米ドル売りは最終段階へ突入?
サブプライム問題による後遺症が米ドル安として顕著に現れている市場であるが、今週は経済指標が目白押しである。 週初の日銀短観は今後の利上げの可能性を見極める意味でも重要な指標であるが、他のイベントとの比較からでは日銀短観の影も薄いと言わざるを得ない。
市場の関心はサブプライム問題を巻き込んでいるBOEの政策金利の変化、そして、ECB理事会の利上げは据え置きが予想されているが、トリシェECB総裁の政策金利とユーロ高に対する姿勢に注目を寄せられている。
それ以上に注目されているのが週末の米雇用統計であり、前回4年ぶりの減少を見せた月非農業部門雇用者数の推移である事は間違いないが、事前予測では10万人前後の増加が見込まれているが、再び減少するようなことにでもなれば、完全に米経済後退・失速が訪れる恐れもある。
いずれにしても、今までの米ドル軟調地合を引きずりながら、米ドル売りの機を探る相場展開が予想されるが、反面、既に米ドルの売られ過ぎの兆しは否定できず、米ドルの反発も充分に考えられる状況であることから、予測不能の相場展開と解釈して、事が判明してからの始動に専念することが賢明であろう。
▲次回のG7ではサブプライム問題を含めて、為替問題も重要課題として取り上げられる可能性は強いが、今回ばかりは加速的な米ドル安に焦点が向けられている。 今までは米国にとっては中国人民元の切り上げがG7の共通課題であったが、米ドル安の進捗状況から判断しても、人民元に対しての牽制圧力が減退しているのが実状である。 同時にユーロ高に対する懸念が各国では生じており、ちょっとしたきっかけでも乱高下する相場展開には変わりがない。
世界経済にとっても米経済の浮き沈みには神経質になっており、米ドル離れが加速する状況を素直に歓迎できない面があるが、原油価格の高騰、そして金価格の上昇に見られるように米ドルや安が続く限りは、原油価格及び商品市況の高騰と共にインフレ懸念が台頭する事は避けられない。 過度な米ドル安が世界経済の悪循環になっている可能性は大であり、ドル円を除けば、米ドルの過小評価が問われる状況である。 いずれにしても、不安定な米経済と株式相場に左右される相場展開では乱高下が避けられず、特に今週は難易度が高く、控え目なトレードで対応するしかないであろう。
*********************************
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年9月30日(日)週末の終値ベース米ドル売りの流れが止まらない状況であるが、ユーロドル1.42台半を抜けてきた時点では要警戒レベルに達している。 本チャート上の日足チャートは明らかに米ドルの売られすぎが見られ、そして、週足の中期展望でも米ドルの売られ過ぎが鮮明になり出している。分散投資の面からも最終段階に突入しており、もう一段の米ドルの下落が生じれば、損切り局面を一考しなければならない。しかしながら、再トライ可能な乖離幅であり、ポジションの余裕次第では米ドルの反発を期待しても良い頃合である。リスク限定ならば、先週と同様にオセアニア通貨の裁定取引、そして、相関関係が高い欧州通貨の組み合わせを注視することが賢明であろう。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.0959→0.0944
1÷ユーロドル1.4262=0.7012−100÷ユーロ円163.80=0.6105(0.7012−0.6105)=0.0907⇒ドル円114.85円。 113円台からの強い買いシグナルから115円台後半まで上昇を見せたが、再び114円台へ突入。先週の115.35円の買いシグナルに続き今週も114.85円の買いシグナルが点灯している。(売りターゲット117.80〜118.80) 過去の売買シグナルは以下の通り。116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→113.50買い→115.35円買い→15.35円買い継続
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円 現状乖離幅44.70⇒47.15円
ユーロドル1.36台から、かなりな急テンポで1.40台まで上昇しており、先週の強い売りシグナル1.4088から、今週は最終段階の売りシグナル1.4266が点灯している。1.43台では損切り局面を考慮。 (買いターゲット1.3500〜1.3550)過去の売買シグナルは以下の通り。1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3476買いclose→1.3666売り→1.3771売り→1.3875売り→1.4088売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅15.45⇒12.95円
ユーロドルと同様に0.82台からの急上昇中であり、先週の強い売りシグナル0.8661から、今週は最終局面の売りシグナル0.8872が点灯している。(買いターゲット0.8.150〜0.8250)
0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.7967買いclose→0.8268売り→0.8422売り→0.8661売り
▲NZドル(ドル円−NZ円) 平均乖離幅32円 現状乖離幅29.60⇒27.80円
先週の強めの売りシグナル0.7434から、引き続き今週も強い売りシグナル0.75779が点灯している。 (買いターゲット0.7000〜0.7100) 0.7473売り→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→→0.7972売り→0.7462売り→0.6948買いclose→0.7215売り→0.7016買い close→0.7130売り→0.7434売り
▲カナダドル(ドル円−カナダ円) 平均乖離幅10円 現状乖離幅0.10⇒−0.65円
依然として強い買いシグナルが点灯している。先週はパリティ1.00割れが生じて、今週は0.9944からの買いシグナルが点灯している。(売りターゲット1.0600〜1.0700)
1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0553買い継続→1.0308買い→1.0009買い
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅115円 現状乖離幅117.65⇒120.25円
先週の売りシグナル2.0109から、今週は強めの売りシグナル2.0470が点灯している。
(買いターゲット1.9700〜1.9800)1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→1.9816買いclose→2.0282売り→2.0069売り継続→2.0109売り継続
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅22円 現状乖離幅16.95→16.20円
先週の強い買いシグナル1.1723から、今週は更に強い買いシグナル1.1642が点灯している。
(売りターゲット1.2000〜1.2100)1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い→1.2094売りclose→1.1892買い→1.1723買い
★オセアニア通貨裁定取引(平均乖離幅10.00円 現状乖離幅14.15→14.85円)
3週続いて15円前後の乖離幅の範囲で推移しており、引き続き豪ドル売り/NZドル買いを継続できるレベルである。
(ターゲット11〜11.50円)(過去5年間の最大乖離幅17.15円)過去の週間の乖離幅は以下の通り。15.40→13.90→10.55→12.25→9.40→11.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.00→10.95→11.65→11.65→12.25円→13.45円→15.35円→14.90→14.15
クロス円の売買には円相当額を一致。or AUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円。7月平均は288円。8月平均は275円と円高局面に突入。9月の週間推移は273.35→269.80→275.40→277.85円、今週は114.85+163.80=278.65と円安方向へ。280円越えであれば円買いに妙味あり。
● 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅70.50⇒71.30円』
先週の強めの売りシグナル0.6975から、今週も引き続き強めの売りシグナル0.6967が点灯している。(買いターゲット0.6750〜0.6850)0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6914売り→0.6975売り
▲ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅64.10⇒65.15円』
先週の様子見1.6515から変化は見られないが、様子見に近い弱めの売りシグナル1.6604が点灯している (様子見)1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6272様子見→1.6475様子見→1.6500弱い売り→1.6515様子見
▲ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅36.20⇒37.80円』先週の買いシグナル2.3679から、更に上昇を見せているが、引き続き強めの買いシグナル2.3832が点灯している。(売りターゲット2.4050〜2.4150)2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.4357売りclose→2.4463買いclose→2.4688売りclose→2.4465売り→2.4299買いclose→2.4397売り→2.4054売り→2.3866買いclose→2.3679買い
**************************************
各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
***************************************