FOMCまでは米ドル売り一色へ!
先週はG7後の相場展開に注目されたが、当初話題になったユーロ高、ドル安、そして、円安の修正局面がチャート上では瞬間的には窓を開けた形でスタートしたが、週末にはユーロドルが史上最高値1.44台を試す相場展開となり、逆にドル安とクロス円高に弾みがついた状況である。
今週もFOMCの利下げ観測を中心として目が離せない状況が続くと思われるが、米利下げ観測に関して、市場コンセンサスは0.25%の利下げであるが、同時に金利据え置きのみならず、 0.5%の利下げの可能性があるため、市場の混迷度が更に増している状況である。
根底にはサブプライム問題のテーマから一向に抜け出せない相場展開にあるが、その上に、先週の第三四半期の決算内容が米大手証券並びに銀行系グループの決算が悪化傾向を辿っており、完全に膿を出し切れない状況であり、次回の第4四半期決算においても悪化予想が先行している状況である。
▲相場観況からFOMCにおいては米利下げ観測が強まることは必然であり、0.5%までの利下げ観測が飛び交うようでは、米ドルショートが絶対条件の相場展開になっている。 しかしながら、米金利の下げが、株式市場に好結果をもたらし、株高による米ドル高と円安も一考すべきであり、利下げが一方的な米ドル売りにはならない状況を作り出しており、不可解なマーケットに対応するにはポジションの縮小を優先すべきであろう。
▲G7から一週間が経過したが、今週も株式相場主導の相場展開が予想されるが、原油価格が92ドル台に乗せ、金価格も上昇が急であり、その上イラク問題が重なり、当面は米ドル離れが余儀なくされている状態であり、市場環境は様変わりしている状況を認識すべきであろう。米ドル買い材料は全くない状況といえるが、利下げも含めて、これだけ盛り沢山の米ドル売り材料が蓄積すると、思いがけない展開が生じる可能性も高くなるため、適宜な米ドル買いを入れて、ポジションの見直しを図る段階でもある。
このような不安定な相場では、思惑的な投機筋の動向が左右するケースが多く、ヘッジファンドの動向とともに、先週のG7でも話題になった政府系ファンド(ソブリン系)が米ドル売り中心の動きであったことも考慮しなければならないが、G7によって、即座に沈静化するとは思えないが、とりあえずは、混乱を極めつつある原油価格や株式及び商品相場の動向を見ながらの戦略性が求められる。
▲円キャリートレードの有無を論じる事は容易であるが、実体をつかみきれない状態であり、1〜2円の円安や円高で円キャリーの差再燃及び解消と見るのではなく、ドル円相場を規準にした物差しが必要であり、ドル円112円台の円高と117円の円安を一つに規準にして臨むことも一考であろう。
日銀金融政策決定会合も控えているが、今回ばかりは影が薄い存在である事は否めない状況であるが、先週の米大手金融機関に続き、今週は欧州大手金融機関の決算発表が控えており、サブプライム問題の余波を考慮して臨むことを勧める。ちなみに30日にはスイスのUBS、31日には注目のドイツ銀行、そして、11月1日には吸収合併されるオランダのABNアムロとクレディ・スイスの決算発表があり、欧州通貨の上昇を阻む可能性は否定できないだろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年10月28日(日)週末の終値ベース
8月のサブプライム問題が発生してから、米ドル売りの流れが続いており、通常よりも乖離幅が極端に拡大している通貨が散見される。特に原油高による影響を受けて、カナダドル及び豪ドルが底堅く、そして、リスク回避通貨として、ユーロドルの先走り感が強い相場展開である。反面、米ドルショートが拡大と共に、要警戒ゾーンに突入しており、過度な米ドル売りを自重する局面である。
日足チャート上では米ドルの売られ過ぎは顕著であるが、同時に長めの週足チャートに目を移せば、米ドルの売り余地が残り少なく、もう一段の米ドル売りが加速するよう展開であれば、最終段階の損切りを考慮すべきであるが、ポジションを軽くし、再度米ドル売りのスタンスを構築することも一考であり、相対的には米ドル売りを敢行する事は控えたい水準に達している。今週は相関関係が強い通貨に歪みが生じており、オセアニア通貨、そして、欧州通貨同士の組み合わせに注視して臨むことを勧める。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0888→0.0869
(1÷ユーロドル1.4392=0.6948)−(100÷ユーロ円164.50=0.6079)=0.0869⇒ドル円114.30買い。
先々週の売りシグナル117.60でポジション解消となり、先週は買いシグナル114.55が点灯したが、ユーロドルが1.44台を窺うレベルであるが、今週も先週レベルで推移しており、通常の買いシグナル114.30が点灯している。(売りターゲット117.50〜118.50) 過去の売買シグナルは以下の通り。116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→115.35円買い継続→114.85買い→116.90買い→117.60売りclose→114.55買い
