本格的な円高は周期的には来年1月相場へ?
最近のマーケットの傾向が円安と米ドルとのハーモニー状態であれば、円安派には問題はないのであろうが、どうも周期的に円高の波が押し寄せている。相対的には円安のピーク時よりも円高に進行しているが、米ドルの買い材料が余りにも乏しく、原油価格との追いかけごっこでは米国の意地を見せ所が見えてこない。
それとも戦略的な思惑あるのかも?
四通貨の比較チャートでは周期的には来年1月に本格的な円高の可能性もあるが? どうなることやら!
▲昨日の中国外貨準備高に端を発した米ドル全面安から、終盤では円キャリートレード巻き戻しの動きも反映していたが、GMの最終赤字や金融セクター株の落ち込みにより、NYダウが360ドルの大幅な急反落を見せている。日経平均株価の大幅安が確実視されているため、早朝のシドニー市場からチャート上では窓を開けてスタートしているように、投機筋の円キャリー解消の動きがさらに拡大している模様。株安と円高の連動性から、円高基調が強まる相場展開である。
クロス円の1円〜2円の値動きは日常茶飯事であるが、こう着度が高いドル円相場が114円台後半から2円以上の円高をもたらし、ユーロ円では3.50円、ポンド4円、オージ円4円、カナダ円に至っては6円程度の下げを演じているが、値動きとしては下げ余地を残している段階である。リスク回避優先の米ドル売りと円キャリー解消の動きが交錯しているマーケットであり、現状では円キャリー解消の動きが勝っているため、米ドルは弱冠ながらも、ユーロ及び他の通貨に対して持ち直している状況であるが、ドル安基調は変わらず、下値堅調と判断して、ユーロドル1.46割れからの買いを勧める。
▲先の8月16,17日サブプライムショック時にはドル円の下値111.57円から114円台に急反発したように、円キャリー解消と再燃の動きが混在することが考えられ、今後の投信ファンドの動向に注視しなければならないが、ドル円111円台半ばからのロングであれば、リスクは限定的と判断し、112円割れからの少な目買いを勧める。 売りは113円前後からは損失確定売りが散見され、同レベルからの売りを勧めるが、円キャリー再燃を警戒して113円台前半のストップロス置いて臨むことを勧める。
欧州時間にはBOE政策金利発表とECB政策金利発表もあり、据え置きが確実視されてはいるが、ユーロ圏では利上げ視野に入れた声明文との見方が強いが、昨日の欧米株式の続落と直近のユーロドル高によるインフレ抑制力を配慮すれば、タカ派的な見解はトーンダウウンする見方も浮上している。1.46割れの買いと1.47台の売りで臨む事が賢明であろう。