米ドルの盛り返し局面→ニュートラルに接近!
先週はG8財務相会合が控えていた状況から、模様眺めが優先された相場であったにもかかわらず、中国人民銀行が利上げと同時に対米ドルに対しても人民元の変動幅が1日0.3%から0.5%に拡大され、一時円買いが加速する状況でもあったが、NY市場突入時には冷静さを取り戻す相場展開であった。 今回の中国当局の発表も、今週22日から始まる第2回米中戦略的経済対話を意識した展開なのであろうが、中国側の気配りの一貫とは言いながらも、今回のマーケットの反応を考えると、円のショートポジションの大きさを彷彿させる。
▼G8においては、やはり来月サミットの前哨戦の認識が強く現れており、為替問題まで波及しなかった模様である。 当初はヘッジファンドの規制強化として注目されたG8ではあるが、ポールドソン米財務長官不在の中で、実態の掴みきれないヘッジファンドの監視規制となると、議長国ドイツの立案だけでは、各国との温度差を確認する会合と言えるのかもしれない。おそらく、ヘッジファンド破綻による直接的な被害が発生するまでは、なし崩しに終わる公算も高いとも言えるだろう。
▼NYダウの好調は相変わらずであるが、 5月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値も予想外の数字をもたらしており、金利が2年債と10年債が4.8%台に復活しており、市場では利上げ観測から利上げ観測まで浮上している。 一方、本邦のGDPは弱含み、そして、歯切れの悪い福井日銀総裁の会見で、利上げ観測が遠退いたことからも、日米間の金利格差の情勢を考えると米ドル優位の状況を作り出していると言えよう。 但し、円安とドル安が歩調を合わしていることもあり、単に金利差だけに注目した米ドル買いには危険性がある。
▼当面は米ドルの優位性はドル円122円までと判断するが、本日21日からの人民元の動きに注意を払わなければならず、同時に上海株式市場の反応を確認しながら、円高リスクへの配慮も怠る事はできないだろう。相対的に米ドルショートの流れが是正されており、対欧州通貨並びにオセアニ通貨に対しても米ドルの復調が散見されるが、米経済の不透明さが象徴するように、ある程度のドル買いが生じたときの反動も警戒をしなければならず、ユーロドル1.35前後の攻防ではあるが、1.34割れの急落もあれば、再び1.36台への足固めも考えられる相場だけに、少な目のポジションで対処することが賢明であろう。
▼今週も米住宅関連の発表が相次ぎ、米ドル主導の相場であるが、その間に米中の戦略的経済対話もあり、相場の難易度も高まることが予想されるが、米ドル売りの流れに変調の兆しがあるだけに、レンジ相場のイメージで取り組むことが賢明であろう。
●****今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)****作成年月日 2007年5月20日(日)週末の終値ベース
本チャートでは先々週から米ドルの過小評価が継続している事を指摘したが、現段階では米ドルの調整買いが進行しており、先週末時点では米ドルがニュートラルなレベルに接近している。通貨によってはポジションの清算局面が見られる。 米ドル買いに一服感が生じるときでもあるが、もう一段の米ドルの上昇があれば、相場の転換期になる。いずれにしても、ユーロドルの史上最高値1.36台後半とポンド2.00台に対しては米ドルの買いを促進させる状況である。更に米ドル安が進み、ユーロドル及びポンドが上値トライをするには、ドル円相場がキーポイントになる可能性が高い。円相場が対米ドルでは歩調を合わしている状況から脱することが一つの条件となるが、今後米ドル売りが加速する際には円高を伴う米ドル安が見込まれる。仮にドル円が115円を目指す展開になれば、ユーロドル1.400台に突入する可能性も否定できない。チャート上では必然的にドル円の上値が122円前後からは抑えられることになる。
尚『通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます』
●新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱 米ドル買い→ニュートラル(様子見)
▼ドル円(ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1240⇒0.1290
先週の通常の売りシグナル120.15から、今週は強めの売りシグナルが121.10で点灯している。今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3509=0.7402?100÷ユーロ円163.60=0.6112⇒(0.7402−0.6112)=0.1290=ドル円121.10売り。
過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1093(116.85買い)→0.1180(118.30売りclose)→0.1072(116.65買い)→0.1154(118.10売りclose)→0.1207(119.25売り)→0.1236(120.20売り)→0.1240(120.15売り継続)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅35円 現状乖離幅42.35⇒42.50円)
1.36台半ばの強い売りシグナルが続き、先週の売りシグナル1.3525から、途中経過では1.34台への展開を見せたが、今週は弱めの売りシグナル1.3509が点灯している。ポジション解消レベルは1.3400前後である。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3192売り→1.3318売り→1.3536売り→1.3589売り継続→1.3651売り→1.3590売り→1.3525売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(20.20→21.35円)
先週の強い売りシグナル0.8319から、今週も引き続き売りシグナル0.8237が点灯している。ポジション解消レベルは0.8150前後。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り継続→0.8298売り継続→0.8215売り継続→0.8319売り継続