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅49.25⇒50.20円
先々週の売りシグナル1.4175から、急テンポに上昇を見せており、先週の売りシグナル1.4299から今週もかなり強い売りシグナル1.4392が点灯している。(買いターゲット1.3450〜1.3550)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅12.55→9.40円
先週は0.90割れを見せていたが、一気に0.91台に突入しており、かなり警戒すべきレベルまで達している。今週も強い売りシグナル0.9178が点灯している。(買いターゲット0.8.250〜0.8350)▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅32円 現状乖離幅28.90⇒26.70円
先々週の強い売りシグナル0.7764から、先週は0.7477まで急落したが、今週は再び強い売りシグナル0.7664が点灯している。
(買いターゲット0.7050〜0.7100)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅10円 現状乖離幅−4.00⇒−4.50円
有資源国通貨の本領を発揮しており、損切り局面に達しており、再スタートの買いを検討。いずれにしても、最高レベルの買いシグナル0.9621が点灯している。 (売りターゲット1.0500〜1.0600)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅120.40⇒120.30円
2.04台からの売りシグナルが継続しており、先週の売り四グ倣う2.0511に引き続き、今週も売りシグナル2.0525が点灯している。
(買いターゲット1.9800〜1.9900)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅16.35→16.10円
1.16台の強い買いシグナルから、先週の買いシグナル1.1849まで到達したが、再び今週は買いシグナル1.1665が点灯している。 (売りターゲット1.2080〜1.2180)
★オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅16.35→17.30円)
先週の乖離幅16.35から、一気に過去5年間の乖離幅17.15円の高値更新しており、リスク限定レベルまで到達している。現状レベルからの段階的な売買(豪ドル売り/NZドル買い)が可能なレベルである。(ターゲット10.00〜11.00円)(過去5年間の最大乖離幅17.15円)過去の週間の乖離幅は以下の通り。15.40→13.90→10.55→12.25→9.40→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.00→10.95→11.65→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.90→14.15→14.85→16.00→15.05→16.35円
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向へ。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。10月は282.20、284.30、278.35、そして今週は114.30+164.50=278.80と円高レベルに接近中。275円割れでは円売りを検討。
● 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅71.15⇒70.10円』
0.69台の強い売りシグナルが継続していたが、先週は売りシグナル0.6971から、今週は0.7台に投入しており、更に強い売りシグナル0.7012が点灯している。(買いターゲット0.6750〜0.6850)
▲ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅65.60⇒66.30円』
先週の売りシグナル1.6680から、今週も引き続き売りシグナル1.6752が点灯している。(買いターゲット1.6500)
▲ポンドスイス『平均乖離140円 現状乖離幅136.75⇒136.40円』
先週の買いシグナル2.3926から、週半ばでは2.41台の利益売りシグナルが点灯したが、今週は再び買いシグナル2.3890が点灯している。 (売りターゲット2.4100〜2.4200)
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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