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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

寝ても覚めてもサブプライム問題 !ドルは買えるか?

寝ても覚めてもサブプライム問題中心のマーケットである。先週末にはサブプライム問題の今後を見極める為にも、ブッシュ米大統領とバーナンキFRB議長の発言に集中した相場展開であったが、相場推移を振り返れば、市場動向は米ドル売りに傾斜しているにも関わらず、一時はユーロドルが1.37台に乗せ、その後は利益確定売りと新規ポジション調整売りも圧され、逆にユーロドルの下落局面で終了し、如何にも市場参加者の方向感の乏しさと、信用リスクによる市場心理が相場の難易度を高めている状況である。
▲米政府およびFRBは口裏を合わしたかのように、投機筋への救済措置には否定的である。随所に三下り半を突きつけたような発言がみられ、緊急措置としては不満が残る状況であるが、逆にサブプライム問題の深刻さを物語っているとも判断できる。サブプライム問題が世界中を駆巡り、金融不安と信用収縮を招いている以上は、米政府は金融機関に対しては潤沢な資金供給によって擁護しているが、世界的な規模で信用収縮が広がりを見せており、震源地である米国としても、何らかの措置を取らざるを得ないのだろうが、手をこまねいているわけではないが、今後の改善策は限られていると見るべきであろう。それ故に、米国としても、市場全体のリスクを天秤にかければ、インフレ懸念があるとは言われながらも、最終的にはFFレートの利下げに追い込まれるのだろう。 すでに金利先物市場では10月までに0.5%の利下げを織り込み始めており、そして、12月までには0.75%の利下げを織り込むとなると俄然利下げ観測がつよまるのが順当であろう。
▲米経済減速懸念が後退へと変われば、利下げ効果が株価上昇に繋がらないことも視野に入れなければならず、株式相場の乱高下が想定されると、おのずから、為替市場への影響は避けられないが、米経済のリセッションは世界経済の低迷にもつながる為、一方的に米ドル安が加速すると判断するには時期尚早と言えるだろう。現状では次回9月18日のFOMC政策金利発表に向けては利下げを視野に入れたトレードが賢明であろう。
一方、米政府としては、前回の公定歩合の利下げ効果を認識・確認したいのが現状であり、9月18のFOMCまでに金利動向が据え置き、0.25%利下げ、そして0.5%までの利下げを視野に入れるとなれば、必然的に市場は不透明さを増すため、乱高下必死の相場展開をイメージしなければならない。
▲いずれにしても、今の為替相場は株式相場主導であり、米金利動向とサブプライム問題を抱えながら、リスク回避優先を前提にした相場展開ではシナリオ重視の売買に徹底することが望ましいが、余りにも多種多様なシナリオが回遊しており、現段階ではワイドレンジで相場を摸索することを念頭にして、ポジション整理を重視して臨む事を勧める。
▲IMM通貨先物においては、前回の流れを引きずっており、各通貨ともポジションの縮小化が進んでおり、円ロングは +9,846(+1,516)、 ユーロロングは+42,826(+38,463)と各通貨とも軒並み投機筋の動向は沈静化している。それだけ投機筋もポジショニングに難航しているのであろうが、ポジション縮小で対応している状況と見てよいだろう。ちなみに他の通貨の推移に関しては、ポンドロングが+34,571(+29,139)、豪ドルロングは+11,959(+4,976)、カナダドルロングは+45,094(+40.033)スイスフランショートは−18,123(−17.279)である。カッコ内は前回の枚数。  
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)

