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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円113円台からのナンピン売りに妙味!

先週はFOMCの0.25%の利下げから始まり、翌日には欧米の五ヶ国中銀が協調緊急措置と称して流動性供給策を発表し、円高から円安、そして、ドルの全面高で終了したが、逆に米経済の不透明さが更に深まった印象が強い。 日米欧経済が共に下ブレ予測が続く中で、14日に発表された11月米消費者物価指数は、前年同月比で4.3%上昇し、1年5か月ぶりの高い伸びを示し、前月の3.5%から急加速したことにより、インフレ圧力が増し利下げ観測が後退している。サブプライム問題を背景にして、為替の強弱を探る相場展開であり、その難易度が凝縮された一週間であったと言えるだろう。
▲今週も引き続き上昇傾向にある米ドルが優位に展開すると思われるが、クリスマス休暇を控えており、ポジション調整主体の動きになるが、週半ばには米大手金融機関の決算が相次いで発表されるが控えており、波乱含みの展開が余儀なくされる。
いずれにしても、今後の焦点は米ドルへの回帰がどこまで進むかであるが、米欧中銀の協調姿勢が取られてからは、不自然とも思われるほど米ドルの戻りが早いだけに、ドル円が113円台に乗せ、そして、ユーロドル1.44割れの段階では米ドル買いを継続する難しさがある。とりあえずは利益確定売りが先行するため米ドルの上値は重くなるが、損失確定のドル買いも負けず劣らずの状況であり、ここはドル円114円台とユーロドル1.42台を意識したイメージで取り組むことが賢明であろう。
▲先週はクレジットクランチが拡大するに従い、FRBは別途ECBとスイス国立銀行との通貨スワップ協定を結び、FOMCは一時的なスワップ協定として承認したことで、最大200億ドルをECBに、そして、40億ドルをSNBに供給するが、穿った見方をすれば、米ドルの外貨準備高に余裕のある日本政府に対して、逆スワップ協定を結んでも不思議ではないかもしれない。 しかし、米国としても、自国通貨を調達する無様な方法は選択出来ないが、本邦3大メガバンクに巨額な資金要請を促していることから判断しても、ドルの資金調達には苦慮しているのが現状である。来週から年度末に向けて、供給資金の流動性が問われるだけに、株式市場を中心に荒れ模様の相場展開が見込まれるだけに、当面はポジションの縮小に心掛けることで、より戦略性を高めることが賢明であろう。
▲今週は19,20日には日銀金融政策決定会合が行なわれるが、利上げの見通しが完全に頓挫した状況下では、さすがに材料視されないであろうが、強いてあげれば、水野審議委員が利上げ票を撤回するかどうかであろうが、詰まるところは、米経済指標中心の相場展開にならざるを得ないのが実状であり、臨機応変の売買が求められるハイレベルの相場展開になるであろう。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年12月16日(日)週末の終値ベース
米ドルの上昇により、チャート自体は修正局面に突入している。 今年度もドル円相場の年間変動率は年初の119円から上値は123円台まで、そして下値は107円台までと10%内での動きである。 サブプライム問題を筆頭にして、原油価格の高騰、そして、円キャリートレードの巻き戻し現象などを考慮すると、ドル円相場が安定的に推移していることが理解できる。しかしながら、 ユーロドルが史上最高値を更新続け、他の通貨も何十年ぶりかの高値に達するなど、ドルの歴史的な弱さが際立った一年とも言えるだろう。 しかし、現状では年度末に向けて、米ドルの調整買いが進行しており、相対的にはポジション矯正局面を迎えている。通貨別で見ると、依然として、ユーロドル、豪ドル、そしてスイスフランの堅調さが残るが、反面、パリティ割れを見せたカナダドル、そして、値動きが激しいポンドが対米ドルでは許容範囲のレベルにまで到達している。 先週指摘したように、ユーロドルの下落が早まっており、チャート上ではドル円が114円前後では上値のピーク感に達することから、総体的には、クロス円全体に上値の重さが生じやすい展開になるだろう。 クロス円相場は円キャリートレードなどの特殊性のある場合を除けば、対米ドルに左右される通貨ペアであることを再認識して臨むことが賢明である。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVS ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0715→0.0814
(1÷ユーロドル1.4431=0.6930)−(100÷ユーロ円163.50=0.6116)=0.0814⇒ドル円113.30円。108円台の買いシグナルから、足早に上昇を見せている。先週の買いシグナル111.70円から、今週は弱めの113.30円の買いシグナルが点灯している。目標の売りレベルに接近している点に注意。過去の売買シグナル⇒116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い→110.70買い→108.40円買い→111.15買い→111.70買い→113.30買い(売りターゲット114.00〜115.00) 
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅52.00→50.20円
先週の強い売りシグナル1.4655から、更に下値を探る展開であり、今週も売りシグナル1.4431が点灯している。状況的には買われる局面であるが、上値1.45台では売りに転じ易い状況である。1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.4088売り→1.4262売り→1.4392損切り買いclose→1.4508売り→1.4675売り→1.4667売り継続→1.4829売り→1.4655売り継続→1.4431売り(買いターゲット1.3700〜1.3800)
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅13.75→15.75円
