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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドルの過小評価が鮮明に!米ドル売りに赤信号点滅?

ドル円は黄色点滅中!

ドル円は黄色点滅中!

今週は先週の米ドル売りの流れを引きずる形でスタートすることになるが、バーナンキFRB議長がサブプライム問題の深刻化に触れていることから、この問題が払拭されない限りは、常に米ドル上昇の足かせになることを想定した相場展開になるであろう。しかしながら、相場自体には過剰反応とも思われる米ドルショートが拡大しているため、ポジション取りの難しさが表面化しており、難易度としては想像以上に高いレベルに位置している状況である。 
▲先週までの米ドル売り要因が米経済の不透明さを筆頭に、サブプライム問題に絡むヘッジファンド不安、そして、原油価格の高騰もあり、まだら模様の米ドル安要因がある中で、週半ばには米住宅関連指標が控えており、同時に、米経済の好景気を窺うためにも第2四半期米GDPに注目は集まる相場である。消去法で考えると、更に米ドル売りシナリオが容易に描ける状態であるが、それに対して、心理的な米ドル安がもたらす反動にも警戒を要する時でもある。
米経済の不透明さは相変わらずであるが、過大評価された欧州通貨及びオセアニア通貨にも調整色が強く見られる相場展開になるであろうが、巷ではドル円の下落に伴い、円キャリートレードの解消の噂もあるが、ドル円自体のレンジ幅はドル円120円割れの危機感はなく、本格的な円高局面とは言えず、一つの目安としてはドル円120円割れの声を聞かない限りは、本格的なキャリートレード巻き戻し懸念は消え去ることになる。
しかしながら、120円台半ばの中途半端な円高局面が続くとなれば、却って円キャリートレードを後押しする可能性も残されている。機関投資家および個人投資家としても、今後円高が進んでもドル円120円レベルでは、円キャリーを誘発させることになり、同時にクロス円全般の上昇も考えなければならない。
▲参議院選挙後の8月円利上げ説は濃厚であるとは言いながら、それ以降の利上げ対策の遅れが目立つようでは、今の円安を封じる事は不可能とも言える。ドル円120円前後ならば、ドル円自体のキャリートレードにも妙味が増してくる。 反面、クロス円に関しては、年初からの進捗状況を考えると、豪ドル円及びユーロ円も15円前後の上昇を見せているため、敢えて、新規の円キャリーを実行する難しさもある。機関投資家の設定ファンドには、怖いもの見たさの円売りもあるが、個人投資家のニーズに応えるような円売りが散見されるのも事実である。単なる相場観では勝てない市場とも言えるだろう。相場の流れに逆らう円買いは慎むことになるが、ある程度の円高局面を見てからの押し目買いが有効であろう。
▲シカゴIMM通貨先物の推移も円ショートの推移が2週続けて12万6千枚前後を記録しているが、一応の目安としては15万枚と10万枚割れの建て玉がドル円相場を左右するとも言えるが、ドル円120円を意識する段階でもあり、ドル円の上値が重い状況から10万枚割れの可能性が高まれば120円割れを覗く展開も期待できるが、120円割れを突破しても、円高が加速する状況は期待薄であろう。
今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日 2007年7月22日(日)週末の終値ベース
先週は米ドル売りが顕著に見られたことから、展開的には米ドルの買い戻しレベルに到達している。ドル円は121円台前半ではポジション解消レベルの買いに転じているが、他の通貨に関しても米ドルが急速に下落基調を高めており、やや強めの買いシグナルが各通貨に点灯し始めている。勢いとしては、もう一段の米ドル売りも考慮しなければならないが、敢えて、米ドル売りを敢行するレベルとしてはリスキーな展開と言えるだろう。主要3大通貨間との比較ではドル円120円台半ばの買いとユーロドル1.38台半ばからのナンピン売りにも妙味が生じており、全般的にも少な目の分散投資型の米ドル買いが今週の狙い目になる。
各通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます。
US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1305→0.1270
?1÷ユーロドル1.3825=0.7233?100÷ユーロ円167.70=0.5963(?0.7233−?0.5963)=0.1270⇒ドル円121.30様子見レベル」
ドル円123円台からの継続的な売りが続いており、先週の弱めの売り121.95から、ドル円120円割れの状況では、ポジション解消買いが優先される相場である。 今週はドル円121.30円では様子見が点灯している。過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。119.65売り→115.85買いclose→121.50売り→116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.45売り→0.1430(ドル円売り123.85)→122.50買いclose→0.1389(123.35売り)→0.1305(121.95売り弱め)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅40円 現状乖離幅46.15⇒46.40)
先週から強めの売りシグナル1.3784が点灯しているが、今週はかなり強めの売りシグナル1.3825が点灯している。損切り買いシナリオを1.3900に設けて、1.3850までの売りを継続。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3318売り→1.3536売り→1.3651売り→1.3590売り→1.3368買いclose→1.3464様子見→1.3540売り弱め→1.3628売り弱め→1.3784売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅22円 現状乖離幅(15.90⇒14.50円)
先週の0.8696の売りシグナルから、今週は強い売りシグナル0.8796が点灯している。(損切りレベルの買いは0.8900を設定)過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8490売り弱め→0.8577売り→0.8696売り
