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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円120円、ユーロドル1.3500⇒ユーロ円162円の相場なり?

▼先週は米英欧の政策金利に焦点は当てられたが、大方の予想通りの結果発表でもあり、今週は仕切り直しの週とも言えるだろう。 ドル円が終始120円前後を往来する状態であり、全般的には米ドルの強さが強調されてはいるが、未だに見通しの悪い米経済を背景にしている以上は、手探り的な相場展開が見込まれる。
▼今週も先週に引き続き、盛りだくさんの経済指標が待構えてはいるが、その中でも週半ばにある4月米住宅着工件数と4月米建設許可件数などの米住宅関連の発表があり、翌日17日にはバーナンキFRB議長がサブプライム問題に関連した講演が予定されており、米経済の不透明な先行きを占う意味でも目が離せない状況下にある。今週も先週に引き続き、盛りだくさんの経済指標が待構えてはいるが、その中でも週半ばにある4月米住宅着工件数と4月米建設許可件数などの米住宅関連の発表があり、翌日17日にはバーナンキFRB議長がサブプライム問題に関連した講演が予定されており、米経済の不透明な先行きを占う意味でも目が離せない状況下にある。反面、ユーロ圏でも好調であったはずの住宅関連に変化の兆しが見られ、住宅ローン需要が大幅に減少しており、今後の回復期待もままならない状態とも言われており、ユーロ経済の景況感にも蔭りが生じ始めていると言う見解も浮上している。
米国の住宅バブルはサブプライム問題までは波及して、終焉の時期を迎えている状況であるが、景況感が高まる中国経済を筆頭にして、アジア圏まで住宅バブルが浸透しており、そして、ユーロ圏でも住宅バブルが問題視されている状況となると一筋縄ではいかない相場展開であろう。来月に利上げが確実視されているECB金融政策にも影響を及ぼすことも考えられ、ユーロドルの上昇にも一服感が生じやすい局面である。今週も材料多いが、相場を大きく左右するには至らず、試行錯誤の相場展開になると思われるが、レンジ幅を拡大し、相場の歪みを見てからの始動が賢明であろう。
▼シカゴ通貨先物(投機筋)の円ショートは10万枚台を維持しており、依然として根強い円売りが散見される。一方、ユーロロングも10万枚台を記録しており、そして、ポンド及び豪ドルも未だに高水準のロングが続いている。 過度な米ドルショートと円ショートが演じられている状況であり、さらに、一連のヘッジファンドンの破綻要因も加味して、円キャリートレード対する可燃感と不安感が混在している状況とも言える。 先週の米ドルを買い戻す動きを考慮すると、過度な円売りと米ドル売りにも警戒を要する。  
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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)****
作成年月日 2007年5月13日(日)週末の終値ベース本チャートでは先週も米ドル買い調整濃厚と踏んだように、米ドルの底堅さが散見される状況である。現状ではドル円のレベルは120円前後を推移しており、比較的安定した動きが見られるが、他の通貨に対しては、先週までの米ドル安の調整段階の兆候も見られる。ユーロドルは史上最高値からの調整売りが見られ、ポンドも2.000台から下落基調も急であり、上値の重さが随所で見られる。
本チャートでも米ドルが段階的ではあるが、主要国通貨に対する米ドル安状態からの脱出の兆候が見られ、ニュートラルなレベルまで接近中である。 但し、キャリートレード志向が未だに強く散見されるオセアニア通貨に対しては米ドルの弱さが見られる。裏を返せば、オセアニア通貨のロングには黄色信号が点滅している状況である。主要3大通貨バランスを考慮すると、本チャートではドル円は119.50~120.50円レベル、ユーロドルは1.3400~1.3550のレンジ内で推移すると思われるが、円ベースで捉えれば、ドル円120円前後とユーロ円161円前後の攻防となり、すなわちユーロドル1.34前後までの下落も考えられる状況である。
総合的には未だに不充分な米ドル買い状態であり、歩調を同じくしているドル円とキャリートレードの対象通貨でもあるスイスフランを除けば、米ドルが過小評価されている相場である。
尚『通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます』
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱 米ドル買い継続
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1236⇒0.1240
先週の売りシグナル120.20から、途中経過では119円台半ばまでの下落基調を見せたが、再び先週レベルに戻り、今週も売りシグナルが120.15で点灯している。今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3525=0.7394?100÷ユーロ円162.50=0.6154⇒(0.7394−0.6154)=0.1240=ドル円120.15売り。過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1093(116.85買い)→0.1180(118.30売りclose)→0.1072(116.65買い)→0.1154(118.10売りclose)→0.1207(119.25売り)→0.1198(119.55売り継続)→0.1236(120.20売り)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅35円 現状乖離幅43.15⇒42.35円)
先々週の強い売りシグナル1.3651から、断続的に下げ基調が見られる。先週の1.3590の売りシグナルに引き続き、今週も売りシグナルが1.3525が点灯している。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3192売り→1.3318売り→1.13355売り継続→1.3536売り→1.3589売り継続→1.3651売り→1.3590売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(21.45→20.20円)
先々週の強い売りシグナル0.83台から、先週は0.8215前後までの下落を見せたが、今週も再び強めの売りシグナル0.8319が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.8048売り→0.8164売り→0.8335売り→0.8374売り→0.8298売り→0.8215売り継続
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅31.75⇒32.00円)
