ドルの底打ち感なし、ドル円100円割れへ!
ストレスばかり残る難解な相場が続いており、なかなかすっきりしませんね。昨日は気晴らしと思い、映画「バンテージ・ポイント」を鑑賞してきました。内容的には単純ですが、大統領暗殺の真相を探るため、8つの異なる視点から見たサスペンスアクションですが、90分間、目まぐるしい展開の連続であり、鑑賞後には疲労感と満足感で一杯の作品でしたね。その点では今の為替相場に通じたものがありますね。映画は無事に完結しますが、為替は節目節目で完結させるシナリオがないと塩漬けになってしまいますので、くれぐれもご注意してください。
▼早くもFRBの流動性供給資金の懐疑的な見方が広がり、NY株式市場は反落しており、ドルの全面安が再燃している。前日の主要各国の資金供給による協調体制にもかかわらず、債券市場では利回りが再度低下しており、リスク回避が主要テーマであることには変わりがない。想定以上にドル買いの賞味期限が早期に終了している状況であるが、昨日はヘッジファンドの破綻なども報じられ、更に原油価格の上昇には歯止めがかからず、ドル離れの環境は整っている段階である。当面はドルロングを控えざるを得ない状況下にあると言えるだろう。一方、ユーロドルは依然として高値警戒レベルで推移しており、ユーロ圏内部では過大評価されたユーロドルとインフレ対策に懸念を示しているが、米経済の後退観測が現実化しており、現状の通貨高に関しては、自然体でドルの下げ止まりを待つしかないのが現状なのかもしれない。いずれにしても、この一ヶ月の間でユーロドルが大きな節目と言われた1.50と1.55を難なくクリアーしている状況を踏まえると、ドルの下げ止まり感が見えてこないのが実状であろう。同時にドル円は108円台から101円台へとユーロドルと足並み揃えており、約7%前後のユーロドル高と円高局面を生み出している以上、ドル安円安の構図が完全に崩れている状況であり、当然ながら、100円割れが完全に視野に入っている状態と言えるだろう。ある意味ではドル円100円がもはや重要な節目ではなくなっていると解釈した方が健全なポジション取りが可能になるだろう。心理的にも101円割れが生じれば加速的に円高に繋がる可能性を秘めている市場であろう。
▼但し、FRBが更に緊急的な対策案(介入?)を繰り出すことを想定しなければならず、ドル売り一辺倒とは行かず、中期的なポジションを取りづらい局面に差しかかっていることも事実である。今現在では機関投資家及び投信などの円キャリ−トレ−ドの円安懸念は皆無であろうが、ドル円が100円割れの状況になると、再度、様変わりする嫌いは否定できないため、短期トレード主体で戦略性を高めるしか良策はないだろう。さもなければ、難しい相場には参加せずに、100円割れなどの節目節目のトレードに集中することも選択肢の一つである。
戦略的にはドルの戻り売りの状況には変化がないが、通常より値動きが激しい状態が続いている為、余裕を持ったドル売りに専念する事が賢明であろう。ドル円は買いを自重して、102円前後の売り、そして、ユーロドルは1.55割れの段階からロングを摸索することを勧める。