ドル円清算レベル122円、米ドル買い局面!
円安には一服感が生じているものの、渦中のサブプライム問題により米ドル安が再び浸透している。先週は有力な格付け会社S&Pとムーディーズ両社の格下げも相次ぎ、住宅関連に関しては未だに低迷を続けている状況である。ベアスターンズ傘下のヘッジファンドも想定内の住宅ローンの焦げ付きであると言われており、懸念されたNY株式市場であるが、米企業の好決算期待が優先され、NY株式市場は大幅反発で終了している。いずれにしても、不透明な米経済が市場の撹乱要因ではあるが、株高・米ドル安の光景が続いており、一言で言うならば、迷走中の米ドルと言えるだろう。
▲主要国の金融引締めが続いており、先週の日銀金融政策決定会合でも8月の利上げが有力視された中で8:1で据え置きが決定された円金利ではあるが、各国とも歩調を合わした0.25%幅の利上げではキャリートレードの巻き戻し警戒も薄れているのが実状である。世界的な円キャリーブームを沈静化させる動きは散見されるが、既に円キャリートレードの規模が想定以上の速さで拡大しており、世界経済の安定には是が非でもハードランディングは避けなければならない状況に陥っている。当面は金利格差の縮小が望めない状況下では、機関投資家及びヘッジファンドによる無作為な円キャリー手法が多様化される状況は否定できず、それだけ円安弊害が国内外にも波及している状況である。円キャリー手仕舞いの対応手段が限られているのが現状であるが、最終的には円買い介入操作も強硬手段としては考えられるが、反面、米ドル安を助長しかねない円買い操作を考えると、介入操作が容易ではない事は確実である。
▲今週はバーナンキFRB議長が18,19日に議会証言が行なわれるが、原油価格の高騰がある限りは、インフレ警戒を強める証言が予想されるため、レベル的には米ドルの反発も考えられる局面であるが、悪化も予想される住宅関連の米経済指標もあり、予断が許せない状況が続くことには変わりがない。
▲ユーロ圏ではECB中銀の利上げが9月にも前倒しの可能性もあり、ユーロドルも負けず劣らず堅調地合が予想されている。相対的には円買い材料が乏しいことになるが、レベル的には円売りを強行する難しさにも直面している相場である。少な目のトレードに徹し、相場の歪みを待ってからの始動に専念することが賢明であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)***
作成年月日 2007年7月15日(日)週末の終値ベース
先週は米ドルがニュートラルなレベルに達しており、次の展開待ちの情勢であったが、先週後半には米ドル売りが促進されたことにより、ドル円相場に関しては122円割れの段階では利益確定の米ドルの買いシグナルも点灯している。そして、他の通貨に対しては米ドル安が進行しており、部分的には米ドル買いシグナルも点灯し始めている状況である。乖離幅としては拡大傾向にあり、もう一段の米ドル売りが生じれば、リスク限定の米ドル買い局面の場も近い。主要3大通貨との比較ではドル円121円台半ばのドル買いに妙味があり、ユーロドル1.38台半ばからのユーロドル売りに妙味が発生する。
各通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます。
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドル⇒買い
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1389→0.1305
?1÷ユーロドル1.3784=0.7254?100÷ユーロ円168.10=0.5949(?0.7254−?0.5949)=0.1305⇒ドル円121.95様子見レベル」
ドル円123円台後半での売りシグナルも段階的な円買いが進み、先週の売りシグナル123.35円から122円割れの局面では利益確定レベルに達しており、今週は121.95の買いシグナルが点灯しており、現状では様子見になっている。過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。119.65売り→115.85買いclose→121.50売り→116.85買い→118.30売りclose→116.65買い→118.10売りclose→123.45売り)→0.1430(ドル円売り123.85)→122.50買いclose→0.1389(123.35売り)⇒0.1389(123.35売り)
▲ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅40円 現状乖離幅44.75⇒46.15)
先々週から弱めの売りシグナルが1.3540、そして先週も1.3628の弱めの売りが続いたが、今週は通常よりも強めの売りシグナル1.3784が点灯している。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3318売り→1.3536売り→1.3651売り→1.3590売り→1.3368買いclose→1.3464様子見→1.3540売り弱め⇒1.3628売り弱め
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅22円 現状乖離幅(17.55⇒15.90円)
先々週の弱めの売りシグナル0.8490から、先週は通常の売り0.8577シグナル、そして今週は強い売りシグナル0.8696が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。 0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り→0.8181買いclose→0.8444売り→0.8416買いclose→0.8490売り弱め⇒0.8577売り
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅32円 現状乖離幅26.90⇒26.10円)
NZ中銀の介入後も堅調なNZドルであるが、先週の強めの売りシグナル0.7819に続き、今週も強い売りシグナル0.7860が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7203売り→0.7370売り→0.7473売り→0.7424売り→0.7359売り→0.7257買いclose→0.7643売り→0.7543買いclose→0.7722売り弱め→0.7819売り
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅5.80⇒5.60円)
先週の弱い買いシグナル1.0493から、今週はレベル的にはほぼ変わらないが、通常の買いシグナル1.0481が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1855売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1379買いclose→1.1162売り→1.1078買いclose→1.0798買い→1.0610買い→1.0679売りclose→1.0695様子見→1.0493買い弱め
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅5円 現状乖離幅−2円→-4.15円)ドル円121.95x?=243.90−ポンド円248.05=−4.15円 先週の通常売りシグナル2.0109から、今週はかなり強い売りシグナル2.0340が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。1.9736売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9686売り→1.9870売り→2.0021売り→1.9748買いclose→1.9836売り→1.9696買いclose→1.9988売り弱め→2.0085売り→2.0109売り。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅22円 現状乖離幅22.10→20.55円)
先々週のポジション解消1.2223レベルから、先週は1.2183の様子見段階に突入したが、今週はかなり弱めの買いシグナル1.2027が点灯している。過去の週間の売買シグナルは以下の通り。1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2057買い→1.2270売りclose→1.2354売り→1.2420売り→1.2223買いclose→1.2183様子見
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅9.35→10.20円)
先週に引き続き、今週も様子見に近いレベルであるが、豪ドル売り/NZ円買いの弱い兆しがある。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
(注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させる、または豪ドル/NZドルの直接取引)
16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→9.40→11.30→11.45→11.05→11.45→10.30→11.80→11.25→10.75→9.85→10.75→10.40→9.35→10.20円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(275円以下は円高&285円以上は円安の目安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度第2四半期259円、第3四半期264円、第4四半期271円、 2007年度第1四半期276円、そして、4月平均279円、5月平均284円、6月平均は287.50とキャリートレード現象が加速している。7月第一週は289.90円、第2週は291.45円、今週はドル円121.95+ユーロ円168.10=290.05と高水準の円安状態。
● 欧州3大通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離77円 現状乖離幅79.95⇒79.95円』
先週の0.6777の様子見から変化はなく、今週も同じレベル0.6777で様子見が継続中。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6859売り→0.6778買いclose→0.6787売り弱め→0.6736買い→0.6741様子見→0.6777様子見
▲ユーロスイス『平均乖離62円 現状乖離幅66.85⇒66.70円』
今月に入ってからは様子見が継続している。先週の1.6602の様子見から、今週も1.6578で様子見が点灯している。過去数週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.6195売り→1.6073買いclose→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6575売り→1.6509買いclose→1.6620売り→1.6559買いclose→1.6550様子見→1.6602様子見
▲ポンドスイス『平均乖離42円 現状乖離幅45.55⇒45.25円』
先週の2.4498の様子見から、今週は買いシグナル2.4463が点灯している。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。
2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4357売りclose→2.4533弱い売り→2.4550様子見→2.4498様子見
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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