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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

GW中も乱高下必死、BUT 120円は重い!

近場の温泉?山河の湯 

近場の温泉?山河の湯 

先日、元勤務していた銀行の上司からOB会の誘いを頂きましたが、既に辞めてから13,4年は経っていますので、懐かしい気持ちはあるのですが、参加すれば当然若手の部類に属しますので、正直今さらと言う感も無きにしも非ずです。その上司は為替のリスク管理には大変厳しい方であったことを思い出しますが、当時は20代後半の時でもあり、ある意味では、大雑把でいい加減なディーラー?にとっては煙たい人物でしたね。まあ、今から考えても、20代で数千万ドルの取引をしていたのですから、当然と言えば当然ですが、リスク管理を徹底しないと勝利は遠くなりますよ。セミナー等で少々疲れ気味ですので、ゴールデンウィークが楽しみです。一人で近場の温泉に行こうかと思案中?


●昨日はユーロドルが史上最高値を目前にして失速したが、市場の思惑が米ドル売りに傾斜していたこともあり、米ドルの自力反発による調整買いとも受け取られる。
依然として、米経済減速懸念が残る中で、NYダウが連日史上最高値を更新しており、米株価上昇と米経済減速のギャップが問題視されているため、本邦の大型連休を控えて、波乱含みの展開は避けられそうにない。
米企業の業績が好転している以上は米ドル売りが加速される状況ではないと判断するが、一方では、NY株式市場への過熱感も浮上しており、同時に世界同時株安を招いた中国上海株式市場も史上最高値を更新中でもあり、総じて、株価主導の為替相場と言っても過言ではないだろう。 しかし、資金の流動性を考えると、米ドル安と円安が株式市場にも大きく貢献している段階でもあり、特に円キャリートレードが猛威を振るってからは株高と円安・ドル安の連動性が高まっている相場でもあり、心理的にも、どちらかのバランスが崩れると、一気に米ドル高と円高局面へ突入する危険性もあるだろう。

金利面では本日の日銀展望レーポートと福井日銀総裁発言に注目されるが、今朝発表されたCPIもほぼ予想通りの結果であり、利上げを示唆するようなコメントは期待薄と判断するが、総じて、米利下げ観測が後退しており、再度ドル円120円越えの可能性も帯びている状態である。 故に、ドル円120円前後の売り圧力を摸索する展開も予想されるが、ドル円120円台からの上値リスクは限定的と判断して、ドル円120円の売りを勧める。そして、同時にストップロスの買いを120.10〜20円に定めることを勧める。
円キャリートレードの総体的な流れが急変する事はないにしても、リスク概念とヘッジ機能を考慮すれば、欧州通貨及びオセアニア通貨から、米ドル買いへのニーズが高まる可能性もある。要するには円キャリートレードの再編成となれば、米ドルの下値が堅調にならざるを得ないと判断するが、もう一段の米ドルの下落を待ってからの買いに専念することを勧める。とりあえずは、ドル円119円割れの買いとユーロドル1.36台後半の売りを勧める。

▼輸出企業の断続的な売りが119円台半ばから始動しており、上値を確認するような円売りが散見されるが、120円の壁を意識すれば、円売りにも限界が生じている。いずれにしても、120円を超えるには材料不足も否めないが、限定的なドル円買いと判断して、120円の売りで待機することが得策であろう。一方、輸入企業は120円の厚い壁を信頼して、119円割れからの指導であり、双方とも119~120のレンジ幅で様子見に徹している模様。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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