背伸びしないトレードを! 105〜115円?
予想が外れるたびに批判を浴びている評論家が多いようですが、今の為替相場は馬券の3連単を当てるより難しい。確実に円安派の時代が去り、円高派が陽の目見ていますが、1週間ぐらいで110台に復帰すると円高派はソワソワ、円安派はガンガン行って欲しいと神頼み状態ですね。
為替のプロも初級者も心理的には変わりがありません。115円越えは至難の業でしょうが、105円割れも簡単ではないでしょう。
振り返れば、サブプライム問題が発生するまではドル円130〜135円説が市場を横臥していましたが、今ではドル円80円説と円高派の鼻息は荒いようですが、実際には今でも売りきれていないのが現実かもしれません。
ちなみに、先週は久々にジャパンカップの3連単当てましたが、勝率は5%にも満たないですね。 今は為替を娯楽として捉えて、小額で背伸びしないトレードをしましょう。
▲コーンFRB副議長の発言が12月11日に行なわれるFOMCの金利の引き下げを後押しする結果となり、NYダウが今年2番目の上げ幅となる331ドル高となり、過去2日間で546ドルの上昇をみせており、再び株高円安の構図が鮮明になっている。
昨日の米経済指標を時系列的に見ると、10月耐久財受注は予想を下回り、中古住宅販売件数は統計開始以来の500万件割れをまで落込み、米経済の減速感が強調されたが、市場はある程度の悪化材料を見込んでいたため、市場の反応は限定的であり、当初からマーケットの関心は米地区連銀経済報告ベージュブックに注目していた矢先だけに、FRBのキーパソンとも言われるコーンFRB副議長の金融緩和を示唆する発言が、NY株価の急騰を演じたと言えるだろうが、順序が変わっていれば、違う結果になったとも言える。それほど、サブプライム問題に対する懐疑心がマーケットを支配しており、常に過剰反応するマーケットになっているのが現状であろう。
▲数字上では米経済後退懸念が増しており、その中でNYダウの大幅続伸をしている異様な光景とも言えるが、原油価格や金価格の続落にあるように、政府系ファンドを主体にした世界マネーの流動性が日々変化を見せており、通常のヘッジファンドの規模を上回る投資マネーが回遊することが予想され、株や債券、そして、為替市場を一変させる可能性は否定出来ない。
昨日は円安が進み、円キャリートレード再燃とも論じられているが、ドル円110円台に乗せたことにより、実需売りが生じており、同時にドル安懸念は払拭されておらず、上値の重い展開にならざるを得ないだろう。株高による円安基調が確実に鈍化傾向にあり、同時に円キャリートレード自体にも過熱感は見られず、ドル円110円台からのショートであればリスクは限定的と判断するが、ストップロスが飛び交う状況であり、ドル円110円台半ばの売りを勧める。
▲他に注目すべきは、昨日は米短期債から長期債まで利回りが回復しているが、円キャリ−トレードの目安として、米2年債が3%を割る状況では円高圧力がかかり、3%以上を維持していれば、円安圧力が生じやすい市場である。また現状では、株式市場に左右される相場展開であるが、原油価格が90ドル割れ寸前まで続落しており、価格動向にも注視して臨むことが賢明であるが、いずれにしても、為替変動要因がこれだけ多岐に渡っているため、ポジションの拡大は禁物である。