米ドルの戻り売りが焦点へ!
先週は12月の雇用統計が大幅に悪化したことで米経済の先行き懸念が高まったが、ダウ平均は日本株と同様に大幅な下落をみせながら、1万3000ドルを割り込み、連日の投資判断引き下げが実施されたことも相場の重しとなり、引けにかけて下げ幅が拡大した。今週は米経済指標には相対的に主だったものは見られないが、焦点は1バレル100ドルに達した原油価格と世界同時株安の兆候を見せている株式動向に比重が置かれ、相場を大きく左右させる展開が予想される。週後半には英国と欧州中銀の政策金利が発表されるが、インフレ懸念が高まる中で、サブプライム問題による信用収縮リスクをバックにして、利上げの選択肢が阻まれている状態であり、BOEは金利引下げに向けてのステップになるかが注目されるが、同時にECB政策金利自体は据え置きが見込まれているが、原油価格の高騰に対応し、そして、インフレ懸念を和らげるにはユーロ通貨高も視野に入るところであるが、国際競争力の点では過度なユーロ高に対する疑念が生じており、金融政策の限界が垣間見える状況である。ECBトリシェECB総裁の記者会見に注目せざるを得ないだろう。
一方、バーンナンキFRB議長を中心とした、FRB関係者の要人発言が多々あるが、全般的には2008年度に向けての米経済見通しが主議題であり、好悪材料が混在した講演が予想されるが、米経済の減速懸念を払拭するには至らないため、ドル売り圧力が増すことになるであろうが、リスク的にはドルの戻り売りを中心としたトレードに集中することが好ましいだろう。そして、年始で本格的に始動する海外ファンド系と本邦機関投資家の動向にも注視して臨むことになるが、各通貨ともサブプライム問題の不確実性がマーケットに浸透しており、ボラティリティ(変動率)が大きさ示すように方向感を見極めながら慎重な戦略姿勢が求められる。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2008年1月06日(日)週末の終値ベース
年度末まではドル買い戻し基調であったが、年初から再び乖離幅が拡大しており、ドル売り基調が鮮明であるが、ユーロドル、ドルスイス、そしてオセアニア通貨に対してはドル買いに転じてもリスクは限定的なレベルで推移している。しかしながら、株式市場の続落を踏まえれば、株安を見越したドル買いを重視して臨むことが賢明であり、現段階ではドル買いを急ぐ状況ではないであろう。
当面はドルの強弱を測る意味合いで、11月のユーロドル1.48台とドル円108円割れの時点でドルが反転した経緯を踏まえると、もう一段のドル売りが生じた際には強いドル買いシグナルが再点灯する。 反面、下げ基調が強いポンドやパリティに戻ったカナダドルに対してはドルでは依然としてニュートラルなレベルで推移しており、今後の乖離幅の推移を見極めてからの始動が賢明であろう。一方、現状では、オセアニア通貨裁定取引も11〜12円前後の乖離幅で沈静化しており、様子見が続いているが、10円割れと13円台を目安にして臨むことを勧める。一方、サブプライム問題の影響と原油価格の高騰により、欧州3大通貨同士の比較においては、ポンドの弱さが歴然としている為、更にポンド売りを強行する局面ではないだろう。むしろ、買いを摸策するレベルに到達している状況である。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVS ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅 0.0749⇒0.0540
1÷ユーロドル1.4740=0.6784−100÷ユーロ円160.15=0.6244=0.0540⇒ドル円112.40円
先々週の114円台半ばではポジション解消売りに達したが、先週の買いシグナル112.40から、今週は強めの買いシグナル108.65円が点灯している。(売りターゲット114.50)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅 53.05⇒51.50円
1.49台からの強い売りシグナルが続き、先々週の1.4371まで続落したが、先週の売りシグナル1.4720に引き続き、今週も1.4740の売りシグナルが点灯している。 (買いターゲット1.3800〜1.3900)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅 14.05⇒13.90円
0.92台の強い売りシグナルから、下げを早めているが、先週の売りシグナル0.8780続き、今週も引き続き売りシグナル0.8721が点灯している。(買いターゲット0.8250〜0.8300)
▲NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅 25.40⇒25.40円
乖離幅は変わらないが、売り基調を強めている。先週の0.7740の売りシグナルから、今週も引き続き、売りシグナル0.7662が点灯している。 (買いターゲット0.7200〜0.7250)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 −2.15⇒+0.35
パリティ前後の攻防が続いており、未だに流動的であるが、先週の買いシグナル0.9812から、再び今週は買いシグナル1.0166が点灯している。(売りターゲット1.0250〜1.0300)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅 111.90⇒105.60
ポンドの下げがきついが、ドルとの比較ではニュートラルなレベルで推移している。先週のポジション解消売り1.9956から再度下値トライを見せているが、今週は様子見に近い買いシグナル1.9719が点灯しているが、もう一段の下げを見てからの買いが賢明であろう。(様子見)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅 12.65⇒10.60円
強い買いシグナル1.1000台から見せており、一時は1.1559まで上昇していたが、先週の買いシグナル1.1268から、再び下げに転じており、今週は強い買いシグナル1.1081が点灯している。(売りターゲット1.1950〜1.2000)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅10.00円 現状乖離幅推移 11.30→11.50円
各通貨は乱高下を見せているが、乖離幅自体は安定的に推移しており、先週の様子見11.30円に続き、今週も11.50円で様子見が継続している。15円以上ではAUD売り/NZD買い、そして10円割れでは反対売買が目安。(様子見)(過去5年間の乖離幅4.00〜18.15円)11月4日に更新18.15円)*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(270以下は円高⇔280円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は平均281円、11月は平均274円、12月第1週は273.85円、第2週は274.40円、第3週は276.80円、第4週は278.20円。先週は112.40+165.45=277.85円。 今週は108.65+160.15=268.80円と円高局面へ。
● 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド 平均乖離73円 現状乖離幅 58.05⇒54.10円
ポンドの急落が欧州通貨のアンバランスを加速させている。先週の売りシグナル0.7376から、今週も引き続き強い売りシグナル0.7475が点灯している。(買いターゲット0.6800〜0.6850)
▲ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅 64.75⇒62.10
先々週の売りシグナル1.66台から、先週は1.6544まで下げており、今週はポジション解消の買いシグナル1.6334が点灯している。
(買いターゲット1.6350〜1.6400から様子見へ)
▲ポンドスイス 平均乖離135円 現状乖離幅 124.55→116.20円
ポンドの急落が相場を一変させている。2.300割れからは強い買いシグナルが点灯しているが、先週の買いしグナル2.2486から、今週は想定以上に急落を見せており、一時的な損切りレベルに達しているが、2.150前後まで待ってからの再始動も一考。
(売りターゲット2.3850〜2.300)
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています。常に少なめからの始動を心掛けてください。尚、最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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