0.9台の強い売りシグナルから下げ基調を強めており、先週の売りシグナル0.8769から下げ基調を強めているが、今週も売りシグナル0.8610が点灯している。0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8661売り→0.8872売り→0.9043売り(損失確定買い)→0.9178売り→0.9234売り→0.8932売り→0.8844売り→0.8769売り→0.8610売り(買いターゲット0.8250〜0.8350)
NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅25.05⇒26.60円
先週の売りシグナル0.7757に引き続き、今週も売りシグナル0.7652が点灯している。0.7473売り→0.7257買いclose→0.7972売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7764売り→0.7664売り→0.7643売り→0.7757売り→0.7652売り(買いターゲット0.7150〜0.7250)
カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 0.55⇒1.85円
先々週のパリティ回復後も買いシグナルが点灯しており、先週の買いシグナル1.0049から、今週も買いシグナル1.0166が点灯している。1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→0.9811買い→0.9663売り(損切り)→0.9341買い→0.9724買い→0.9895買い→1.0000買い継続→1.0049買い→1.0166買い(売りターゲット1.0250〜1.0350)
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅115.05⇒115.25円
2.08台からの強い売りシグナルが最終局面に達している。先週の売りシグナル2.0300から、今週はポジション解消レベルに達している。買いシグナル2.0172が点灯し、様子見レベルに突入している。1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0525売り→2.0888売り→2.0576売り→2.0300売り→2.0172買いclose(最終買いターゲット2.0100〜2.0200)
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅12.75→15.05円
強い買いシグナル1.1000台から、上昇を早めているが、先週の強い買いシグナル1.1289から急上昇を見せているが、今週も引き続き買いシグナル1.1532が点灯している。 1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1536買い→1.1178買い→1.1039買い→1.1319買い→1.1289買い→1.1532買い(売りターゲット1.1950〜1.2000) 
オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅11.30→10.85円)
11月4日に乖離幅が18.15円まで拡大していたが、今週は平均乖離幅に接近しており、様子見状態に突入している。現状の目安としては15円以上ではAUD売り/NZD買い、そして10円割れでは反対売買。(過去5年間の最大乖離幅17.15円を11月4日に更新18.15円)過去の乖離幅推移5.40→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.00→10.95→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.85→16.00→15.05→16.35→17.30→15.05→18.15→16.30→15.10円→12.90→13.35円→11.30→10.85円(様子見へ)
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(270以下は円高⇔285円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は平均281円、11月は平均274円と275円割れの円高局面に突入。12月第1週は273.85円、第2週は274.40円。今週は113.30+163.50=276.80円。当面の目安は270円割れでは円高、280円では円安。
欧州3大通貨ペア
ユーロポンド 平均乖離77円 現状乖離幅63.05→65.05円
先週の強い売りシグナル0.7219に続いて、今週も強い売りシグナル0.7154が点灯している。0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.7140売り→0.7197売り→0.7114売り継続→0.7219売り→0.7154売り継続(買いターゲット0.6800〜0.6850)
ユーロスイス 平均乖離62円 現状乖離幅64.75→65.25円
先週の様子見1.6544から、今週は売りシグナル1.6641が点灯している。1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6796売り→1.6476買いclose→1.6544様子見→1.6641売り(買いターゲット1.6350〜1.6400)
ポンドスイス 平均乖離140円 現状乖離幅127.80→130.30円
2.30割れからは強い買いシグナルが続いている。先週の買いシグナル2.2916に続いて、今週も買いシグナル2.3262が点灯している。
2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.4126売りclose→2.3890買い→2.4096売りclose→2.3463買い→2.2961買い→2.2744買い→2.3289買い→2916買い→2.3262買い(売りターゲット2.3950〜2.4000)
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています。常に少なめからの始動を心掛けてください。尚、最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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