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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株高・円高を探る展開になるか?米ドルの戻り売りが正解?

サブプライム問題の収拾がつかないままに、ドル円が107円台を記録し、ユーロドルは大きな節目である1.500にも迫る状況である。 さすがに、先週は薄商いの中で高値警戒感が生じており、利益確定売りに押された恰好で終了しているが、 奇しくも米国ではクリスマス商戦に突入しており、米国の実体経済を測る意味合いでも、今週の各米経済指標に関心が寄せられているが、材料が多岐に渡っており、相場の難易度は相変わらず高い状態である。
米国内では歳末商戦を迎えて、消費者意欲は衰退気味であるにもかかわらず、年間の売上高25%に匹敵するクリスマス商戦に注目せざるを得ない状況であるが、逆に原油高を尻目に消費意欲が高まると言う見解も少なくはない。
▲いずれにしても、世界同時株安の兆候を見せており、相場展開が株価主導ともなれば、円買い圧力が増すが、相対的なレベルとしては、ドル円105円が視野に入っており、マーケットはリスク回避によるポジション調整色が強い相場展開であるが、戦略的には米ドルの戻り売り相場を基準にして臨む事が賢明である。
▲先週は米2年債が3%割れ、10年債も4%前後を推移しているように、日米金利格差縮小も含めて、他の主要通貨との単純利回 りとの比較でも、米金利は後塵を拝しているため、常に米ドル離れが加速する事態であるといっても過言ではないだろう。 マーケットはすでに12月のFOMCの0.25%利下げを折り込んではいるが、短期金利でもユーロドルとの金利差がなくなることは米ドル売りを加速させる要因にもなる。 同時に湾岸諸国では米ドル安が加速したことで、ドルペッグ制に問題が投じられており、一部、中東筋では米ドル離脱の動きがある ように、米ドル売りが加速する材料には事を欠かない情勢である。 バーンナンキFRB議長の手腕が問われている状況である。
反面、ユーロ諸国や外貨保有国としては、米ドル安が資産目減りにつながるため、米ドル安を放置できない裏事情が表面化しており、 消費大国アメリカの自律反発を促したい状況である。
▲一方、ユーロ圏でも先週はドイツ経済ZEW指数が大幅に悪化しており、11月独IFO景況指数の悪化予想にも繫がっており、ユーロ経済を不安視する向きは少なくない。 今週も波乱含みの展開は避けられそうになく、ワイドレンジのイメージで臨む事が求められる。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年11月25日(日)週末の終値ベース
チャート上では円高の流れが生じており、クロス円全体に落ち着きが見られない。明らかに円キャリートレード解消の動きがであり、クロス円の戻り売りが大勢を占めている。 既に有資源国通貨のカナダドル及びオセアニア通貨の軟調が示しているように、段階的な円高の流れがあるが、反面、ユーロドルが上昇を早めており、1.50の大きな節目を意識させる展開であるが、米ドルの自律反発が何時起きても不思議ではない。 先週と同様に短期チャート(日足)でレンドを見るよりも、中期的な週足チャートで検証することを勧める。 大局的なトレンドを中心にした戦略が必要であり、近視眼的な相場観では乗り切れない。 いずれにしても、クロス円が乱高下する難しい局面であるが、オセアニア通貨の裁定取引が18円台から12円台まで急速に歪みを矯正しているように、相関性の強い通貨ペアに取り組むことも必要である。今週もポンドスイスの乖離幅が拡大しており、現段階からのナンピン買いに妙味が生じている。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVS ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0675→0.0523
(1÷ユーロドル1.4829=0.6744)−(100÷ユーロ円160.75=0.6221)=0.0523⇒ドル円108.40円買い。110円割れの状況から、強い買いシグナルが点灯しているが、107円台をつけたことにより、下値懸念が生じているが、先週の買いシグナル111.00円に引き続き、108.40円の買いシグナルが点灯している。 (売りターゲット115.00〜116.00) 過去の売買シグナル⇒116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い→114.90買い継続→110.70買い→111.00買い
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅51.80→52.35円
先週の売りシグナル1.4667から、1.49台まで上昇としているが、依然として、強い売りシグナル1.4829が点灯している。(買いターゲット1.3650〜1.3700) 1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.3875売り弱め→1.4088売り→1.4262売り→1.4299売り継続→1.4392損切り買いclose→1.4508売り→1.4675売り→1.4667売り継続
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅11.85→13.30円
0.92台の売りシグナルから急速に足を速めており、先週の売りシグナル0.8932に引き続き、今週も売りシグナル0.8773が点灯している。(買いターゲット0.8250〜0.8350)0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8661売り→0.8872売り→0.9043売り(損失確定買い)→0.9178売り→0.9234売り→0.9110売り継続→0.8932売り。
NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.95⇒26.20円
0.77台からの売りシグナルから下値を探る展開であるが、先週の売りシグナル0.7572に引き続き、今週も強めの売りシグナル0.7583が点灯している。 (買いターゲット0.7050〜0.7100) 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7972売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7764売り→0.7664売り継続→0.7654売り継続→0.7638売り継続→0.7572売り継続
カナダドル(ドル円−カナダ円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅 −3.15⇒−1.15円
先々週の強い買いシグナル0.9441から、先週は買いシグナル0.9724が点灯したが、今週も引き続き買いシグナル0.9895が点灯している。 (売りターゲット1.0400〜1.0500)  1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0308買い→0.9811買い→0.9663売り(損切り)→0.9621様子見→0.9341買い→0.9441買い→0.9724買い継続
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅117.00⇒114.95円
2.08台からの強い売りシグナルから、先週は2.0541の売りシグナルが点灯したが、今週は戻り基調ではあるが、売りシグナル2.0604が点灯している。2.03台では買い戻しを検討。(買いターゲット2.000〜2.0050) 1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0525売り→2.0888売り→2.0889売り継続→2.0541売り継続
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅11.70→10.20円
スイスフランが急上昇を続けているが、高値警戒と損切りが迫っている。先週の買いシグナル1.1178から、今週も更に強い買いシグナル1.1039が点灯している。(売りターゲット1.2050〜1.2150) 1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1723買い→1.1849買い継続→1.1536買い→1.1227買い→1.1178買い継続
オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅15.10→12.90円)
11月04日の最大乖離幅18.15円から、急速に乖離幅が縮小しており、先週15.10円から、一時は12円台半ばではポジション解消となり、今週は弱いシグナル112.90円が点灯している。(11.50〜12.00円)(過去5年間の最大乖離幅17.15円)過去の乖離幅推移5.40→13.90→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.00→10.95→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.15→14.85→16.00→15.05→16.35→17.30→15.05→18.15→16.30→15.10円
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は平均281円、11月第1週は281.60円、第2週は273.15円、第3週は272.80、そして、今週は108.40+160.75=269.15円と円高圏に突入しており、円キャリートレードが視野に入る。
欧州3大通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅68.90⇒65.20円』
ポンド売りが進んではいるが、相場のゆがみが生じており、先週の強い売りシグナル0.7140に引き続き、今週も強い売りシグナル0.7197が点灯している(買いターゲット0.6800〜0.6850) 過去の売買シグナル⇒0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.7022売り継続→0.7140売り
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅63.50⇒62.55円』
先週から様子見に突入しており、今週も引き続き1.6370で様子見が続いている。(様子見)1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6655売り→1.6796売り→1.6752売り継続→1.6736売り継続→1.6476買いclose→1.6370様子見
ポンドスイス『平均乖離140円 現状乖離幅128.70⇒125.15円』
先週の買いシグナル2.2961から、今週はかなり強めの買いシグナル2.2744が点灯している。ナンピン買い可能なレベル。(売りターゲット2.3950〜2.4000)  2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.4126売りclose→2.3926買い→2.3890買い→2.4096売りclose→2.3463買い→2.2961買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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