米ドル続落⇔ドル円100円&ユーロドル1.5500=ユーロ円155円へ?
NY市場では2月米ISM製造業景気指数が50を下回ったが、前回よりは大幅に改善したことで円売りが加速し、当面の節目である104円台まで上昇したが、反面、米経済の減速が鮮明となり、ユーロドルは最高値を更新中である。再び円安ドル安の一面を覗かせているが、ドル円の上値の重さは変わらない状況であり、市場が冷静さを取り戻せば、ドル円に関しては、再び円高に傾斜する可能性を秘めている。
FRB自体はサブプライム問題の根源である住宅関連に積極的な金融緩和策取り続けており、今後も追加利下げが実施される予定であるが、米国政府は、それなりに救済策を随時摸索しているが、サブプライム問題が底なし沼のような状態では、救済策自体の効果が半減してしまうのが現状である。昨日発表されたモノライン(金融保証会社)アムバックへの資本増強が不充分との見方が広まっているのも、その一面であろうが、最終的には大規模な公的資金が投入されるまでは信用収縮不安を払拭できない側面がある。しかし、実際には米財政難の壁が立ちはだかっており、打つ手は限られているのが現状である。先の議会証言でバーナンキFRB議長が述べていたように、中小金融機関の破綻が余儀無くされてる日も遠くはないのであろう。そして、早朝に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)が米経済の後退観測懸念に駄目を押しした内容である。ベージュブックは3月18日のFOMCの材料として重視されるだけに、次回利下げ幅が0.75%になる可能性があり、ドルの脆弱性が問われることになる。
一方、ユーロドルは史上最高値を更新しており、ユーロ圏でもユーロ高を危惧する声は日々高まりを見せているが、原油価格の再高騰と米経済の後退観測から、必然的に上値を追う展開になっている。一部では1.55台までを視野に入れた機関投資家も増えつつあるが、ドル円100円とユーロドル1.55が当面のドル安ターゲットになる可能性は否定できないであろう。
本日はドル円のレンジ幅は変わらずに103.00〜104.00での攻防と判断するが、ユーロドルは未だにポジション買いが散見されており、下値が堅調であるが、一色即発ムードは健在であり、買いは1.520割れ、売りは1.53台に乗せてからの始動を勧める。