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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル・円売り赤信号点滅中?

週初は日本を含み、米国とカナダの市場が休場である為、乱高下を繰返している市場にも一腹感が生じるが、先週末に発表された米雇用統計に対する波紋が今後の米ドルの読みを難解にさせている状況である。
▲今週は特に注目する経済指標はないが、先週までの乱高下相場を分析するには必要な期間である。 特に日米の今後の金利動向を見極めるためにはFOMC議事録(9月18分)と据え置きがほぼ決定的な日銀金融政策決定会合に注目は集まる。おそらく、想定範囲内の福井日銀総裁の発言では相場への影響は限定的であるが、一方、前回のFOMCによって0.5%の金利引下げを強いられたFFレートであるが、9月FOMC議事録によって今後の利下げ余地が残されているかを確認する市場とも言えるだろう。
市場における信用収縮リスクは依然として根強いが、サブプライム問題が表面的には沈静化の傾向を示しており、ある程度は市場に浸透しているため、市場参加者の反応が鈍くなっている状況である。しかしながら、再び米経済に対する不透明感が問われる時でもあり、先週末の米雇用統計発表において、前回のマイナス数値が大幅に上方修正されたことが米経済の不透明さを暗示している事は間違いないであろう。巷では再び米経済指標の信頼性が問われているが、米ドルが軟弱な時にはしばしば今回のようなケースが見られる傾向にある。相場の難易度を更に高める過程にあるが、米ドルの上値の重さを象徴している傾向には変わりがないだろう。
▲次回のG7では益々為替問題の安定が望まれるときでもあり、原油価格の高騰をはじめとして、有資源国通貨の優位性が顕著に見られる状態が続けば、相場は2極化の傾向を示すことになり、米ドルの威信にも繋がる相場展開とも言っても過言ではないかもしれない。いずれにしても、これ以上の米ドル離れを放置できない米国の対応が迫られている時でもあり、G7に向けての米国側の思惑が試される時を考えると、過度な米ドル安期待は出来ない状況ではある。ポジション縮小と見直しの時期が到来していると判断して、ポジション縮小を図ると共に、ストップロスの配置を重視する戦略性が求められる。

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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年10月07日(日)週末の終値ベース
米ドルの売られ過ぎが顕著に見られる傾向であるが、同時にドル円のこう着度が増しており、見方によれば、円安がキャリートレードの様相を呈している状況である。但し、円売り一辺倒の相場ではなく、米ドルの不安定さが円以外の通貨に集約されている相場展開である。
ドル円相場は117円台に上昇をしたことにより、本チャートでも目先の上値トライとしては118円前後を示唆しているが、他のクロス円通貨に対しても、円安兆候は否めないが、潜在的な米ドル安に起因しているマーケットである。 要は、依然として、米ドル安と円安の連動性が問われている状態であり、相対的には米ドル売りの最終ピリオドに突入しており、これからの米ドルショートには警戒を要することになる。通貨別ではユーロドル1.42台を抜けてきた時点では要警戒レベルに達している。先週と同様にオセアニア通貨の裁定取引、そして、相関関係が高い欧州通貨の組み合わせに妙味が生じている。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0907→0.1022
1÷ユーロドル1.4140=0.7072−100÷ユーロ円165.30=0.6050(0.7072−0.6050)=0.1022⇒ドル円16.90円。 直近では113円台からの強い買いシグナルから先週には117円台まで上昇を見せている。 先週の強い114,85円の買いシグナルから、今週は通常の買いシグナル116.90が点灯している。(売りターゲット117.50〜118.50) 過去の売買シグナルは以下の通り。116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→115.35円買い継続→114.85買い
ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅48.95⇒48.40円
先週は最終段階の売りシグナル1.4266が点灯していたが、週半ばでは1.4050前後まで急落を見せていたが、今週も引き続き強い売りシグナル1.4140が点灯している。 (買いターゲット1.3500〜1.3550)過去の売買シグナルは以下の通り。1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.3666売り→1.3875売り→1.4088売り→1.4262売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅12.95⇒11.95円
先週のかなり強い売りシグナル0.8872から、今週は損切りレベル0.900に接近中。0.900台から再始動も検討すべし、0.8978の売りシグナル点灯中。(買いターゲット0.8.180〜0.8250)
過去の売買シグナルは以下の通り。0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8268売り→0.8422売り→0.8661売り→0.8872売り
NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅27.80⇒27.95円
先週の強い売りシグナル0.7579から、引き続き今週も強い売りシグナル0.7609が点灯している。 (買いターゲット0.7000〜0.7100) 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→→0.7972売り→0.7462売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7130売り→0.7434売り→0.7579売り
カナダドル(ドル円−カナダ円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅−0.65⇒−2.25円
パリティ1.00割れが生じており、相場の転換期を迎えている。先週の強い買いシグナル0.9944に続き、今週も強い買いシグナル0.9811が点灯している。(売りターゲット1.0550〜1.0700)
過去の売買シグナルは下記の通り。1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0553買い継続→1.0308買い→1.0009買い→0.9944買い
ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅120.25⇒121.85円
先週の売りシグナル2.0470から続落を見せたが、今週も引き続き強めの売りシグナル2.0423が点灯している。(買いターゲット1.9800〜1.9900)1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0282売り→2.0109売り継続→2.0470売り
スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅16.20→17.65円
先週の強い買いシグナル1.1642から、今週は通常の買いシグナル1.1778が点灯している。(売りターゲット1.2080〜1.2100)1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1892買い弱め→1.1723買い→1.1642買い
オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅14.85→16.00円)
3週続いていた15円前後の乖離幅が安全圏レベルの16円台に突入、豪ドル売り/NZドル買いの再投資可能なレベルである。(ターゲット11〜11.50円)(過去5年間の最大乖離幅17.15円)15.40→13.90→10.55→12.25→9.40→11.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.00→10.95→11.65→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.90→14.15→14.85
(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円。今週は116.90+165.30=282.20と円安レベルへ再突入。円買いに妙味ある水準。
欧州3大通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅71.30⇒73.45円』
先週の強めの売りシグナル0.6967から、今週も引き続き強めの売りシグナル0.6923が点灯している。 (買いターゲット0.6750〜0.6850)0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.6975売り→0.6967売り継続
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅64.10⇒65.15円』
先週の弱めの売りシグナル1.6604から、若干上昇しているが、未だに弱めの売りシグナル1.6655が点灯している。 (買いターゲット1.6500)1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6415様子見→1.6515弱い売り→1.6604売り弱め
ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅37.80⇒40.25円』
先々週のかなり強めの買いシグナル2.3679から、先週は強めの買いシグナル2.3832が点灯していたが、今週は弱い買いシグナル2,3929が点灯している。(売りターゲット2.4100〜2.4200)2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.4357売りclose→2.4463買いclose→2.4688売りclose→2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.4054売り→2.3866買いclose→2.3679買い→2.3832買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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