ドル円115円は『ハリケーン/台風の目』?
台風9号が関東地方に接近中。9月になっても未だ10号に達していません。
かつては台風20何号でも珍しくは無かったはすですが、これも異常気象の一つなのかも。
市場ではサブプライム問題が拡大しています。発生当時は米国の小さなトルネード(竜巻)と思っていたら、いつのまにか大型ハリケーンに成長してしまいましたね。
一言で言えば熱帯低気圧ですが、発生地域によっては名称が異なります。ちなみにアメリカではハリケーンと呼ばれ、インド洋ではサイクロン、北西太平洋ではタイフーン/台風、オーストラリアではウィリーウィリーと呼ばれていますが、今回のサブプライム問題は全世界に波及する恐れもありますが、今のドル円115円前後は『台風の目』なのかもしれません。今後の大荒れ天気に注意してください。
▲ECB理事会が前日に異例とも思われる金利据え置きを示唆している。それだけサブプライム問題の深刻さが窺える。信用収縮リスクの高まりによって、市場への資金供給を続けているにも関わらず、ユーロ短期金利の上昇を見せたことが、今回の緊急的な措置と解釈されているが、日米欧とも金融不安を解消させる為にも資金供給体制を堅持させる必要性がある。現段階では主要国の金利据え置きは最低条件と化しており、サブプライム問題の当事国である米国のみが利下げに追い込まれると見るのが順当であろう。
米金利先物市場では既に0.5%の利下げまで織り込まれおり、次回FOMCで0.5%の利下げも有力視されているが、利下げのみでサブプライム問題の早期解決には繋がらず、0.25%づつの段階的な利下げで今後の状況を把握したいのが本音であろう。
いずれにしても、サブプライム問題の損失額も判明されない中では、おのずから信用収縮リスクばかりが拡大するため、マーケットは不安心理を如何に一掃するかに直面しているが、当面の打開策が資金供給と米金利の利下げのみであり、先行きの見通しが悪いだけに、少ないポジションで対処するしか得策はないだろう。
▲昨日発表された8月ADP全国雇用者数が前月比3.8万人と大幅に落ち込む予想がなされたが、元々は信憑性に欠ける民間指標であり、特に問題視はされてはいないが、米雇用統計の非農業部門の事前予想が10〜11万人であり、どんなに悪くても5万人を下回る可能性は少ないと言われている。そして、米経済の減速からマイナス成長(後退)に移行する数字の目安としては5万人前後と解釈されている為、米ドルショートに比重を置くことが正解ではあるが、過度な米ドル売りは控えたい局面である。
昨日の米経済指標に限れば、米7月中古住宅販売保留が前月比−12.2%(予想−2.0%)と大幅に悪化しており、そして、更に追い討ちをかけるように米地区連銀報告(ベージュブック)では信用収縮が拡大し、住宅市場の底入れが見えないと報告されている。ベージュブックは9月18日FOMCにおいても参考資料の軸となるため、FOMCの利下げは避けられない情勢である。 早朝にドル円115円割れを見せた相場展開であるが、昨日からの米経済指標の悪材料と株安の影響で上値は重くなるが、反面、ドル円が115円前後で留まっているから状況から判断して、円買いが一気に加速する状況ではないだろう。一方、円キャリートレード再燃の可能性を考慮し、ドル円115円割れからの難平買いを一考することを勧める。最終的な損切りを先のサブプライムショック時よりも低い111円前後に置いたシナリオを描ければ、リスクはかなり限定的であり、ハイリターン・ローリスクも望めるだろう。
ユーロドルはサブプライム問題に挟まれて、なかなかレンジ相場の域を脱する難しさがあるが、ECBの金利据え置き示唆により、上値の重さが生じるが、米経済の不透明さが増しており、まだまだ不安定な動きが続く状況であり、1.3550〜1.3700のレンジ幅で様子見を勧める。