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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

120円接近はまだ早い、円売り強し!

グリーンスパン前FRB議長発言『中国株はいずれ劇的な収縮に見舞われるだろう』に警戒心を強めた株式市場であるが、それにしても、老いて益々盛んなグリーンスパン前FRB議長の影響力には驚かされるばかりである。毎週のように金曜日は株式相場の軟調が続いており、さすがに株式関係者からも前FRB議長発言に愚痴をこぼしている姿が見られる。
相場は愚痴をこぼした時から損失がはじまり、タラレバになれば損失が拡大する。そして過信が損切りを躊躇させ塩漬けポジションになってしまいます。・・・・・・経験則からの一言!
グリースパン氏も長い間の重職から解放された喜びと寂しさがあるのかもしれません。それにしてもバーナンキFRB議長も何か一言欲しい局面ですが・・・・・?

▼NYダウが高値警戒感と長期金利上昇に伴い軟調を示している。 株価優先の米経済であるが、長期金利の上昇の影響もあり、調整局面の下げに転じていると判断するが、昨日は米新築住宅販売件数が予想をお大幅に上回り、前月比16.2%の伸びを見せており、米利下げ観測が大幅に後退している模様。 反面、今回発表された数字には疑惑も生じており、一概には好感されていない事情も多々あると言われている。いずれにしても、しばしば、改訂される米経済指標の信憑性が問われている所以でもあるのだろうが、所詮は米経済の不透明感がなせる業でもある。
▼今朝、注目された本邦CPI(全国消費者物価指数)は事前予想通りのマイナス0.1%であり、数字によっては早期利上げ期待も窺わせたが、数字どおりに市場の反応も限定的な範囲に収まっている。3ヶ月連続下げとなるとデフレを払拭するには程遠い情勢と言えるし、利上げ時期が右往左往するのが現状である。益々、方向感の乏しい状況となるが、機関投資家の円キャリー拡大が見込まれる相場展開である事は変わりがなく、潜在的な円安基調は否めない相場である。
▼本日はグリーンスパン前FRB議長の発言の影響もあり、上海株式市場を横目にしながら、日経ダウを追う展開から判断しても、株安円高局面に傾斜している相場展開であるが、反面、米ドルの底堅さから株安円高の連動性だけでは円買い材料としては不充分な状況である。そして、週末のポジション調整も重なるため、もう一段の円高局面を待ってからの始動に専念することを勧める。既にドル円121円割れの状況になっているが、120円割れの状況ではなく、下値限定と判断して、120円台半ばからのドル円ロングに妙味が増すと思われる。 しかし、週末と来週月曜日のロンドおよびNY市場の休場の絡みもあり、ポジション調整売りを考慮すれば、120円台半ばまでの買い下がりを検討したい局面である。ドル円120円台後半からの買い下がりを勧めるが、安全を期すならば、120円台半ばの買い一点に絞って臨む事も一考したい。
ユーロドルは1.34台半ばの上値の重さもあり、売りが本線ではあるが、1.34割れからのユーロドル買いにも妙味が生じている。ユーロドルが大きく売られる局面でもなく、下値限定と判断して、1.33台70〜80のロングであればリスクが限定的であろう。同時にストップロスの買いを1.3350割れに設定して臨む事を勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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