ストップロスの乱発にご注意!
利益が出ないのにストップロスばかりがついてしまう。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
特に荒れ相場には付き物ですが、もう一度売買シナリオの見直しが必要かもしれません。初心に戻らないと何時までたっても勝てません。
▼原油価格が史上最高値を更新して112ドル台まで上昇、ドルが全面安の様相を見せている。IMF国際通貨基金が世界経済に対する悲観的な見通しを発表しており、特に米国の2008年GDP見通しを1.5%から0.5%に引き下げており、ドル売り優勢の状況を見せている。
G7では金融市場混乱の対応策が協議される予定であるが、先進各国は軒並み成長の下振れリスクを唱えている一方、米国の公的資金投入が期待されてはいるが、ブッシュ政権は財政難から依然として否定的であり、金融不安を和らげる手段が乏しいのが現状である。
G7が近づくにつれて、米国経済の後退観測が更に強まっている以上は更にドルショートの地合を強めている相場展開であるが、気まぐれなドルの迷走にジレンマが生じており、ポジション解消による相場展開であり、不透明な相場展開に振り回されているのが現状である。それ故にポジションの切り返しの難しさが生じているが、戦略的には大きく動いた後の始動に徹することが原則であり、火中の栗を拾うことなく、マーケットが冷めてからの始動に徹することが賢明であろう。
いずれにしても、このような荒れ相場はストップロスが必須条件となるが、乱発は禁物であり、シナリオに基づいたストップロス及び損切りが明暗を分ける可能性が高く、計画性があるポジショニングが必要である。
本日は0.25%の利下げが予想されている英中銀政策金利と据え置きのECB政策金利が発表されるが、最近のユーロ圏における経済指標の悪化と金融不安の高まりから、ECBの利下げ観測が浮上している様相である。しかしながら、原油価格が急騰している折り、インフレ懸念を優先しているユーロ圏としては、利下げ余地が残っていないのが現状であろうが、反面、金融政策としては積極的な資金供給を継続しなければならず、更に金融不安が高まる事態を遭遇すれば、利下げが表面化する事は避けられない面をもっている。いずれにしても、トリシェECB総裁の発言に左右される相場展開であるが、既にユーロドルが上昇した直後だけに1.58台半ば以上からの高値掴みには要注意である。
他には米新規失業保険申請件数が発表されるが、前回40万件を越えた深刻な状況を踏まえると今回は予想通りに改善されるであろうが、再び40万件を超える数字であれば、更にドル売りが加速する状況を一考すべきであろう。レベル的にはユーロドル1.59前後、ドル円は100前後までは想定できるが、G7が控えているため、過度な米ドルショートは自重することが賢明であろう。
本日のドル円は株式市場の軟調も手伝い、円高が加速している状況であるが、100円台半ばの買いを勧めると同時に、102円前後の売りで様子見を勧める。
ユーロドルは、ワイドレンジとなるが、狼狽的な売買を期待して、1.5750買いと1.59前後の売りに絞るしか妙味がないだろう。