市場のテーマはドル売り→円キャリー解消→原油価格次第へ?
今週は主な経済指標もなく、日米の感謝祭が重なる為、比較的閑散な市場が予測されるが、最近では市場が手薄になるたびに、投機筋の思惑が働き、乱高下するケースが頻繁に起こる為、予断を許せない状況に変わりがない。
▲今週もサブプライム問題を背景にして、株式主導の為替相場になるであろうが、同時に原油価格の動向が米ドルの今後を左右するだけに相場の難易度は更に高まっている状況と言える。
先にバーナナンキFRB議長がサブプライム問題に関わる損失額を1,000億ドルから1,500億ドルへ上方修正したが、既に某民間のシンクタンク、および金融関係者からは3000億ドルから5,000億ドルまで幅広い損失額の可能性を報じているように、サブプライム問題の実体が掴めていないのが現状である。 当面はサブプライム問題の進捗状況を確認する意味でも、20日の10月米住宅着工件数、そして、10月米建設許可件数に注目せざるを得ないが、単月の米経済指標では予測不能の状態であり、米ドルの戻り売りが市場のコンセンサスを重視し、ドル円112円前後を上限として、米ドルショートで相場に取り組むことが賢明であろう。
OPEC首脳会議でも増産計画が言及されておらず、原油価格の高止まりが予想され、米国のインフレ懸念が強まり、FOMCの利下げ観測が遠退いたことにより、米ドルの調整買いが散見されているが、依然として、ボラティリティ−の高い相場展開であり、幅広いレンジ相場で臨む事がベストであろう。
▲一方、サブプライム問題を抱えるヘッジファンド、そして、彼らを傘下に置く、大手金融機関の資金繰りが懸念されることが浮上している。日米欧の潤沢な資金供給が続けられているが、資金調達難が生じている模様であり、すでに年末越しの資金取引では金利上昇傾向がはっきり見られる。相対的には短期債及び長期債の利回り低下傾向が示しているように、リスク回避の動きが優先されており、実質的な米ドルの資金調達が急がされている状況と言える。国内金融市場においても、スワップ市場に注目が集まっており、年末越しのスワップスプレッドが拡大傾向にあるように、年末越えの金利上昇が信用収縮不安を煽っている状況とも言えるだろう。
先週は米金融機関の相次ぐ損失計上で短期的にはあく抜けが生じた印象もあるが、ドルの上値に対する上値の重さは否定出来ないのが現状である。繰り返しになるが、米ドルの戻り売りを基調として臨むことを勧める。
シカゴ先物市場の円とスイスフランの建て玉がロングに転じており、リスク回避の動きが見て取られる。更に低金利通貨のロングを積みあげる難しさに直面してはいるが、単純にリスク回避と見るのが正解であり、それだけ相場観が乏しい状況であることに変わりがない。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年11月18日(日)週末の終値ベース
チャート上では米ドルの売られすぎが見られるが、ポンドを筆頭に高金利通貨及び有資源国通貨の周辺では米ドルの反発が見られている。状況的にはドル円及びユーロドルを除けば、ポジション解消の動きが生じており、未だに乖離幅が高レベルで推移しており、米ドルの反転に警戒を要する。 サブプライム問題の発生から、短期チャートで検証するよりは、中期的なチャートで検証することを勧めるが、円キャリートレード解消の動きがあり、クロス円主導の相場展開であるため、通常より乖離幅が拡大した見方が要求される。今週の注目点としては、相関性の高い欧州3大通貨の足並みが崩れており、特にポンドスイスの動きには注目を要する。ポンドスイスのロングに妙味が生じている。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVS ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0639→0.0675
(1÷ユーロドル1.4667=0.6818)−(100÷ユーロ円162.80=0.6143)=0.0675⇒ドル円111.00円買い。110円割れの状況では、強い買いシグナルが点灯している。今週も先週の買いシグナル110.70円に引き続き、111.00円の買いシグナルが点灯している。 (売りターゲット115.00〜116.00) 過去の売買シグナル⇒116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い→114.90買い→110.70買い
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅51.75⇒51.80円
乖離幅には変化が見られず、先週の売りシグナル1.4675に引き続き、今週も1.4667の売りシグナルが点灯している。流れ的には1.47からの売りに妙味が生じている。(買いターゲット1.3500〜1.3550)過去の売買シグナル⇒1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.3875売り弱め→1.4088売り→1.4262売り→1.4299売り→1.4392損切り買いclose→1.4508売り→1.4675売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅9.85→11.85円
先々週の強い売りシグナル0.9234から、断続的に売られており、先週の売りシグナル0.9110に続いて、今週も売りシグナル0.8932が点灯している。(買いターゲット0.8.350〜0.8400)過去の売買シグナル⇒0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8661売り→0.8872売り→0.9043売り(損失確定買い)→0.9178売り→0.9234売り→0.9110売り継続
▲NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.1⇒26.95円
