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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

低金利、ドルキャリートレード目前かな?

巨人は開幕5連敗、超豪華打線と強力投手陣の揃い組みで優勝が決まったと評論家は言うが?どうなることやら? 為替予想はあたらなくとも 残念ながら巨人の6連敗は鉄板でしょう? メジャーリーグ人気に集まるのが判りますね。
為替の世界でも5連敗すると休養が必要です。プロは休めませんが、個人投資家は休み休みトレードが強みです。スランプには休養とポジションゼロが一番です。桜が散る前に桜見物に行きましょう。

▼昨晩の議会証言において、バーナンキFRB議長が景気下ぶれリスクに言及し、今年前半の景気後退まで示唆したことでドルの買い戻しは限定的になっている。102台半ばからは利益確定のドル売りが随所に見られるが、反面、損失確定のドル買いが102円前後にあり、市場はポジション調整色が一段と高まっている状況である。
米政府及びFRBによる相次ぐ支援対策は一時的な効果があるが、潜在的にサブプライム問題に揺れている住宅関連や金融不安を払拭する効果は疑問視されているのが実状である。それ故に、見通しが立たない年後半に景気回復を論じる姿は日米欧当局者の共通概念なのかもしれない。FRB議長のみならず、金融機関と舵取りを任せられている現役の中銀総裁が景気後退を言明することは稀ではあるが、米経済のリセッション入りは確実視されているのが現状であろう。
議会証言では、ベアスターンズの破綻は稀なケースであると言及し、かつ今年後半の景気回復期待も織り込まれてはいるが、金融機関の信用不安解消を促すまでには至らず、これらの発言を受けて、米金利の追加利下げが更に鮮明になっている。おそらく、次回FOMCでの追加利下げ幅が0.5%が確実視されているが、0.75%までの可能性まであるかもしれない。最終的にはFF金利レート1.5%の可能性を市場が見込み始めている状況であり、再び、金利格差によるドル売り主体のマーケットになる可能性を帯びており、ドルの戻りは限定的と判断するのが賢明であろう。

▼市場が落ち着きを取り戻せば、金利格差に対する投資意欲が増すのが市場心理の常であり、キャリートレードの概念を尊重すれば、低金利のドル売りと円売り地合が高まることが予想される。今後も機関投資家及び投信ファンドの設定に注目して臨むことを勧める。
いずれにしても、米景気後退が観測される中で、米株式市場は乱高下があるにもかかわらず、比較的上昇基調を強めており不可思議なマーケットであることには変わりがないが、株式主導の相場展開を重視しなければならず、少な目でフットワークを効かしたトレードに専念することを勧める。
ドル円は102円台後半からの利益確定売りと実需の売りが散見されており、上値の重い展開であり、同レベルからの売りを勧めるが、買いは自重し、101円前後からの始動をすすめる。
ユーロドルは徐々に下値が堅調であり、1.56割れからの買いを勧めるが、売りは1.57台に乗せてから摸索することを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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