テクニカル分析ではドル買い⇔ファンダメンタルズ分析ではドル売り
先週はドル円は98円台から102円台、ユ−ロドルは1.55から1.58台後半までのレンジ相場が示しているように、相変わらず動きの激しい相場展開を見せている。米国当局の一連の支援策がドル売りにブレーキをかけている状況ではあるが、独バイエルンやUBSの損失額が露呈されるなど、市場は目まぐるしい方向感の変化に困惑している状況である。
先にFRB議長が言及した米経済のリセッションを促すように、先週末には米雇用統計において、失業率が5.1%まで上昇し、3月非農業部門雇用者数が減少したが、前月分も下方修正されことで雇用の減少に拍車がかかっている。米経済のリセッションが現実化しているため、金利先物市場においては、次回FOMCでの利下げ0.5%が確実視されている。金利格差の面においてはドルの上昇は限定的であるが、4月新年度に入りドルの買い戻し調整がしばしば見られるように米欧の金融不安が均等化しつつある環境であり、ユーロドル自体にも不安要素が増殖しているため、一時ほどの勢いが失せている。
今週は週末にG7が控えているが、懸念されていたドルの急落が一段落している関係上、世界経済が停滞する段階では為替は2次的な問題になるため、G7からは大きくは望めない状況であろう。
為替市場は依然として、株式市場を重視した動きが想定されるが、株価が上昇するたびに株式市場にもリスク回避の思惑が働いており、株式を中心とした神経質な相場展開が待ち受けている。
今週は経済指標も多々あるが、注目材料としては少なく、強いてあげれば、金利据え置きが予想されているECB金融政策発表であるが、インフレ懸念が高まる中で、金融不安を優先とした金融緩和政策の可能性が問われるであろうが、その後のトリシェ中銀総裁の記者会見において、その点まで言及できるかどうかであろうが、予断を許せない状況には変わりがない。臨機応変に終始少なめのトレードに徹することが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2008年4月06日 週末の終値ベース
現況は100円割れでは強い買いシグナルが点灯している。ドル下げ材料が多発している相場展開ではあるが、ユーロドルにも金融不安が飛び火しているように相対的なドルの買い戻し基調の兆しが見られる。チャート上でもドルの回復基調が散見されるが未だに不安定な為替相場を継続している。 通貨別に見ればドルがポンド、カナダドルに対しては適正水準を維持しており、最強通貨であったスイスフランや高金利のオセアニア通貨には是正の兆しが見られる。ドルが急上昇する地合ではないが、マーケットは世界情勢の悪化を睨み、ドルのショートを更に積み重ねる状況ではなく、ドルの踊り場に遭遇しているのが現状であろう。いずれにしても、思考錯誤の相場展開が予想され短期トレード主体の展開になるが、日々200〜300ベーシスポイントの上下動で推移する相場展開では、思い込みのトレードはリスキーであり、常に相場の反転を意識したトレードに専念する事が求められる。以上の点からは、相対的に安定しているオセアニア通貨の裁定取引に妙味がある。ここしばらくは、乖離幅が11〜13円で比較的安定しており、少な目からの始動であれば、リスクはかなり限定されるであろう。本来は欧州3大通貨(ユーロ、ポンド、スイス)にも妙味が生じても良いが信用不安が拡大している状況であるため、リスキーな展開は避けられないが、戻り基調にあるため、以前ほどのスイス高とポンド安の図式は描きにくいのが現状である。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル⇔ドル円)
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅 −0.0044→0.0134
(A)1÷ユーロ$1.5734=0.6356(B)100÷ユーロ円157.70=0.6222 A-B=0.0134⇒ドル円101.50円
先週は強い買いシグナル99.50円が点灯しており、一気に102円台まで上昇を見せているが、チャート上では依然として強い買いシグナル101.50が点灯している。(売りターゲット109.00〜111.00)
▲ユーロドル ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅 57.60→58.20円
ユーロドルの上下動が激しく、直近では日足チャートのみならず長めの週足チャートでも乖離幅が拡大している。状況的にはドルの買い戻しが何時あってもおかしくない状態を見せている。 先週の強い売りシグナル1.5801から下げ基調を強めており、今週も引き続き強い売りシグナル1.5734が点灯している。(買いターゲット1.4850〜1.4950)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅15円 現状乖離幅 8.15→7.90円
