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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

リスク限定取引→オセアニア裁定取引or欧州3大通貨ペア

サブプライム問題を中心とした信用収縮リスクの中で、今週は11日に注目のFOMCの政策金利が発表されるが、既に市場では0.25%の利下げは確実に織り込み済みではあるが、サブプライム問題による信用収縮リスクが年度末の資金繰りを逼迫させており、一抹の不安は拭えない状況である。 金融不安に安堵感を植え付けるには0.5%の利下げが必要との声も少なくないが、仮に0.25%の利下げ実施に終わったとしても、市場は次回に向けての追加利下げを摸索する展開が濃厚であり、政策金利発表後の声明文を確認するまでは動きづらい展開になるであろう。 そして、利下げ効果が株式市場に敏感に反応するだけに、株高・ドル高の連動性を加味すると、米ドル売りに繋がると見るのは早計であろう。 
一方、サブプライム問題の早期改善策を狙う米国としては、FOMCの声明文では住宅関連での脆弱性は如何ともし難い情勢ではあるが、原油生産国のドルペック離脱懸念も含めて、米ドル離れを促進させない状況を作り出さねばならず、一段と『強い米ドルが国益』になることを再認識させるためにも、タカ派姿勢を貫く公算が高いだろう。となれば、リスク面を考慮すれば、米ドルのもう一段の上昇を警戒して臨むことが良策であろう。いずれにしても、ストップロスの重要性を問われる局面であり、万難を排して臨むことを勧めるが、相場が大きく動いてからの始動に専念することを勧める。
▲12日と13日は北京で米中戦略経済対話が開かれるが、相場への影響は限定的であろうが、人民元切り上げがテーマである以上は、当然、円高に備えた戦略性が求められる。米大手証券の第4半期決算が13日(リーマン)と14日(ベアスターンズ)に控えており、注目度は低いが、サブプライム問題の中間内容を探る為にも波乱含みの展開は避けられないが、米ドルの巻き返しのヒントにもなるため、米株式市場の動向にも注目して臨む事を勧める。 そして、14日には注目の日銀短観が発表されるが、物価上昇の煽りを受けて、景気減速観測も浮上しており、円安要因になると思われるが、利上げが遠退いた日銀短観では市場への影響は限定的との見方が少なくない。
▼シカゴIMM通貨先物市場においても、各通貨ペアの取引枚数が横ばいを示しており、この数週間における相場の難易度を示しているが、師走相場で取引高が減少傾向にあるだけに、投機筋の動きにも要注意であるが、とりあえずはFOMCの政策金利発表があるまでは静観視することが賢明であろう。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年12月09日(日)週末の終値ベースドル円の上昇と共に米ドルの買い調整が進んでいる。 相対的には米ドルの売られすぎ状態が続いているが、先週はポンドが利下げと共に、ポジション解消レベル2.0300(ポンド買い)に接近している。 そして、オセアニア通貨(豪ドル円トNZドル円)の乖離幅が18円より11円台まで縮小しており、ポジション解消(AUD買い・NZD売り)レベルに達している。 カナダドルも1.00のパリティが復帰してはいるが、更に上昇けはいがあり、今後もドル円の動きに注視して臨むことになるが、本チャート上ではドル円115円前後までの上昇余地はあるが、早期に実現するまでには至らず、むしろ、ユーロドルの下落が早まる可能性は大きい。ユーロドル1.45割れの可能性と共にクロス円の下値警戒を要する。 先週と同様に短期チャート(日足)でレンドを見ながら、中期的な週足チャートで大局的な戦略が求められる。 今週も乱高下が必死なだけに、少な目からの始動に徹底することが望まれる。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVS ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0686→0.0715
(1÷ユーロドル1.4655=0.6824)−(100÷ユーロ円163.70=0.6109)=0.0715⇒ドル円111.705円買い。108円台では強い買いシグナルが点灯しているが、先週の買いシグナル111.15から更に上昇しており、今週も引き続き買いシグナル111.70円が点灯している。 (売りターゲット114.00〜115.00) 過去の売買シグナル⇒116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い→110.70買い→111.00買い→108.40円買い→111.70買い
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅51.55→52.00円
1.49台からの強い売りシグナルから下げ基調を強めている。先週の売りシグナル1.4638から進展はないが、今週も売りシグナル1.4655が点灯している。 (買いターゲット1.3800〜1.4000) 1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.4088売り→1.4262売り→1.4299売り継続→1.4392損切り買いclose→1.4508売り→1.4675売り→1.4667売り継続→1.4829売り→1.4638売り継続
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅12.85→13.75円
0.9台の強い売りシグナルから下げ基調を強めており、先週の売りシグナル0.8844に引き続き、今週も売りシグナル0.8769が点灯している。(買いターゲット0.8250〜0.8350)0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8661売り→0.8872売り→0.9043売り(損失確定買い)→0.9178売り→0.9234売り→0.8932売り→0.8773売り継続→0.8844売り継続中
NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.20⇒25.05円
先週の売りシグナル0.7643から、今週は更に強めの売りシグナル0.7757が点灯している。 (買いターゲット0.7050〜0.7100) 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7972売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7764売り→0.7664売り継続→0.7638売り継続→0.7583売り継続→0.7643売り継続
カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 0⇒0.55円
0.93台からの強い買いシグナルから急速に乖離幅が縮小しており、先週はパリティ1.000の買いシグナルが点灯したが、今週も引き続き買いシグナル1.0049が点灯している。 (売りターゲット1.0400〜1.0500) 1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→0.9811買い→0.9663売り(損切り)→0.9341買い→0.9441買い継続→0.9724買い→0.9895買い→1.0000買い継続中
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅117.55⇒115.05円
2.08台からの強い売りシグナルが続いており、先週の売りシグナル2.0576から、今週はポジション解消レベル2.0300に到達しており、買い戻し状態へ突入している。(買いターゲット2.0150〜2.0200) 1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0525売り→2.0888売り→2.0889売り継続→2.0604売り継続→2.0576売り継続
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅12.95→12.75円
先々週の買いシグナル1.1039から、先週は1.1319の買いシグナルまで達したが、今週も先週レベルの買いシグナル1.1289が点灯している。
(売りターゲット1.1950〜1.2000) 1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1723買い少→1.1536買い→1.1178買い→1.1039買い→1.1319買い継続
オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅13.35→11.30円)
11月中には乖離幅が18.15円まで拡大していたが、急速に縮小しており、先週は13.35円であったが、今週は一気にポジション解消レベル11.30円に達している。現状の目安としては15円以上ではAUD売り/NZD買い、そして10円割れでは反対売買を勧める。(様子見)(過去5年間の最大乖離幅17.15円を11月4日に更新18.15円)過去の乖離幅推移5.40→13.90→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.00→10.95→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.85→16.00→15.05→16.35→17.30→15.05→18.15→16.30→15.10円→12.90→13.35円
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は平均281円、11月は平均274円と275円割れの円高局面に突入。12月第一週は273.85円、今週は111.70+163.70=275.40円。当面の目安は270円割れでは円キャリートレドの対象へ。
欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅66.00⇒63.05円』
ポンドが軟調であり、先週の売りシグナル0.7114に続いて、今週は強い売りシグナル0.7219が点灯している。(買いターゲット0.6800〜0.6850) 過去の売買シグナル⇒0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.7022売り継続→0.7140売り→0.7197売り→0.7114売り継続
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅64.50⇒64.75円』
ユーロスイスは安定的に推移しており、先週の様子見1.6568に続き、今週も1.6544では様子見が続いている。(様子見)1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6655売り→1.6796売り→1.6476買いclose→1.6370様子見→1.6568様子見
ポンドスイス『平均乖離140円 現状乖離幅130.50⇒127.80円』
先々週の強い買いシグナル2.2744から上昇を見せており、先週は2.3289まで上昇を見せたが、今週は再び2.30割れの状況であり、再び買いシグナル2.2916が点灯している。
(売りターゲット2.3950〜2.4000) 2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.4126売りclose→2.3890買い→2.4096売りclose→2.3463買い→2.2961買い→2.2744買い→2.3289買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています。常に少なめからの始動を心掛けてください。尚、最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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