作成年月日 2007年9月02日(日)週末の終値ベース

サブプライム問題に揺れる中で米ドルを軸としたポジション調整が右往左往している状況である。本チャート上では先週と比較しても、米ドル買い調整が進行している状況である。今週はNZドル、スイスフランの両通貨は早くもポジション解消レベルに到達して様子見に突入しているが、ドル円を除く他の通貨も乖離幅が縮小しており、徐々に米ドルの回復基調が見られるが、通常よりも弱めの米ドル買いシグナルでもあるため、乱高下の際にはポジション解消シグナルを見過ごさない注意は必要であり、事前に売買目標を設定することを勧める。
各通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます。
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新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1028→0.1002
1÷ユーロドル1.3623=0.7341−100÷ユーロ円157.75=0.6339(0.7341−0.6339)=0.1002⇒ドル円115.80。 先々週の104円台の強い買いシグナルから、先週は116.35の買いシグナルが継続したが、今週も引き続き強めの買いシグナル115.80円が点灯している。(売りターゲット118.00〜120.00) 過去の売買シグナルは以下の通り。121.50売り→116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.85売り→122.50買いclose→123.35売り→121.30買いclose→118.00買い→114.35買い→116.35買い
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅40円 現状乖離幅42.65⇒41.95)
先々週は1.3476の買いでポジション解消の運びとなり、先週は1.3666の売りシグナルが点灯したが、今週も引き続き1.3623の売りシグナルが継続点灯している。
(買いターゲット1.3400〜1.3530) 過去の売買シグナルは以下の通り。1.2875売り→1.2511買いclose→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3536売り→1.3651売り→1.3368買いclose→1.3825売り→1.3771売り→1.3699売り継続→1.3476買いclose→1.3666売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅22円 現状乖離幅(20.15⇒21.10円)
先々週はポジション解消シグナル0.7967から、先週は0.8268の売りシグナルが点灯し、弱冠下げ基調を強めているが、今週も引き続き0.8176で売りシグナルが点灯している。
(買いターゲット0.7900〜0.8030)過去の売買シグナルは以下の通り。
0.7917売り→0.7810買いclose→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8577売り→0.8796売り→0.8446売り継続→0.7967買いclose→0.8268売り
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅32円 現状乖離幅32.40⇒34.55円)
先々週は0.7割れではポジション解消となったが、先週は弱めの売りシグナル0.7215が点灯していたが、今週はポジション解消の買いシグナル0.7016が点灯している。
(様子見) 過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6828買い→0.6975売りclose→0.7473売り→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→→0.7972売り→0.7646売り→0.7462売り→0.6948買いclose→0.7215売り
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅10円 現状乖離幅5.65⇒6.15円)
1.04台から1.06台での買いシグナルが点灯しているが、先週の買いシグナル1.0510から今週も引き続き買いシグナル1.0561が点灯している。(売りターゲット1.0850〜1.1050) 過去の売買シグナルは下記の通り。1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0484買い→1.0647買い継続→1.0603買い継続→1.0510買い
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅5円 現状乖離幅−1.55→−2.00円)
ドル円115.80x?=231.60−ポンド円233.60=−2.00円。
先々週のポジション解消買いシグナル1.9816から、再び2.000台に突入し、先週売りシグナル2.0133に引き続き、今週も2.0173の売りシグナルが点灯している。
(買いターゲット1.9480〜1.9750) 過去の売買シグナルは下記の通り。
1.9636売り→1.9105買いclose→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→2.0556売り→2.0407売り→2.0245売り継続→1.9816買いclose→2.0133売り
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅22円 現状乖離幅19.55→20.05円)
先週は弱い買いシグナル1.2020が点灯していたが、今週は早くもポジション解消売り1.2094が点灯している。(様子見)過去の売買シグナルは以下の通り。1.2069買い→1.2194売りclose→1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2080売りclose→1.1907買い→1.2075売りclose→1.2020買い
オセアニア通貨裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅12.25→13.45円
先々週から乖離幅が拡大しており、過去の乖離幅の推移と比較しても今週の13.45円の乖離幅に妙味が増している。通常の売買よりはリスクは限定されるため、豪ドル円売り/NZドル円買いに妙味が生じている。過去の週間の乖離幅は以下の通り。15.40→13.90→10.55→10.55→9.90→12.25→9.40→11.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.20→10.00→10.30円→10.95→11.65→11.65→12.25円
(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円と着実に円安方向。2007年度第1四半期276円、第2四半期284円。7月平均は288円。8月は280.50→280.60→268.45→275.35と円安にブレーキ。 今週はドル円115.80+ユーロ円157.75=273.55円と円高水準に達している。
欧州3大通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅75.25⇒76.35円』
レートは上下動が激しいが、チャート上では依然として、様子見が続いている。先週0.6781の様子見から、今週も0.6753で様子見が続いている。
過去の売買シグナルは以下の通り。0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り→0.6736買いclose→0.6748様子見→0.6767様子見→0.6801様子見→0.6788様子見
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅62.20⇒62.00円』
先週の1.6426の様子見から変化がなく、今週も1.6475で様子見が続いている。
過去の売買シグナルは以下の通り。1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6473売り→1.6398買いclose→1.6417様子見→1.6272様子見→1.6426様子見
ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅40.65⇒42.10円』
先週の様子見に近い弱い売りシグナル2.4199から、今週は売りシグナル2.4397が点灯している。 (買いターゲット2.3960〜2.4050) 過去の売買シグナルは以下の通り。2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.4357売りclose→2.4463買いclose→2.4688売りclose→2.4465売り→2.4299買いclose→2.4261様子見→2.3928様子見→2.4199様子見
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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