緊急救済措置は米国の汚点?
今やパリのルイヴィトンの買い物客は日本人観光客が極端に少数派になっている。 その代わりに、中国人が大挙して押しかけているようです。
時代の流れですね。奥方曰く、パリ市内でも物価上昇が続いており、ユーロ高はご多聞に漏れず、心底応えているらしい。 しかし、日常食料品は徹底的に安く、博物館やショッピングするよりも、一日中ス−パーマ−ケットにいても飽きないそうです。我が家の冷蔵庫はチーズやサラミで満杯状態ですが、昨日は偶然にも新品のヴィトンのバッグを発見しましたね。ストレス解消には必要と納得している次第です。
しかしながら、今の為替相場はストレスの塊のような動きですから、勝つしかストレス発散にはならないでしょうが、コレステロール値ではありませんが、為替ポジションの悪玉と善玉の棲み分けをすることも大事です。
▲欧米中央銀行が緊急資金供給を発表し、市場は大荒れの展開を見せている。過去においては為替への協調介入は幾度もあるが、資金供給にのみ焦点を絞り、金融不安を解消させる手段としては異例な救済策である。 兼ねてから報じられているように、年度末に向けての資金繰りに窮した避難的な措置と言えるが、日銀及びスウェーデンの中央銀行も今回の救済策を歓迎しており、サブプライム問題が確実に世界経済を脅かしている現象であろう。
各中銀の資金供給は継続されているが、既に銀行間の相対取引でも1ヶ月の米金利は5%を越えており、年末年始の金利に至っては8〜10%以上の金利相場が生じている。特に信用度の低い金融機関にとっては金利に関わらず、相互間での出し渋りの影響があり、最悪のケースまで視野に入っている。今回の緊急救済策がどこまで改善策に繫がるかは不透明な段階である。
▲いずれにしても、資金流動性リスクがある以上、最終的には国際決済通貨の柱である米ドルに集中する事は明白であり、各国の協調体制がどうしても必要になったと解釈すべきであるが、昨日の発表を受けて、更にだぶついたマネーが株式市場及び商品市場を掻き回す恐れもあり、為替市場のみならず、他の市場への影響は計り知れないのが現状であり、予断が許せない状況には変わりがない。
救済策の発表後にはNYダウは一時的な上昇を見せたが、米経済の減速懸念が更に深まり、株式市場は一進一退の展開である。資金供給では信用収縮の解消には至っていないのが現実かもしれないが、反面『協調』と言う2文字が意味することは重視しなければならないのも現実である。
為替の協調介入は人為的または政治的な操作で支配できるが、信用収縮不安が選考している市場は操作不能であり、この数日間の動きでも判るように二転三転する相場展開を想定して取り組むことが大事であり、ストップロスを適宜に配置して臨むか、見通しがはっきりするまでは抑え気味のトレードに専念するしか良策はないであろう。
▲債券市場ではリスク回避策の一貫である債券買いによって、利回りが低下していたが、昨日の10年債はは4%台、そして2年債は3%台に復活しており、だぶついた流動性資金の行き場が右往左往しており、撹乱要因になるリスクが含まれている。潤沢な資金供給が再び円キャリートレードに向かう恐れもあり、ドル円の下値を支える要因とも考えられるが、ドル安の概念を捨てきれないのがマーケットのコンセンサスではあるが、円買い材料は依然と欠如しており、今週から来週にかけてはボーナスを見込んだ信託ファンドの外貨投信が集中しており、同時に米大手証券の決算が控えている為、マーケットが過剰反応する意識をもって臨むことが賢明であろう。
ドル円は112円前後では利益確定と損切り調整に追われており、どちらにも動けない状況であるが、この数日間における、一連の流れを重視し、ドル円112円台半ばの売りと111円台半ば以下の買いで様子見が正解であろう。
ユーロドル自体の動きは限定されており、1.47前後の攻防と判断するが、無理する相場環境ではなく、1.4650割れの買いと1.47台半ば以上の売り様子見を勧める。