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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

強い米ドルが急務?

先週はシティグループやメリルリンチなど米大手金融機関の損失が表面化しており、サブプライム問題が佳境に差し掛かっている印象が強い。市場はサブプライム問題が噴出している関係上、米ドル売りが市場のセンチメントになっているが、未だに氷山の一角との声も聞かれる中で、原油価格の史上最高値更新が続いており、依然として、株式市場と商品市況を横目にした米ドルショート主体の相場展開である。 いずれにしても、原油価格の異常な高騰をバックにして、常に相場が一変する可能性を帯びている事は間違いなく、今週もリスキーな展開にはポジションの縮小がテーマになるだろう。
▲先月31日のFOMC後にドル円はレンジ内の攻防が続いているが、ユーロドルが1.45台に乗せており、米ドルの軟調地合が顕著に見られる状態である。FOMC声明文では景気リスクとインフレリスクのバランスを強調しており、利下げに関しても反対票が1票あり、米雇用統計には改善傾向が見られ、次回の利下げに向けては賛否両論があり、微妙な段階と言わざるを得ないだろう。とりあえず、今週は8日に開かれる上下両院経済合同委員会において、バーナンキFRB議長がFOMC利下げ後の議会証言なだけに、今後の利下げ機会を巡った金融政策に注目が集まる。そして、同日にはBOE政策金利発表と欧州中銀金融政策が発表されるが、世界的な信用収縮による資金供給の流れは続いており、金利据え置きが見込まれるが、原油高によるインフレが懸念される中で、自国通貨高によって、インフレを抑制する体質が問題視されており、ユーロ圏諸国でも温度差があるため、今後の利上げ機会を探るにしても、厳しい選択視が待ち構えている。今週は経済指標も全般的に小粒であり、週末の9月米貿易収支や11月米ミシガン大消費者信頼感指数にも注視しなければならないが、総じて、FRB議長とECB総裁の胸中を探る週とも言えるだろう。
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年11月04日(日)週末の終値ベース
8月の米サブプライム問題が発生してからは、米ドルが急速に売られており、サブプライム関連の収束が今後のチャートポイントになる可能性が高い。チャート上では、依然として米ドルの売られすぎが見られるが、早目の損切りシナリオを行使し、次ぎの展開に備えることが要求される。米ドルの弱さが想定以上に加速しており、マーケットバランスを歪めているため、日足と週足の両チャートを比較して臨むことを勧める。 今回は臨時的にカナダドル、ポンド、そしてオセアニア裁定取引の週足チャートも付加してありますので、ご参照してください。尚、比較的、安全な通貨ペアであ
る欧州3大通貨同士とオセアニア通貨の乖離幅に注目したい。
US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0869→0.0894
(1÷ユーロドル1.4508=0.6893)−(100÷ユーロ円166.70=0.5999)=0.0894⇒ドル円114.90買い。
114円台からは一貫として買いシグナルが続いており、下値の堅調さを窺わせる。レンジ幅としては114円前後のロングと116円台からのショートが現段階の目安である。先週の買いシグナル114.30に引き続き、今週も買いシグナル144.90円点灯している。 (売りターゲット116.20〜117.00) 過去の売買シグナルは以下の通り。116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→115.35円買い継続→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い→114.30買い継続
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅50.20⇒51.80円
1.40台からの急上昇が続いており、先週は損切りレベルである1.44前後まで達しており、見直しの時期にもなっているが、長めの週足チャートからでも明らかに高値警戒レベルに位置している。今週も強い売りシグナル1.4508が点灯している。(買いターゲット1.3450〜1.3550)1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.3875売り→1.4088売り弱め→1.4262売り→1.4140売り継続→1.4175売り継続→1.4299売り→1.4392損切りレベル。
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅9.40→8.80円
先週も強い売りシグナル0.9178が点灯していたが、今週も引き続き強い売りシグナル0.9234が点灯している。(買いターゲット0.8.250〜0.8350)0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8268売り→0.8661売り→0.8872売り→0.9043売り(損失確定買い)→0.8904売り継続→0.9178売り
NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.70⇒26.95円
先週の売りシグナル0.7664からは変化が見られず、今週も引き続き売りシグナル0.7654が点灯している。
(買いターゲット0.7050〜0.7100) 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7972売り→0.7462売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7434売り→0.7579売り継続→0.7764売り→0.7477売り継続→0.7664売り継続
カナダドル(ドル円−カナダ円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅−4.50⇒−8.10円
先週は一時損切りレベルに達しており、改めて、買いを模索する段階であり、今週は買いシグナル0.9341が点灯している。 (売りターゲット1.0400〜1.0500)過去の売買シグナルは下記の通り。1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0553買い継続→1.0308買い→1.0009買い→0.9811買い→0.9723買い→0.9663売り(損切り)→0.9621買い(様子見)
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅120.40⇒120.30円
2.04台からの売りシグナルが継続しており、先週の強い売りシグナル2.0511に引き続き、今週も強い売りシグナル2.0525が点灯している。(買いターゲット1.9800〜1.9900)1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0282売り弱め→2.0470売り→2.0423売り継続→2.0361売り継続→2.0511売り
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅16.10→15.30円
1.16台から1.18台までの上下動を繰返していたが、今週は1.15台に突入しており、強い買いシグナル1.1536が点灯している。 (売りターゲット1.2050〜1.2150)1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1723買い→1.1642買い→1.1849買い継続→1.1665買い継続→1.1640買い継続
オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅17.30→18.15円)
先々週は過去5年間の乖離幅17.15円を更新して17.30円まで見せたが、先週は15.05まで乖離幅が縮小したが、今週は18.15円まで急拡大を見せているが、金利格差も含めて、20円までのシナリオを前提に豪ドル売り/NZドル買い)のチャンスが到来している。(ターゲット10.50〜11.50円)(過去5年間の最大乖離幅17.15円)過去の週間の乖離幅は以下の通り。15.40→13.90→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.00→10.95→11.65→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.90→14.15→14.85→16.00→15.05→16.35円→17.30→15.05
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZD売りの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は282.20、284.30、278.35、278.80=平均281円、そして今週は114.90+166.70=281.60と円高レベルに接近中。
● 欧州3大通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅70.10⇒73.30円』
先週の強い売りシグナル0.7012から、今週は下落を見せてはいるが、依然として、強い売りシグナル0.6964が点灯している。(買いターゲット0.6750〜0.6850)0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.6975売り→0.6962売り継続→0.6971売り継続→0.7012売り
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅66.30⇒67.10円』
1.67前後での攻防が続いており、先週の売りシグナル1.6752から、今週も引き続き売りシグナル1.6736が点灯している。
(買いターゲット1.6500)1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6655売り→1.6796売り→1.6680売り継続→1.6752売り継続
ポンドスイス『平均乖離140円 現状乖離幅136.40⇒140.40円』
先週半ばでは2.41台で利益確定売りが点灯していたが、今週はポジション解消売りシグナル2.4096が点灯しており、様子見段階になっている。 (様子見) 2.3435買い→2.4357売りclose→2.4463買いclose→2.4688売りclose→2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.3929買い→2.4126売りclose→2.3926買い→2.3890買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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