強い豪ドルのイメージは消えつつあるが、米豪の金利格差の関係から下値が堅調である。レベル的に0.90割れではポジション解消局面でもあるが、先週の売りシグナル0.9179と同様に今週も通常の売りシグナル0.9222が点灯している。(買いターゲット0.8850〜0.8950)
▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅27円 現状乖離幅 20.10→20.45円
0.80前後では強めの売りシグナルが点灯しており、先週の強めの売りシグナル0.7976から下落基調を速めている。今週は通常の売りシグナル0.7887が点灯している。(買いターゲット0.7500〜0.7600)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 2.15→−0.10円
この数週間カナダドルは1.00前後での小動きで推移している。先週の弱い売りシグナル1.0221から、今週は早くもポジション解消の買いシグナル1.0089が点灯している。(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円 現状乖離幅 98.70→100.80円
ポンドは比較的狭いレンジでの攻防を見せている。大勢としては1.98割れからのロングと2.050台からはショートを優先すべき状態である。 先週の弱い売りシグナル1.9940から、週半ばではポジション解消の買いが1.99割れでは散見されたが、今週はポジション解消レベルの買い1.9931に達しており、様子見に突入している。
(様子見)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅15円 現状乖離幅 −0.50→0.60円
対米ドルでは1.000前後の攻防をみせているが、今年度に入ってからの一方的な上昇が足踏みしており、チャート上ではスイスフラン高に一服感があるように高値警戒感は否めない状況である。先週の買いシグナル0.9950に続き、今週も強い買いシグナル1.0059が点灯している。(売りターゲット1.12000〜1.1300)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅12.00円 現状乖離幅 11.95→13.55円
この数ヶ月間の乖離幅は10.50〜14.00円で推移しており、比較的安定したレンジ相場を形成している。先週は11.95円で様子見に再突入したが、今週は乖離幅が13.55円まで拡大しており、豪ドル売り/NZドル買いの状況を見せている。
(過去5年間の乖離幅レンジは4.00〜18.15円 2008年11月4日に18.15更新)
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔270円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円と着実に円安方向へ。今年度は1月平均は266.31円。2月平均は264.68円。3月の週間ごとの経緯は261.45円、260.40、254.50、256.20 平均は258.14と円高局面。そして今週は159.70+101.50=261.20へ弱冠円安方向へ。
★ 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド 平均乖離70円 現状乖離幅 41.10→42.60円
ユーロとポンドの強弱がはっきりしているが、0.80台に達せずにこう着感が生じている。先週の強い売りシグナル0.7924より弱冠下げ足を速めているが、今週も引き続き強い売りシグナル0.7894が点灯している。(買いターゲット0.7500〜0.7600)
▲ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 57.10→58.80円
徐々にスイスフランの勢いが減少しており、チャート上では強いスイスフランの修正局面が見られる。先々週の買いシグナル1.56前後から順調に上昇しており、先週の買いシグナル1.5721に続いて、今週は買いシグナル1.5828が点灯している。目先は1.600台までの上昇期待あり。(売りターゲット1.6250〜1.6350)
▲ポンドスイス 平均乖離132円 現状乖離幅 98.20→101.40円
欧州3大通貨の強弱関係ではスイスフランの強さが際立ってはいるが、3通貨間との比較ではピークアウトした状況である。先週の強い買いシグナル1.9840に引き続いて今週も強い買いシグナル2.0050が点灯している。(売りターゲット2.1900〜2.2000)
*****************************★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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