.5050)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅13円 現状乖離幅 5.20→4.75円
0.93台から週ごとに上げ足を速めており、先週の通常の売りシグナル0.9436から、今週は強い売りシグナル0.9543が点灯している。(買いターゲット0.9100〜0.92000)
▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅 23.80→23.55円
豪ドルとNZドルの強弱がはっきりしているようにNZドルの軟調が見られる。0.80前後では強い売りシグナルが点灯していたが、先週の0.7687の買いシグナルに続き、今週も買いシグナル0.7736が点灯している。(売りターゲット0.7850〜0.7900)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 0.60→0.00円
パリティ1.00がニュートラルなレベルに位置しており、先週の弱めの売りシグナル1.0059から、今週はポジション解消の1.000の買いシグナルと共に様子見が点灯している。
(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円 現状乖離幅 98.05→98.55円
先週の強めの買いシグナル1.9529に続き、今週は若干上昇を見せているが、チャート上ではドル安に歩調を合わすようにポンド安で推移している。今週も引き続き1.9572の買いシグナルが点灯している。(売りターゲット1.9900)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅15円 現状乖離幅 4.15→4.70円
過大評価されていたスイスフランが徐々に矯正局面に突入している。1.05割れでは強い買いシグナルが点灯中であり、先週の買いシグナル1.0426に引き続き、今週も買いシグナル1.0473が点灯している。売りターゲット1.0700〜1.0800)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅12.00円 現状乖離幅 18.00→18.80
先週に安全レベルと思われる乖離幅18円台まで拡大しており、過去の例でも同レベルで滞留する可能性が強いが、一旦乖離幅が縮小し始めると加速的になるだけに、現状では豪ドル売り/NZドル買いのナンピンシナリオとして20円まで拡大することも一考である。
(過去5年間の乖離幅レンジは4.00〜18.15円 2008年11月に18.15円記録、今週は更新中)*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔270円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。
今年度1月平均は266.31円。2月平均は264.68円。3月平均は258.14と円高傾向。
4月平均は263.20円。5月第一週267.90へと円安、先週は262.15と円高。今週は162.15+104.00=264.15とニュートラルなレベルに位置している。
▲ユーロポンド 平均乖離52円 現状乖離幅 41.70→41.40円
再び強い売りシグナル0.80に接近中である。先週の売りシグナル0.7925に続き、今週は0.7966の強い売りシグナルが点灯している。(買いターゲット0.7400〜0.7500)
▲ユーロスイス 平均乖離60円 現状乖離幅 60.50→62.85円
先週の様子見レベル1.6127から上昇してはいるが、今週は先々週の解消レベルまで戻しており、弱い売りシグナル1.6329が点灯しているが、基本的には様子見に近いレベルで推移している。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離112円 現状乖離幅 102.20→104.25円
乖離幅は縮小傾向を見せてはいるが、先週の買いシグナル2.0349から上昇しているが、十分に戻りきれていない状態であり、今週も引き続き2.0498の買いシグナルが点灯している。
(売りターゲット2.1200〜2.1300)
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★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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