ボックス圏相場 無駄な動きは中止?
原油価格が100ドルを超えてドルの価値は下がる一方。大勢はドル売りであっても、思うように下がりきっていませんね。雪解けと共に、そろそろドルの反発に注意を払うほうがリスクは軽減されるかも知れない。そんな不安要因が芽生えている今日この頃。
▲FRBの見通しは08年1.3−2.0%成長に下方修正されており、米景気減速感が更に強まっているが、昨日の1月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇したことを受けて、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ幅が縮小する見方が浮上している。ドルが一時的には買い戻されているが市場は試行錯誤の段階である。
米FOMC議事録においては景気の下ブレリスクを前面に押し出した内容であるが、同時に急速なインフレ懸念が生じているため、現状を打開する策は見当たらないのが現実である。今後、追加利下げするにしても、サブプライム問題とインフレ懸念との板ばさみになることが明白である。そして、今後も100ドルに乗せた原油価格の高止まりが予想されるため、インフレ対策を懸念しながら、利下げ処置にしか選択肢はないのが現実であろう。長期化が予想されるサブプライム問題を前にして、FRBは金融政策の舵取りが難航しており、他国と同様に株式主導の景気回復策を取らざるを得ない立場にあるため、おそらく、次回FOMCにおいて予想される0.5%の追加利下げ幅が縮小する可能性は少ないであろう。
市場はレンジを意識した相場展開であり、数々の好悪材料があるにもかかわらず、潜在的な景気先安感が存在しているため、現状では悪材料に関してはマーケットは鈍く、数少ない好材料には強く反応する嫌いがある。
いずれにしても、現状の為替相場はボックス相場を形成しており、単に相場観や無為無策なテクニカル分析に頼るよりは、相場が動き出してからの始動に心掛けることがベストな選択肢であろう。
再びドル円は108円、ユーロドルは1.47前後の攻防になっているが、市場全体にリスク回避の動きが早まっており、ポジション解消が一つの行事になりつつある。先のシカゴIMM先物通貨における投機筋の動きがすべての通貨に制約されているように、方向性がかなり乏しい相場展開である。繰り返しになるが許容範囲レンジ幅での売買に専念することが肝要であろう。
ドル円は107.00以下のロング、108円台半ば以上のショートを前提にして臨むことを勧める。ユーロドルも同様に1.4600〜1.4800のレンジ幅で臨むことを勧める。
一方、クロス円は値動きが激しく、目的意識をもったトレードに専念しなければ、日々の値動きに翻弄されてしまう恐れもあるため、きっちりとしたシナリオがない限りは、静観することが賢明である。クロス円取引は少なくとも3つの通貨ペアによって合成された通貨であり、以前のように強い円キャリートレードの思惑が見えてこない限りは、高値掴みには注意を要するレベルである。ドル円の円高作用によって、減少傾向にあるだけに、中期的な投資目的がない限りは取扱高を抑えて臨むことが賢明でしょう。