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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円キャリートレード解消 + 米ドル反発続行!

通貨別 予想レンジ
ドル円 117.00〜120.50
ユーロ円 158.50〜162.00
ユーロドル1.3500〜1.3800
豪ドル円 99.00〜102.50

【今週の見通し】 

先週の焦点はサブプライム問題の深刻化の様相を見せており、信用力の低下が世界同時株安を招いてしまったことに尽きるが、為替相場もキャリートレード解消劇がどの程度拡大するかを見極める大事な節目に突入している。 決定的な金利格差を背景にした円キャリートレードが問われている時でもある。その旗頭でもあるヘッジファンドの動向、本邦機関投資家の設定ファンド、そして、個人投資家の動揺を誘う一連の円高の流れが、主要通貨のアンバランスを誘引しており、今までの円安とドル安の流れが問われている相場展開とも言えるであろう。
米経済の不透明さが浮き彫りになり、各企業の起債が遅延し、長期金利も5%を割り込み4.8%へと低下しているように『質への逃避』が真剣に問われている状況である。米国の取り巻く環境から判断すれば、米ドル安が更に進行することも懸念されたが、円キャリートレードの手仕舞いが急加速したことにより、クロス円に向けて強烈な円買いが欧州通貨及びオセアニア通貨の売りに直結したとも言えるだろう。
2月末のチャイナショックによる世界同時株安では、ドル円が121円台から118.50まで急落したが、奇しくも今回の円高局面と同様な経過をたどっている。その後数日間でドル円が115円半ばまで円高局面を迎えたこともあり、今回も土俵は違えども、上値の重い展開が余儀なくされている。ちなみにユーロ円は前回159円から151円台の下落を見せ、今回は168円台から161円台と双方とも下落幅としては、ほぼ一致しているが、円高の規準点が159円と168円と10円近い差があることに注視しなければならない。更に円高が進む余地が残されているとも言える。行過ぎた米ドル離れと円離れが回復基調に弾みをつける可能性も大いに考えられる。

▲今週は昨日の参議院議員選挙における与党大敗を受けて、政局不安と期待感が合い混じることになるが、基本的には為替相場への影響は限定的であろうが、円高局面を迎えたことにより、円キャリー再燃の動きが何時見られるかに関心は注がれるが、週初ではポジション整理が優先されることが考えられるため、再度円高に対する警戒心が高まる相場展開が予想される。原則的には、大きな円キャリ−解消の動きが3度目となれば、警戒心は強まり、同時に米ドル安と円安レベルが異常事態に陥ったことも考慮すれば、どうしても円買い圧力が増す展開であろう。故に、ある程度の円高局面を見てからの押し目買いが有効的になると思われるが、今現在では円売りを急ぐ時ではないだろう。

