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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

順張り・言うは易し!ドル円110円からのナンピン売りシナリオに妙味?

素人療法は損失拡大?

素人療法は損失拡大?

風邪が流行っていますが、昨年は幸いに風邪をひいた記憶はありませんでしたが、今年は正月明け早々に風邪をひいてしまいました。原稿作りに明け暮れしている日々ですが、具合が多少悪くとも原稿は書くことは出来ますが、チャート作成など細かい作業をするときに苦労しましたね。普段は熱が出ない風邪なのですが、今回ばかりは悪寒が走り、熱もそれなりにあったのだと思いますが、震えが止まらず、パソコンのマウス操作が不能状態になりました。思えば余りにも寒い為、鍋と熱燗で意図的に発汗を促したのが逆効果になってしまったようで、素人療法の限界を感じた次第です。為替も高をくくるとしっぺ返しが突然やってきますが、今の相場は初心者に限らず、自称上級者も要注意ですね。

▲昨日は主だった米経済指標がない中で、NYダウが引けにかけて急反発を見せており、ドルの切り替えし局面が見られた。早朝には米株価に追従して、ドル円が110円台のストップロスを巻き込みながら、ポジション調整買いが散見される模様だが、実需の売りが上値を抑えている状況である。
相対的にはドルの全面高の様子を見せてはいるが、米株式市場の反発自体が10−12月期の企業業績が好調と報じられ、同時に懸念されている米大手金融機関における悪材料出尽くし感が先行しており、サブプライム問題の峠を越す可能性などが報じられていることが株式市場には好結果の展開をもたらしている模様ではある。しかしながら、本日のNYダウの動向を見るまでは疑心暗鬼の株高と言えるだろう。一方、米ゴールドマン・サックスの顧客故向けレポートでは、米経済の景気後退入りが鮮明になり、GDPの伸びは0.8%に留まり、失業率は5%から6.5%へ上昇、そして、FRBが政策金利を2.5%まで引き下げる見通しを予想しているが、市場の反応は限定的であるように、米金融機関の勝ち組みであるゴールドマンの戦略的な側面との噂もある。 実際問題として、インフレ懸念を置き去りにして、2.5%までの利下げを現実化させるかは疑問視されるところであり、同時に米金利がユーロ金利を大幅に下回る状況になれば、必然的に米ドル離れが加速せざるを得ない状況になる。株式市場は金利低下観測が浮き彫りになると、上昇基調に転じるが、ファンダメンタルズの面では米経済の鈍化は避けられず、恒常的な株式上昇には繫がらないのが現実であろう。
▲本日の日経平均株価はNYダウの恩恵を享受しておらず、逆に軟調に推移しているように、日本経済の脆弱性が問われている状況では円高に対する疑念も生じてはいるが、米ドルの戻り売りの体勢が強まる可能性があり、基本的にはドル円110円台の売りを勧める。
但し、ストップロスを巻き込んでいる状況を考慮し、もう一段の調整買いが生じた時に売りに転じることを勧める。レベル的には110円前後の買いは自重し、110.30〜40円からのドル円ショートであればリスクは限定的であろう。
ユーロドルに関しても、ドル円と同様に、1.46台半ば割れからのロングであればリスクは限定的と判断するが、1.47台半ばからは上値の重い状況であり、双方ともポジション調整色が依然として強いため、1.4650の買いと1.4750の売りで待機することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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