先週の売りシグナル0.7638に引き続き、今週も強めの売りシグナル0.7572が点灯している。 (買いターゲット0.7050〜0.7100)過去の売買シグナル⇒ 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7972売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7434売り→0.7764売り→0.7664売り継続→0.7654売り継続→0.7638売り継続
▲カナダドル(ドル円−カナダ円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅−6.55⇒−3.15円
カナダドルの急落が生じており、先々週の強い買いシグナル0.9341から、先週の買いシグナル0.9441から、今週も引き続き買いシグナル0.9724が点灯している。 (売りターゲット1.0400〜1.0500) 過去の売買シグナル⇒1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0308買い→0.9811買い→0.9663売り(損切り)→0.9621様子見→0.9341買い→0.9441買い
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅120.65⇒117.00円
2.08台からの強い売りシグナルと共に急落を見せており、強い売りシグナル2.0889の強い売りシグナルから、今週も2.0541の売りシグナルが点灯している。2.03台では一部買い
戻しを検討(買いターゲット2.000〜2.0050)過去の売買シグナル⇒1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0470売り→2.0525売り→2.0888売り→2.0889売り
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅12.10→11.70円
リスク回避の動きから、スイスフランの上昇ペースが速すぎる状況である。先週の強い買いシグナル1.1227から、今週は更に強い買いシグナル1.1178が点灯している。(売りターゲット1.2050〜1.2150) 過去の売買シグナル⇒1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1723買い→1.1849買い継続→1.1536買い→1.1227買い
▲オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅16.30→15.10円)
先週は過去5年間の乖離幅を更新し、先々週は18.15円まで乖離幅が拡大していたが、先週は16.30まで縮小、今週も15.10円まで縮小しており、引き続き縮小待ちの状況(過去5年間の最大乖離幅17.15円)過去の週間の乖離幅⇒15.40→13.90→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.00→10.95→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.15→14.85→16.00→15.05→16.35円→17.30→15.05→18.15→16.30
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は平均281円、11月第1週は281.60円、第2週は273.15円、そして今週は111.00+162.80=272.80円と円高圏に突入。270円割れが円売りの目安。
● 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅68.90⇒65.20円』
ポンドの軟調が示しているように、通常より買い優先相場であるが、先週の売りシグナル0.70220から更に強い売りシグナル0.7140が点灯している。(買いターゲット0.6800〜0.6850) 過去の売買シグナル⇒0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.7012売り→0.7022売り継続→0.71490売り
▲ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅63.85⇒63.50円』
先週はポジション解消1.6476買いが発生し、様子見に突入したが、今週も引き続き1.6395で様子見状態である。(様子見)過去の売買シグナルは以下の通り。1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6655売り→1.6796売り→1.6752売り継続→1.6736売り継続
▲ポンドスイス『平均乖離140円 現状乖離幅132.75⇒128.70円』
先々週の利益確定売り2.4096からポンドの軟調が続いており、先週の買いシグナル2.3463に引き続き、かなり強い買いシグナル2.2961が点灯している。(売りターゲット2.3950〜2.4000) 過去の売買シグナル⇒2.3435買い→2.4357売りclose→2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.4126売りclose→2.3926買い→2.3890買い→2.4096売りclose→2.3463買い
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★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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