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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年7月29日(日)週末の終値ベース
本チャート上では先々週の米ドルの売られすぎから、先週は円キャリートレードの解消を伴い、米ドルの調整買いが生じたが、依然として、USD/CHF(スイス)を除けば、未だに米ドルの強い買いシグナルが点灯している。結果的にはドル円の売られ過ぎと欧州通貨とオセアニナ通貨の下落が不充分であり、むしろ、先週とのチャート比較では乖離幅が更に拡大している状況である。 ドル円は118円割れからの買い余地を残している相場展開であるが、勢いからは117円前後までの下落シナリオをイメージして取り組むことを勧める。当面の主要3大通貨のニュートラルなレベルをあげるならば、ユーロドル1.3400、そしてドル円は120円を再び目指す展開が予想される。故にユーロ円は160円前後が今後の焦点になる可能性はある。展開的には米ドルの買い戻し続行が望まれる相場である。
各通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1270→0.1145
1÷ユーロドル1.3637=0.7333 100÷ユーロ円161.60=0.6188(?0.7333−?0.6188)=0.1145⇒ドル円118.50 ドル円123円台からの強い売りシグナルから、先週は121.30でポジション解消局面(買い)に突入したが、今週は早くも強めの買いシグナルが118.50円で点灯している。(売りターゲット120.00〜121.00) 過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。119.65売り→115.85買いclose→121.50売り→116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.45売り→0.1430(ドル円売り123.85)→122.50買いclose→0.1389(123.35売り)→0.1305(121.95売り)⇒0.1270(121.30買いclose)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅40円 現状乖離幅46.15⇒43.10)
先週の強い売りシグナル1.3825から急落を見せているが、今週も引き続きから強めの売りシグナル1.3637が点灯している。(買いターゲット1.3375〜1.3500) 過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3318売り→1.3536売り→1.3651売り→1.3590売り→1.3368買いclose→1.3464様子見→1.3628売り弱め→1.3784売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅22円 現状乖離幅(14.50⇒17.60円)
先週の強い売りシグナル0.8796から下落を早めたが、利益確定買いも考えられるが、今週も引き続き強い売りシグナル0.8515が点灯している。(買いターゲット0.8150〜0.8350)過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。0.7917売り→0.7810買いclose→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8490売り弱め→0.8577売り→0.8696売り→0.8796売り
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅32円 現状乖離幅24.60⇒27.90円)
先週の強めの売りシグナル0.7972から続落しているが、今週も強い売りシグナル0.7646点灯している。(買いターゲット0.7180〜0.7420)
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7473売り→0.7424売り→0.7359売り継続→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→0.7819売り→0.7860売り継続→0.7972売り
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅5.60⇒7.20円)
先週の買いシグナル1.0484から上昇中であるが、今週も引き続き買いシグナル1.0647が点灯している。(売りターケット1.0900〜1.1275)
過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0798買い→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0695様子見→1.0493買い弱め→1.0481買い→1.0484
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅5円 現状乖離幅−6.75円→−3.00円)
ドル円118.50x?=237.00−ポンド円240.00=−3.00円。 先週のかなり強い売りシグナル2.0556から、今週も引き続き強い売りシグナル2.0253が点灯している。(買いターゲット1.9450〜1.9750) 過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.9636売り→1.9105買いclose→1.9686売り→1.9870売り→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→1.9988売り弱め→2.0340売り→2.0556売り。
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅22円 現状乖離幅20.30→20.40円)
先週の弱めの買い1.2010から、今週はポジション解消売りシグナル1.2080が点灯している。様子見に突入。過去の週間の売買シグナルは以下の通り。
1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2057買い→1.2270売りclose→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2027買い→1.2010買い継続
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅10.00→10.30円)
市場は円高局面に突入後も乖離幅は変わらず。先週に引き続き今週も強い売買シグナルは点灯せず、様子見状態が続いている。
過去の週間の乖離幅は以下の通り。16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→10.55→9.90→12.25→9.40→11.30→11.45→11.05→11.45→10.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.20→10.00円
(注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させる、または豪ドル/NZドルの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円、 2007年度第1四半期276円、そして、4月平均279円、5月平均284円、6月平均は287.50とキャリートレードが加速している。7月の週間ごと経緯は289.90円、291.45円、290.05円、先週は289円、そして、今週はドル円118.50+ユーロ円161.60=280.10円と一気にノーマルなレベルに後退している。
欧州3大通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅81.65⇒78.40円』
先週の0.6725の様子見から、今週も引き続き0.6733で様子見が継続中。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り弱め→0.6736買いclose→0.6725様子見
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅66.70⇒63.50円』
先週の1.6604の様子見から、今週は弱めの売りシグナル1.6473が点灯している。
過去数週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.6195売り→1.6073買いclose→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6578様子見→1.6604様子見
ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅47.45⇒43.80円』
先週はポジション解消売りシグナル2.4688が点灯し、様子見状態であったが、今週は様子見に近い弱め売りシグナルが2.4465で点灯している。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4357売りclose→2.4533弱い売り→2.4550様子見→2.4498様子見→2.4463買い→2.4688売りclose
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 ★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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