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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

105円〜108円のレンジ相場で試行錯誤!

先週、米雇用統計が市場予想よりも大幅に悪化し、非農業部門雇用者数がマイナスに転じたことからドルの急落を告げたが、ブッシュ大統領は「雇用が創出されなかったことは重大」と述べているように、12月の非農業部門が1.8万人から8万人の増加に修正されたとは言え、米経済に対して危機感をつのらせている。その後に発表されたISM製造業指数が大幅に改善したことにより、ドル円は米雇用統計発表前の水準まで戻したことで、市場は試行錯誤の段階であるが、流れはドル売りであることには変わりがない。
▲今週は各国の金融政策の動向に絞られるが、先ずは明日のRBAの利上げ、7日にはECBの据え置き、そして、BOEの利下げ予想が先行している状況であるが、実際には金利動向によって通貨の強さが決まるほど安易な相場ではなく、信用収縮リスクによる避難通貨探しに比率が置かれているとも言えるだろう。それだけ、不安定な相場展開は否めず、難易度の高い相場展開が予想されるが、今週は主要な経済指標の発表はなく、穿った見方をすれば、米ドルにとっては短期的には好材料と言えるかもしれない。
イベントとしては週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に集約されるが、主要課題として新たに発生したモノライン対策であるが、各国は潤沢な供給資金を義務付けられ、金融不安対策に焦点が絞られるため、為替問題に関しては期待薄のG7と言えるだろう。

