ドル円・ユーロドル上値も重し、ECB利下げ観測に比重をおけば1.45まで急落も?
株式市場は昨日のNYダウの下落幅が小幅に留まり、一応安堵感を見せているが、米経済の後退観測が確実視されており、世界同時株安の状況には変わりがない。週末東京で開かれるG7においては、為替問題に関しては棚上げされと報じられており、G7の関心はモノライン問題まで波及したサブプライム問題の収束であり、信用修復には各国の恒久的な資金供給の再確認に終わる可能性が高いだろう。いずれにしても、優先課題は為替問題ではない事は確かであり、為替への影響も限定的になるだろう。
▲本日は英国と欧州中銀の金利政策発表に注目が集中するが、事前予想通りに、BOEは0.25%の利下げ、そしてECBは据え置きが有力視されるため、動意には薄い相場展開が予想されるが、サプライズ期待ならば、ECBの利下げしかないだろう。いずれにしても、その後のトリシェECB総裁の発言に注目が集まるが、従来のようにタカ派的な発言は維持されるだろうが、景気下振れリスクを考慮した上で、ハト派的な見解が導入される可能性も強いだけに、ユーロドルショートで臨むことが賢明であろう。レベル的にも上値の重い状況から判断して、ユーロドル1.46台半ば以上の売りであればリスクは限定的であろう。
一方、モノライン問題の資本増強には当面は120〜150億ドルとも言われているが、総額2兆ドル超の保証を請け負っているモノライン問題であるだけに、数字自体が甘すぎる見解は少なくなく、サブプライム問題の長期化は避けられそうにないのが現実である。当然ながら、株式市場への影響は計り知れないものがあるが、米金利の金融緩和政策だけでは世界経済の回復には足元にも及ばないだろう。潤沢な供給資金を投じる為にも主要各国は金融緩和策が強いられる可能性は高いだろう。物価上昇と景気停滞を意味するスタグフレーションが懸念される状況下では、通貨高や金融引締めによるインフレ抑制策では限定的にならざるを得ない。その点ではユーロ金利の引き下げが早まる可能性は否定出来ない。
▲今晩は米新規失業保険申請件数の指標があるが、米景気の減速感を計る意味合でも重視しなければならないだろう。前回は米経済のリセッションを思わせるように37.5万人まで急増したが、リセッション時には一時的にも急増すると言われるほど重要な指標であり、今回は特に前回の数字を再確認する意味でも増加件数の推移に注視して臨むことも一考であろう。
ドル円は上値の重い展開が継続されており、106円台後半の売りを推奨するが、買いは106円割れを見ない限りは妙味が薄い。105円台70〜80レベルで待機することを勧める。同時にユーロドルも上値の重い状況であり、先に述べたように1.46台半ば以上の売りを勧めるが、買いは1.450レベルまでの可能性を秘めている?