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.10⇒24.60円)
先週の強めの売りシグナル0.7860に続き、今週も強い売りシグナル0.7972が点灯している。(損切り買いシナリオを0.8050に設定)過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7203売り→0.7370売り→0.7473売り→0.7424売り→0.7359売り→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→0.7722売り弱め→0.7819売り→0.7860売り
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅5.60⇒5.60円)
先週の買いシグナル1.0481から、今週もレベル的には変化は見られず、引き続き1.0484の買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0798買い→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0695様子見→1.0493買い弱め→1.0481買い。
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅5円 現状乖離幅−4.15円→−6.75円)ドル円121.30x?=242.60−ポンド円249.35=−6.75円。 先週の強い売りシグナル2.0340から、今週はかなり強い売りシグナル2.0556が点灯している。(損切り買い2.0600設定)過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9686売り→1.9870売り→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→1.9988売り弱め→2.0085売り→2.0109売り→2.0340売り。
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅22円 現状乖離幅20.55→20.30円)
先週の弱めの買い1.2027からは動きが見られず、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.2010が点灯している。過去の週間の売買シグナルは以下の通り。
1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2057買い→1.2270売りclose→1.2354売り→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2183様子見→1.2027買い弱め
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅10.20→10.00円)
先週に引き続き動きは平行線であり、今週も様子見のシグナルが点灯している。
16.00→15.40→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→9.40→11.30→11.45→11.05→11.45→10.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.20→10.00円
(注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させる、または豪ドル/NZドルの直接取引)
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円、 2007年度第1四半期276円、そして、4月平均279円、5月平均284円、6月平均は287.50とキャリートレードが加速している。7月第一週は289.90円、第2週は291.45円、第3週は290.05円、今週はドル円121.30+ユーロ円167.70=289.00であり、290円前後からは高水準の円安状態継続中。
欧州3大通貨ペア(様子見継続中)
ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅79.95⇒81.65円』
先週の0.6777の様子見から、今週も変化はなく、0.6725で様子見が継続中。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。
0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り弱め→0.6736買いclose→0.6777様子見→0.6777様子見
ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅66.70⇒66.70円』
先週に引き続き乖離幅には変化が見られず、先週の1.6578の様子見から、今週も1.6604で様子見が点灯している。過去数週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.6195売り→1.6073買いclose→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6602様子見→1.6578様子見。
ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅45.25⇒47.45円』
先週の買いシグナル2.4463から、今週は早くもポジション解消売りシグナル2.46883が点灯し、様子見に突入している。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。
2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4357売りclose→2.4533弱い売り→2.4550様子見→2.4498様子見→2.4463買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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