強い売りシグナルが0.74台からは点灯していたが、今先週の売りシグナル0.7359に続き、今週も同様なレベル0.7337で売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7066売り→0.7152継続→0.7203売り→0.7370売り→0.7473売り→0.7424売り→0.7359売り
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅11.70⇒11.95円)
先週は通常の買いシグナル1.1078が点灯していたが、今週も引き続き1.1014の買いシグナルが点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。 1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り継続→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1613売り→1.1538売り継続→1.1379買いclose様子見→1.1235買い→1.1162買い継続→1.1078買い
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅15円 現状乖離幅0.95⇒2.25円)
ドル円120.15x2=240.30−ポンド円238.05=2.25円 
2,0021からの強い売りシグナルが継続中である。先々週の強い売りシグナル1.9979から、先週は強めの売り1.9921まで下落し、今週は通常の売りシグナル1.9813が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。 1.9808売り→1.9291買いclose→1.9736売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9686売り→1.9656売り継続→1.9870売り→2.0021売り→1.9979売り→1.9921売り継続。
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅20.95→21.55円)
先々週の強い買いシグナル1.2057から、先週は1.2111買いシグナルが点灯していたが、今週はポジション解消レベル1.2200に接近しており、一部売りシグナル1.2186(様子見レベル)が点灯している。過去の週間の売買シグナルは以下の通り。
1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2166買い→1.2349売りclose→1.2069買い→1.2194売りclose→1.2151買い→1.2225買い継続→1.2145買い継続→1.2081買い→1.2057買い→1.2111買い継続
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅10.30→11.80円)
しばらく様子見が続いていたが、豪ドルの上昇から乖離幅が拡大基調にある。少な目のスタートになるが豪ドル円売り/NZ円買いのシグナルが点灯している。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。 
注意点*クロス円の売買には円相当額を一致させること、または豪ドル/NZドルの直接取引
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→10.85→9.95→10.80→11.45→9.40→11.30→10.70→10.30→10.95→11.45→11.00→11.05→11.45→11.50→10.70→10.45→10.30円
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&275円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円、3月平均は272.8円と円高傾向。4月からは275.15、278.75、280、  282.75と平均は279.16。5月の先週はドル円120.20+ユーロ円163.35=283.55円と史上最高値を更新。5月の先週末はドル円120.20+ユーロ円162.50=282.70と高水準の円安レベルに達している。
● 欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅76.10⇒75.55円』
ユーロ及びポンドは対米ドルとの動きは激しいものがあるが、ユーロポンドでは動きが限定的である。先週の売りシグナル0.6822に続き、今週も0.6826の売りシグナルが点灯している。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。
0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6787売り→0.6859売り→0.6773売り継続→0.6805売り継続→0.6787売り継続→0.6833売り→0.6822売り
ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅64.00⇒63.90円』
先週の様子見1.6459から動きはなく、今週も1.6481で様子見が続いている。週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.6088様子見→1.6253様子見→1.6195売り⇒1.6073買いclose→1.6200様子見→1.6230様子見→1.6351売り→1.6439売り→1.6417買いclose→1.6459様子見
ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅40.95⇒40.85円』
先々週の強い買いシグナル2.4089から、先週は2.4126の上昇を見せ、今週も同レベル2.4143の買いシグナルが点灯しているが、ポジション解消レベル2.42前後の売りイメージが必要である。過去の数週間の売買シグナルは以下の通り。
2.3495売り→2.3200買いclose→2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.4131買い継続→2.4187買い継続→2.4089買い→2.4126買い
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★本ペットチャートでは3〜4段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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