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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

地震・テロ・人民元・????

★地震、雷、火事、親父も死語になっているが、やはり地震だけは取り除けない。地震、テロ、人民元、そして次に控えるの威厳のないオヤジに代わってパワー全開のババア(失礼)と様変わりしている。懐かしいフレーズでは「巨人、大鵬、タマゴ焼き」も遠い昔であり、今では「阪神、朝青龍、たこ焼き」となるのかもしれないが、野球も巨人の低迷と衰退、相撲は横綱・大関陣を外人力士に占拠される日も近い予感がある。いずれは円に代わって元の時代を彷彿させる日も近いのかもしれない。

●人民元の切り上げ実施を分析する報道も多く、為替市場も混沌とせざるを得ないが、専門家らしき発言も千差万別であるが、2%の切り上げが先行きの不透明感を著しているに過ぎない。いまだにドル高基調を唱える評論家も多く見られるように、中国人民元の切り上げだけでは円高とも円安とも断言できないのが実情であろう。まして今回採用された通貨バスケット制も米ドル(米国)を目標とした制度だけに、ユーロドルや円に対する影響も少なく、一時凌ぎの人民元切り上げとも取られる。今後もひき続き段階的に切り上げを実施できるかは、現状の中国経済が直面しているバブル経済、不良債権、そして、為替を含む金融システムの構築及び改善を急ぐ必要があるため安易に方向感は語れない。中国側から判断すると米ドル依存から脱却して、ユーロドルや円にシフトするポーズは見せても、現実に中国が米国債を売却し、他国の債権を購入するわけでもないが、今回の人民元の切り上げにより、輸出減を米国側に示し、今後の米国債購入を控えることも考えられる。

●米国としても、今回の2%の人民元切り上げには納得するわけもないが、上記の理由により将来的な米ドル離れを考慮する必要もあり、中国にかける圧力も水面下で行なわなければならない。強い米国を主張し、米ドル安も望み、更に米国への投資「米国債購入」を増幅または維持することが米国の主眼なだけに、FRBの連続的な利上げも暗礁に乗り上げる確率も増しているといえる。

●人民元の切り上げにより、必然的にドル円の上値を追う展開も控えられるが、切り上げ前の112円台半ばまでの戻りも考えるべきであり、一方下値も切り上げ後の109円台を垣間見たことから、110円前後を意識させる展開になるが、実際には利益確定の投資家と実需の買いも旺盛と見るのが妥当である。

●ユーロドルは基本的にユーロ圏の低迷が足を引っ張っており、上値も重い展開が続くと判断する。人民元の切り上げ効果も薄く、1.21台の半ばから1.22前後の売りを基準として考えれば、リスクもかなり限定的と見てよいだろう。買いは1.200割れまでの忍耐も必要である。

*******今週のペットでも判る簡単チャとート推奨*******新外為の森より

◎ドル円売り 111.50  ドル円買い110.30

◎豪ドル円売り・NZ円買い(裁定取引)継続 乖離幅8.70以上 

◎NZドル、カナダドル、ポンド 妙味は少ない 様子見段階

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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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