外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >米ドルの堅調地合⇒相場のバランス効果へ!

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドルの堅調地合⇒相場のバランス効果へ!

先週末には北朝鮮が短距離ミサイルを発射した影響から円安局面も生じ、本日は米欧の休場を控えて、不透明感が残る後味の悪い状況でスタートすることになるが、依然として、ユーロ及び高金利通貨の上昇にも一服感があるように、今週も米ドルのロング志向が強まる傾向がある。米利下げ観測が後退する局面でもあり、米ドルの底堅さが強調させられる展開が予想されることからも、ドル円122円台への足固めの状況でもあり、当面の120円円割れはかなり遠退いたと言わざるを得ないだろう。
▼今週の経済指標も週末の5月米雇用統計に集約される相場展開が予想されるであろうが、米雇用情勢が大きく変わることは考えられず、むしろ、市場の関心事は株式市場や金利動向に左右される展開でもある。 一方、今週の米経済指標は数多くあるが、週半ばに発表されるFOMC議事録において、インフレ懸念と共に利上げ観測まで浮上することを考えると米ドルの下げは限定的になると判断するが、122円台からの輸出企業の売りと利益確定に押し戻される展開も考慮しなければならず、レンジ相場の域を脱する難しさがある。
▼シカゴIMM先物通貨においては円ショートが再び警戒水域の15万枚台に乗せており、円金利のもどかしい状況があるため、想定以上に円買い材料が乏しい状況である。しかし、常に円キャリーの思惑による円売りが潜んでいるだけに、悩ましいレベルの円ショートと言えるだろう。本邦機関投資家の円キャリートレードも一段落と言う声も聞えるが、過去にも何度も囁かれており、今回もヘッジファンドンへの規制強化も影響を与えていることを察すると、今までよりは警戒心を強めている事は確かであろうが、反面、方向転換する難しさに直面している市場である。ユーロロングも10万枚台に乗せると警戒感も強まり、ユーロロングの手仕舞いが発生しやすい状況である。総じて、米ドルの買い基調が強まっている証でもあるが、米利下げ観測が後退し、長期金利の上昇局面ともなれば、米ドルの過剰流動性の高まりを見せている状況とも受け取られる。 過小評価された米ドル及び円の反転時期が接近しているとも言えるだろう。
●*今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)*
作成年月日 2007年5月27日(日)週末の終値ベース
米ドルへの切り替えしが進行している。先週までは過小評価された米ドルがほぼ全通貨に対して回復しており、一部の通貨では逆に米ドルの買われ過ぎの状態に向かっている。本チャート上では米ドルが上昇基調にあるため、カナダドルを除けば、総じて様子見段階に突入している通貨が多く見られる。もう一段の上昇を待ってからの米ドル売りに妙味が生じている。現状で米ドルがニュートラルになるレベルを箇条書きすれば、ユーロドル1.3400、ポンド1.9750、豪ドル0.8150、NZドル0.7200、カナダドル1.0950、スイスフラン1.2250を直近の目標値として捉えたい。但し、上記レベルはドル円121.50~122円を基盤にした評価であり、詳細は各通貨別のチャートを参照してください。
今週の特徴として、欧州主要3大通貨のバランスが取れていることが上げられる。本チャートではユーロポンド0.6780、ユーロスイス1.6500、そして、ポンドスイス2.4350前後にして均衡状態が保たれている、今後の目安として上記レベルには注目することを勧めるが、ある意味では米ドルが各通貨に対して、ニュートラルなレベルに接近している証でもあるだろう。基本的には、米ドルの流動性を見極めてからの始動を勧めるが、各通貨とも少なめトレードで米ドルのトレンドを確認することを優先する相場であろう。
尚『通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます』
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱 米ドル買い→ニュートラル(様子見)
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1290⇒0.1329
先週の強めの売りシグナル121.10から、今週は更に強めの売りシグナルが121.75で点灯している。
今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3445=0.7438?100÷ユーロ円163.70=0.6109⇒(0.7438−0.6109)=0.13290=ドル円121.75売り。過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1093(116.85買い)→0.1180(118.30売りclose)→0.1072(116.65買い)→0.1154(118.10売りclose)→0.1236(120.20売り)→0.1240(120.15売り継続)→0.1290(121.10売り)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅35円 現状乖離幅42.50⇒41.95円)
1.36台からの強い売りシグナルから、先週は1.3509の売りが点灯していたが、今週は一部買戻しのレベルにと達しており、かなり弱めの売りシグナル1.3445が点灯している。ポジション解消レベルは1.3400前後である。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3192売り→1.3318売り→1.3536売り→1.3589売り継続→1.3651売り→1.3590売り→1.3525売り継続→1.3509
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅25円 現状乖離幅(21.35→22.15円)
0.83台後半から強い売りシグナルが続いたが、先週の売りシグナル0.8237から今週は一部買い戻しも検討できるレベルまで下落している。今週も様子見に近い売りシグナル0.8181が点灯している。ポジション解消レベルは0.8150前後を想定。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り継続→0.8298売り継続→→0.8319売り継続→0.8237売り継続
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅35円 現状乖離幅32.65⇒33.40円)
