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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円95〜100円で高見(花見)見物!

近所の桜は満開!

近所の桜は満開!

週末は絶好の花見日和になりそうです。家の前の桜の木は満開でも隣の桜はまだつぼみ状態。樹齢に関係があるのかとも思いましたが、全く関係なく桜には早咲きと遅咲きがあるようですね。
このところの円高とユーロ高で為替のビギナーズラックもなくなり、かなり難易度が高い相場となっています。ここらで花見でもして、一呼吸も二呼吸も間を置く時期なのかもしれません。
花見が出来る間は、単純思考でドル円95〜100円のレンジで高見「花見」の見物といきたいものですね。

▼昨日はNY株式市場では業績見通しが悪化が予想される金融株を中心に続落している。ドルを取り巻く環境に改善は見られず、相対的にもドル安に歯止めがかかりにくい状況にある。昨日は米新築住宅販売件数は予想を上回るものの、数字自体は1995年以来の低水準を続けており、同時に中古住宅在庫にしても投売り状況の中での改善であり、住宅関連では一向に改善の兆しが見られていない。
耐久財受注に関しても予想を大幅に下回り、米経済後退観測が鮮明になっている。その上に金融業界での信用不安が拡大基調にあり、再びシティ・グループの損失額拡大やベア・スターンズの救済に懐疑的な見方が浮上していることもドル売り材料となっている。

昨日はポールドソン財務長官が米国経済にとっての最優先課題は住宅・金融の経済への影響阻止と述べてはいるが、既に侵食状態であり、四苦八苦しているFRBに依存し、打開策が見つけられずに苦悩している米政府の姿勢に対してジレンマが生じている。
4月3日にはバーナンキFRB議長及びポールソン財務長官がベア・スターンズ関連の買収劇や具体策案を議会証言する事を求められている事もその一例であろう。いずれにしても、ドルが迷走しており、既に米1−3月期GDPがマイナス1%に陥る予想が報じられており、ドルの戻り期待が徐々に失せているのが現状である。しかしながら、リスクを最小限にした売買志向が賢明であり、ドルの戻り売りに焦点を絞った戦略性が求められる市場である。
ドル円は99円台半ばからの段階的なドルショートで臨むことを勧めるが、昨日のユーロドル高に影響された相場展開を考慮し、ドル円100円までの戻り期待で臨むことを勧める。本日も株式主導の相場展開が予想されるが、一応節目でもある12,500円割れを意識して臨むことになるが、下値はドル円98円割れまで視野に入れて臨むことを勧める。一方、ユーロドルは昨日の欧米経済指標が余りにも対象的であり、また、原油価格の上昇も手伝い大幅に続伸している関係上、俄かに1.600台が時間の問題とも錯覚するような相場展開ではあるが、現実には1ヶ月前に1.500台に乗せてからは未知の領域に突入しており、1.6000までの上昇と1.5500までの下落の可能性を5分5分と判断すべきであろう。そして、常に急落を想定したシナリオが必要であり、少な目のポジションで無理のないトレードに徹することを勧める。現状では1.59前後の売りと1.57台半ばの買いで様子見を勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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