▲いずれにしても、今回の米雇用統計の大幅な悪化に伴い、米経済の後退が確実視され、今後もFRBが金融緩和政策を促す事は必死であり、必然的に米ドルの上値が重くなるだろうが、反面、更にドル安が進行する事は諸悪の根源である原油価格の再高騰とインフレ懸念が増幅する要因でもあり、ある意味ではドル安のピーク感が見え隠れしているのが現状かもしれない。繰り返しになるが、今週もドルの戻り売りに焦点を当てて臨むことが賢明であろう。
そして、今週からは7日のドイツ銀行を皮切りに、欧州大手金融機関の決算発表が始まるが、日米金融機関と同様に欧州圏の決算発表にも注視して臨みたい。ちなみに各国の決算発表は12日クレディスイス、14日UBS、19日バークレイズ。
シカゴIMM先物通貨に関しては、他の通貨との比較でも、低金利の円ロングが5万枚台と突出しており、統計的には反転局面を視野に入れなければならず、ドル円105円台は底堅い動きになるとも解釈できる。ドル円105〜108円のレンジ相場が継続される確率は高いだろう。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2008年2月03(日)週末の終値ベース
相対的にはドルの全面安の状況であるが、昨年のサブプライム問題の発生時から、チャート上では各通貨とも対ドルとの相関性に偏重の兆しが見られる。市場のテーマはリスク回避を優先しており、新たにモノライン問題が追い討ちを掛けるようにドル売りに拍車をかけている状況である。米経済の後退観測が尚一層強まり、ドル売り基調によって乖離幅が拡大傾向を示している。今週も先週と同様にスイスフランが避難通貨として本領を発揮しており、高金利通貨であるオセアニア通貨に対してもドル売りが加速している。その上にカナダドルが再びパリティ割れを見せたことからも、ドルの下落基調が早まっている。反面、ポンドの軟調地合も手伝い、ドル円、そしてユーロドルに対してはドルの下げ止まりの様相を見せている。本チャート上ではドル売りを強行するリスクが拡大している。
流れはドル売りであり、ドルの急回復は望めないが、ドルの戻りを基準にした戦略性が求められる。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅 0.0434→0.0419
1÷ユーロドル1.4798=0.6758(A)100÷ユーロ円157.75=0.6339(B)
A-B=0.0419⇒ドル円106.60円
この数週間は105円台から107円台の狭いレンジ幅ならも日々目まぐるしい相場展開を見せているが、週末になると106円台に舞い戻っている。106円台では強い買いシグナルが点灯しているが、先週の強めの買いシグナル106.80に続いて、今週も引き続き買いシのグナル106.60が灯している。(売りターゲット112.50〜113.00) 
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅 48.15⇒51.15
先週の売りシグナル1.4677から1.49台までの上昇を見せてはいるが、さすがに1.49台では上値の重さが生じている。今週は引き続き売りシグナル1.4798が点灯している。
(買いターゲット1.4150〜1.4200)
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅20円 現状乖離幅 12.80⇒10.20円
再び0.90台に乗せており、先週の売りシグナル0.8801に続き、今週は強い売りシグナル0.9043が点灯している。現状の目安としては0.90台からの売り、0.85台では買いシグナルの状況である。(最終買いターゲット0.8250〜0.8300)
NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅32円 現状乖離幅 24.60⇒22.00円
豪ドルに引きつられて急上昇しているが、先週の売りシグナルに続き、今週は直近の乖離幅としても最大に近く、かなり強い売りシグナル0.7936が点灯している。
(買いターゲット0.7250〜0.7300)
カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 0.75⇒−0.65円
先週の弱い買いシグナル1.0071から、今週は再度パリティ割れの展開を見せているが、、先々週のポジション解消局面の売りシグナル1.0274にあるように、当面の買いシグナルはパリティ割れであり、そして、売りシグナルは1.0300前後が目安になる。今週も買いシグナル0.9939が点灯している。(売りターゲット1.0250〜1.0300)
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円 現状乖離幅 105.00⇒102.95円
先週は様子見状態から一転して、通常の売りシグナル1.9831が点灯していたが、今週は弱めの売りシグナル1.9658が点灯している。(買いターゲット1.9550〜1.9600)
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅20円 現状乖離幅 9.40⇒8.75円
中立通貨の強みを発揮しており、先週の強い買いシグナル1.0965にも関わらず、USD/CHFは再度下落基調にあり、今週も引き続き強い買いシグナル1.0894が点灯している。
(売りターゲット1.1950〜1.2000) 
オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅10.00円 現状乖離幅推移 11.80→11.80円
乖離幅は先週と全く変わらず、様子見が継続されているが、先週と同様に10〜13円の乖離幅ではチャート上では売買シグナルは見られないが、両通貨とも動きは激しいため、瞬間的には乖離幅が拡大して13円以上になる際には豪ドル円売り/NZ円買いの局面もある。(過去5年間の乖離幅4.00〜18.15円)11月4日に更新18.15円)
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(265円以下は円高⇔275円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均: 2006年度上半期253円、下半期267円と着実に円安方向へ。 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円と円安が更に進むが、今年度1月平均は266.30円 そして、今週は157.75+106.60=264.35円と円高局面を維持している。260円割れからの円売りに妙味がある。
★ 欧州3大通貨ペア 
ユーロポンド 平均乖離70円 現状乖離幅 55.05⇒52.15円
ポンドが再び軟調になっており、先週の売りシグナル0.7401に引き続き今週は強めの売りシグナル0.7528が点灯している。週半ばでは0.72台半ばではポジション解消買いシグナルが点灯しており、当面の目安としては0.71台ではロング、0.76ではショートのイメージが必要。(買いターゲット0.7200〜0.7250)
ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 59.35⇒59.90円
先々週の買いシグナル1.6060から、上昇基調に転じており、先週の買いシグナル1.6093に引き続き、今週も買いシグナル1.6122が点灯している。
(売りターゲット1.6300〜1.6350)
ポンドスイス 平均乖離132円 現状乖離幅 114.40→111.70円
再びポンドが軟調であり、スイスフランの堅調さが生じている。相対的にはポンドの弱さが先行しており、先週の戻し基調にあった買いシグナル2.1745から、今週は更に強い買いシグナル2.1415が点灯している。 (売りターゲット2.2650〜2.2750)
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています。常に少なめからの始動を心掛けてください。尚、最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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