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅32.00⇒32.65円)
0.74台からは断続的な売りが点灯しており、先週の売りシグナル0.7337に引き続き、今週も0.7304で売りシグナルがしている、ポジション清算レベルは0.7200レベル。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7066売り→0.7203売り→0.7370売り→0.7473売り→0.7424売り継続→0.7359売り継続→0.7337売り
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅11.95⇒9.35円)
先週は通常の買いシグナル1.104が点灯していたが、今週は強めの買いシグナル1.0885が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り継続→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1613売り→1.1379買いclose様子見→1.1235買い→1.1162買い継続→1.1078買い→1.1104買い継続
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅10円 現状乖離幅2.25⇒3.05円)
ドル円121.10x2=242.20−ポンド円239.15=3.05円
2.00台の強い売りシグナルが継続しているが、先週の売りシグナル1.9813から、今週は1.9748では一部買い戻しレベルである。ポジション解消レベルは1.97前後であり、様子見状態に近い。 過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。 1.9808売り→1.9291買いclose→1.9736売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9686売り→1.9656売り継続→1.9870売り→2.0021売り→1.9979売り→1.9921売り継続→1.9813売り継続。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅21.55→22.40円)
1.20台からの買いシグナルが続いていたが、先週の買いシグナル1.2186を最後に、今週は1.2270でポジション解消売りが点灯しており、様子見段階へ突入している。過去の週間の売買シグナルは以下の通り。
1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2081買い→1.2057買い→1.2111買い継続→1.2186買い継続
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.80→11.30円)
先週は乖離幅が11.80円まで拡大し、第一段階の豪ドル円売り/NZ円買いのシグナルが点灯していたが、今週も引き続き弱めの豪ドル円売り/NZ円買いのシグナルが点灯している。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させること、または豪ドル/NZドルの直接取引
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→10.85→9.95→10.80→11.45→9.40→11.30→10.70→10.30→10.95→11.45→11.00→11.05→11.45→11.50→10.70→10.45→10.30→11.80円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&275円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円、3月平均は世界同時株安の影響から272.8円と円高傾向。4月平均は279.16。
5月は283.55、先週282.70、今週はドル円121.10+ユーロ円163.60=284.70と史上最高値更新。要警戒レベルの円安に達している。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅75.55⇒75.55円』
先週の売りシグナル0.6826から変化は見られず、今週も0.6841の売りシグナルが点灯している。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6787売り→0.6859売り→0.6805売り継続→0.6833売り→0.6822売り継続→0.6826売り継続
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅63.90⇒64.90円』
先週の1.6481では様子見が継続していたが、今週は1.6575で売りシグナルが点灯している。週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.6088様子見→1.6253様子見→1.6195売り⇒1.6073買いclose→1.6200様子見→1.6351売り→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6459様子見→1.6481様子見
▲ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅40.85⇒41.75円』
買いシグナルが2.36台から続いており、先週の2.4143でも買いシグナルガ点灯していたが、今週も2.4230で買いシグナルが点灯している。(一部ポジション解消売りも検討)。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。
2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4187買い継続→2.4126買い継続→2.4143買い継続
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★ 本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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