0.74台からの強い売りも終局を迎えつつあるが、先週の売りシグナル0.7304に引き続き、今週も0.7257の売りシグナルが点灯している。ポジション清算レベルは0.7200レベルを検討。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7203売り→0.7370売り→0.7473売り→0.7424売り→0.7359売り継続→0.7337売り→0.7304売り継続
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅9.35⇒9.00円)
先週は強めの買いシグナル1.0885が点灯していたが、今週は更に強い買いシグナル1.0798が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1725売り←1.1855売り→1.1719売り継続→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1613売り→1.1379買いclose→1.1235買い→1.1162買い継続→1.1078買い→1.1104買い継続→1.0885買い
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅10円 現状乖離幅3.05⇒2.00円)
ドル円121.75=243.50−ポンド円241.50=2.00円 2.00台から続いてきたポンドショートも、先週は1.9748の買いシグナルが発生しており、基本的には様子見に近いレベルであるが、今週は再び上昇しており、売りシグナル1.9836が点灯している。 過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。 1.9808売り→1.9291買いclose→1.9736売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9686売り→1.9870売り→2.0021売り→1.9979売り継続→1.9921売り継続→1.9813売り継続→1.9748買い様子見
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅22.40→22.60円)
先週はポジション解消の1.2270が点灯し、様子見に突入したが、今週も変化は見られず1.2279で様子見が継続中。
過去の週間の売買シグナルは以下の通り。1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2081買い→1.2057買い→1.2111買い継続→1.2186買い継続→1.2270売りclose様子見へ
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.30→11.25円)
先週と乖離幅は変化が見られず、今週も引き続きかなり弱めの豪ドル円売り/NZ円買いのシグナルが点灯している。基本的には様子見レベルである。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。 
注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させること、または豪ドル/NZドルの直接取引
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→10.85→9.95→10.80→11.45→9.40→11.30→10.70→10.30→10.95→11.45→11.00→11.05→11.45→11.50→10.70→10.45→10.30→11.80→11.30円
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&275円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円、3月平均は世界同時株安の影響から272.8円と円高傾向。4月平均は279.16。
5月は283.55、282.70、先週は284.70、今週はドル円121.75+ユーロ円163.70=285.45と史上最高値更新中。キャリートレード進行中。
欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離75円 現状乖離幅75.55⇒77.80円』
先週の売りシグナル0.6841から、今週はポジション解消レベルの買い0.6778に突入しており、同レベルでは様子見が点灯している。
過去数週間の売買シグナルは以下の通り。0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6787売り→0.6859売り→0.6805売り継続→0.6833売り→0.6826売り継続→0.6778買いclose様子見
ユーロスイス『平均乖離60円 現状乖離幅64.90⇒64.55円』
先週は売りシグナル1.6575が点灯したが、早くも今週は1.6509の買いシグナルが点灯し、様子見レベルに戻っている。週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.6088様子見→1.6253様子見→1.6195売り⇒1.6073買いclose→1.6200様子見→1.6351売り→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6459様子見→1.6481様子見→1.6509売り
ポンドスイス『平均乖離40円 現状乖離幅41.75⇒43.20円』
2.34台のロングも終了局面へ。先週の買いシグナル2.4230から、さらに上昇し、今週はポジション解消の売りシグナル2.4357が点灯している。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。
2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4187買い継続→2.4126買い継続→2.4143買い継続→2.423買い
***************************************
各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 
★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
***************************************


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド