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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

視界はゼロ?為替も政局も!

どっちにしよう?

どっちにしよう?

1バレル80ドル! びっくり行天ですが、ガソリン価格高騰の折、最近は車に乗る回数を減らし、バイクで行動するようにしています。しかし、雨風には向かないのがバイクです。先日も夕立に出っくわし、全身びしょ濡れになりましたね。さすがに下着まで濡れると開き直りの精神で帰宅しましたが、濡れ走路と視界の悪さで、通常20分程度掛かるる道のりを1時間以上要しましたね。未熟な運転技術につきますが、突発的な出来事には雨宿りで見過ごすのが一番です。先の見えない為替相場には休み休みのトレードが必要です。
為替も株もサブプライム問題で視界はゼロに近いのかも?

▲安部首相退陣から一夜が明けて政局不安が続くが、世界経済はそれ以上に厳しい展開を迎えている。原油価格が新興国の需要に追いつけず、昨日は史上初の1バレル80ドル台に達している。ユーロドルは米経済の低迷とリスク回避による米ドル売りが重なり、史上最高値の1.39台に乗せており、米ドル安の影響が如実に現れている。来週18日のFOMCでは利下げが確実視されており、今現在では0.5%の利下げが有力視されているが、反面、原油価格の高騰が物議を呼んでいると同時に、米インフレ懸念は根強いものがあり、利下げ幅としては0.25%の可能性も否定できないのが現状であろう。
▲FRBとしても、サブプライム問題が足かせになっており、現状では年度内の利下げ幅が0.75%まで織り込まれているため、段階的な利下げ計画として、0.25%の利下げを3度実施したいのが実状であろう。 しかし、信用収縮リスクが急拡大し、株価への影響を考慮すると、0.5%の利下げに追い込まれる可能性が高いだろう。為替相場も0.5%の利下げを見込んでFOMC政策金利発表まではドル売り優勢の状況は変わらない。 ユーロドルは1.400に向けての神経質な相場展開が予想されるだけに、ストップロス売りを上手く活用しながら、1.4000前後までの上昇期待も一考であろう。
▲一方、ユーロ圏ではフランスが貿易不均衡の面からはユーロ高に否定的であることは既成の事実であるが、サブプライム問題が燻る中で、ドイツが最近のユーロ高の進捗状況を疑問視している。先にECB中銀がサブプライム問題の影響で利上げを見送ったが、ユーロ圏ではインフレ懸念は米国以上に強く、今後の利上げが見込まれるだけに、更なるユーロドル高に危惧する傾向にある。ユーロ売り介入についても述べられているが、今回のユーロ高を牽制しており、ユーロドル1.400に向けては山あり谷ありの状況である。
ECBは昨日90日の臨時オペを実施し、750億ユーロを市場に資金供給しており、3ヶ月に及ぶオペは異例とも言われ、750億ユーロという落札額は通常を上回る規模であり、金融不安は隠せない状況である。日米欧とも異なった事情で金融不安が生じており、突発的な乱高下を視野に入れて臨む事を勧める。 とりあえず、来週のFOMCまではポジション縮小とワイドレンジで臨むことが賢明であるが、ドル円は114.50以上の売りをベースにして臨む事を勧めるとともに、ユーロドル1.39台半ばの売りを勧める
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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